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結婚指輪じゃなくてもいい。 "ふたり指輪 Switch de Connect"
こんばんは。「心にだけ機能する」を生み出す会社 Switch de Switch 代表の杉原 賢と申します。名前だけでも覚えて眠ってください。
本日1月29日より弊社の指輪ブランド
ふたり指輪「Switch de Connect(つなぐ装置)」
をリリースしました!
下記よりWebサイトをご覧ください。
"ふたり指輪 Switch de Connect" Webサイト
まずは「ふたり指輪ってなに?」という質問に答えますね。
"ふたり指輪"とは、僕が勝手につくった新しい指輪のジャンルです。
…えっと僕、変なこと言ってますよね? 安心してください、自覚してます。
スットンキョウなことを言っているようですが、残念ながらこれは大マジなんです。
持てる全てを注ぎ込み、"ふたり指輪"という新しい指輪の形を本気で普及させるつもりでいます。そのために勤めていた会社を辞め、妻と1歳半の息子を巻き込んで、人生オールインしてます。これもマジです。
ずばり"ふたり指輪"とは、
「結婚」の形にとらわれない “ふたり専用の指輪” です。
おやおや。「それって、ただのペアリングじゃん」という声が聞こえてきますね。安心してください、そのとおりです。
でもそれって、あの"結婚指輪"も全く同じなんですよ? これが本日最大のマジです。(最大のマジってなんですか)
順を追って、説明させてください。
「ほー」とか「へー」くらいは言ってもらえるように、がんばります。
そこそこ長文になりますが、頑張って読んでくれたら後半の絵本に癒やされ、きっと安眠です。指輪がどうのこうの言ってますが、前半はほとんど絵本の前フリです。なんだったら、飛ばして絵本だけ見ていただいても嬉しいです。「がわいぃ…」とニヤけながら寝落ちしてください。
くれぐれも、眠い人は無理せず眠りましょう。ただし起きたら全文2回読んでください。もしくは各SNSでシェアをお願いします。
嫌なら今、無理して読むことをおすすめします。
【もくじ】
・自己紹介
・"結婚指輪"への疑心
・"結婚指輪"の本性
・選択肢に"ふたり指輪"を
・絵本「ぴったりぽかぽか」
・おわりに
自己紹介
改めまして、はじめまして。杉原 賢と申します。
ジュエリー職人の両親を持ち、ジュエリーの専門学校を卒業し、卒業後は昨年2019年4月まで、東京表参道のオーダーメイドジュエラーSORAにてデザイナーをしていました。↓は学生時代の卒業作品です。
ジュエリー漬けの人生です。顔はとっても地味です。
2011年には、日本で一番大きなジュエリーコンペで新人大賞を頂くくらいには真面目にやってました。あと運動が苦手です。
デザイナー時代につくった結婚指輪、婚約指輪は4年間で通算約2000本。担当したお客様(カップル)は1000組を超えます。
おそらく、4年間でこの数のカップルと2〜3時間話した経験があるのは、僕か"銀座の母"くらいではないでしょうか。(事実無根です)
デザイナー時代の作品を2点抜粋します。
【本音を言い続けるための指輪】
月に一度、本音で話し合うことをルールとするカップルの結婚指輪
【ゴールを決めるための指輪】
スタジアムでのプロポーズを計画するアメフト選手の婚約指輪
↑はごく一部ですが、本当に様々なカップルの担当となり、毎日手紙をしたためるような気持ちでデザインの提案をしていました。
デザイナー時代の僕はほとんど "結婚指輪のデザイナー" と言ってもいいほど、結婚指輪づくりに心血を注いでいました。そりゃもう、毎日貧血でぶっ倒れるくらいに。
それほど夢中になったのは「ジュエリーの世界で唯一、社会と深く関わりを持てる分野が“結婚指輪”だ」と信じていたからです。
富裕層に向けた嗜好品でも贅沢品でもなく、社会に必要な指輪をつくっているんだと、誇りを持っていました。しかし、数多のカップルと向き合う中で、そんな考えにも少しずつ変化が起こります。
結婚指輪への疑心
「一部の人にとって『"結婚指輪"は差別用語』なのかもしれない」。
デザイナー3年目からじんわりと、そんなことを思うようになりました。
僕が向き合ったカップルの中には、法律婚をしていないカップルやセクシャルマイノリティのカップルなど、"結婚"という道を選べない、あるいは選ばない方々がいたんです。
どうやら今、僕らが生きる世界は、パートナーとの生き方を一つにまとめられるほど単純じゃないみたいです。
しかも、その方々の中には周囲から「結婚している」と思われないために、あえて左薬指を避けて指輪を着けたり、ピアスやネックレスを代用するなど、"結婚指輪"に対して拒否反応を示す方々もいました。これにはめちゃくちゃ衝撃を受けましたね。
「"結婚指輪"は誰も傷つけない」そう信じて疑わなかったので、
「一部の人にとって『"結婚指輪"は差別用語』なのかもしれない」
この疑心は僕を勝手に、セルフで、自動的に、深く傷つけました。前述の通り、僕はジュエリー漬けの指輪狂いなので。
最初は自分のプライドを傷つけるのが嫌で、見て見ぬ振りをしていたのですが、あることをきっかけに「どうやらマジでそうかもしれん」と疑心が確信に変わってしまったんです。
結婚指輪の本性
僕には、結婚の道を閉ざされかけた過去があります。
問題は僕の国籍でした。彼女は日本人、僕は韓国人です。(唐突にすみません)
近年の日韓問題などに鑑みて、彼女のご両親は愛する娘を守るために結婚を強く反対されました。それが間違っていると思ったことは一度もありません。愛情ゆえの反対であることを理解していたからです。
ただ、当時はとにかくしんどかった。ふたりで毎晩コタツに入りながら、ひざにかかった布団をビショビショに濡らしていました。コタツもしんどかったと思います。
そして、彼女との結婚は叶わないと諦めかけ、準備していた結婚指輪の制作を中止しようと考えた瞬間、当たり前すぎて気にも留めていなかった事実に気付いちゃったんです。
「左薬指に着ける指輪は"結婚をアピール"するためのツールなんだ」。
つまり、「結婚を許されていない自分たちには、着ける資格がないんだ」。そう思うと、"結婚指輪"に対して強烈なコンプレックスを抱くようになりました。当時は"結婚指輪"をつくることすらも辛く感じ、幸せそうに指輪を受け取るお客様を見て、心底羨ましく思ったものです。
しかしその後は愚直な努力を重ね、なんとか彼女と夫婦になることができました。ご両親にはすっかり、実の息子のように可愛がっていただいてます。
僕は、ものすごくラッキーでした。一生分の運をここで使い切りました。
努力だけで、状況を変えることが出来たんですから。
様々なカップルと出会ってきた経験と、上記の原体験によって、世の中には"努力ではどうしようもない現実"を抱えるカップルが、確実に存在することを知りました。そんなふたりを、もっと自由に、ありのままつなげたいという想いから、つくることを決心したのが "ふたり指輪"という新しい指輪の形です。(ようやく本題)
そもそも"結婚指輪"ってなんでしょう。なんだと思いますか?
僕は学生時代から様々なジュエリーの文献を読み漁ってるので、うんちくを語るのは簡単ですが、"結婚指輪"の定義を説明するのに、うんちくなんぞ1ミリもいりません。
ここではあえて、言い切ってしまおうと思います。
"結婚指輪"の定義はただひとつ、
「互いに、左薬指に着ける指輪」です。
着ける目的は「パートナーとの婚姻関係を、アピールする」。たったこれだけです。これ以外のルールは一切ありません。デザインも、素材も、着ける指以外はぜーんぶ自由です。
これだけ定義がふわっとしてますから、結婚指輪を取り扱うブランドは、人々の多様な好みと合わせて無数に存在し、デザイン性やトレンドを追った商品展開を行っています。
婚姻関係を示す以外、ファッションリングと変わりません。
つまり"結婚指輪"って、単なる概念なんですよ。
もっと言っちゃうと、ただの言葉なんです。
単なる言葉が、ふたりの生き方を制限するなんて、そんな理不尽があっていいはずがない。
選択肢に"ふたり指輪"を
じゃあわかった!俺がもっと自由な名前の指輪つくる!選択肢を増やす!
とアホみたいな発想から生まれたのが、新しい指輪の形 "ふたり指輪" です。アホなりに、たくさんの大人と、たくさん話して行き着いた答えです。
本日リリースした指輪ブランド 「Switch de Connect(つなぐ装置)」は、"結婚指輪"という言葉に違和感や疎外感を感じる全てのカップルが、ありのままにつながる世界を目指して"ふたり指輪"という新しい言葉を発信し広めていきます。
"ふたり指輪"の定義はただひとつ、
「互いに、2本を1本として着ける指輪」です。
着ける目的は「パートナーとのつながりを、常に感じる」こと。それ以外のルールは一切ありません。デザインや素材も、着ける指も、ぜーんぶ自由です。左薬指に着けて、婚姻関係をアピールするかどうかも自由に選択できます。
要するに「指輪そのものがパートナーとのつながりを意味してたら、どの指に着けてもよくない?」ということです。
一世一代の大ミッション、“ふたり指輪”の普及活動。
構想からおよそ2年、色々な人達に助けられながら、時には迷惑をかけながら少しずつ形になり、今日という日にリリースできたことを心から嬉しく思います。支えてくれた家族、仲間には感謝の言葉もないです。
とはいえ、感慨に浸ってるまもなく、勝負はこれからです。
何年かかってでも、必ず"ふたり指輪"という概念を世界に浸透させます。俺がやらなきゃ誰がやるモードです。やってやります。助けてください。
普及活動に一点集中、全力投球するため、弊社の商品はスーパーシンプルな1デザインしかありません。デザイナーとしてのスキルすら捨てました。
その代わり、持てる知識と経験の全てを投じて、アホみたいにクオリティの高い指輪をつくります。職人さんをイジメぬいて!
担当のA﨑さん、本当にいつもごめんなさい。引き続きイジメます!
シンプルな指輪の中では、世界でも間違いなくトップレベルのクオリティです。このプロダクトだけで、どこまでいけるか試してみます。
ふたり指輪 Switch de Connect は、"デザインを選ぶ指輪ブランド"ではなく、"パートナーとの生き方を選ぶ指輪ブランド"なので。
また、指輪のメイキング動画をつくったので、ぜひご覧ください。
モデルとして、僕の妻と息子の"親子ペア"と、結婚40周年を迎える"ベテラン夫婦ペア"が参加してくれました。
つながり方の多様性を感じていただけたなら、杉原は嬉しくて泣きます。
指輪について、詳しく知りたい方は下記URLからWebサイトをご覧ください。指輪のクオリティって何のことなのか、そもそも指輪である必要があるのか等、指輪についてめちゃくちゃアツく綴ってます。
"ふたり指輪 Switch de Connect" Webサイト
絵本「ぴったりぽかぽか」
突然ですが、ふたり指輪「Switch de Connect 」へ込めた想いを元に、絵本を描きました。ここに全ページ公開するので、ぜひ読んでみてください。
タイトル:ぴったりぽかぽか
作:スイッチ デ コネクト
キイロとシロは まちいちばんの さむがりやさん
いつもふたりは ぴったりぽかぽか
まなぶときも たべるときも ぴったりぽかぽか
かけっこだって かくれんぼだって ぴったりぽかぽか
きょうも ぴったりぽかぽか おうちにかえると
シロがつまずき すってんころりん
つられてキイロも すってんころりん
「 きをつけないと だめじゃないか 」
「 わざとじゃないだ そんなにおこらないでよ 」
ふたりは とっても むかむかぷんぷん
きょうは べつべつに かえろう
とってもさむいな がくがくぶるぶる
さむくないように おようふくを たくさんきたら ぷっくりほかほか
これでもう ぴったりぽかぽか しなくていいぞ
まなぶときも たべるときも ぷっくりほかほか
かけっこだって かくれんぼだって ぷっくりほかほか
「 さむくない ほかほかだ これならひとりで だいじょうぶ
でもおかしいな あたたかいのに ぽかぽかしない 」
「 シロも? 」
「 うん なんだか ぽかぽかしないんだ 」
「 あたたかいだけじゃ ぽかぽかしないね 」
「 ぴったりしないと ぽかぽかしないよ 」
ふたりは めでたく なかなおり
いつもみたいに ぴったりぽかぽか
だけど ふあんが ひとつある
「 ずーっと ぴったりすることは できないよね 」
「すーっと ぴったりすることは できないよ 」
ふたりは ひとりでも
ぽかぽかする ほうほうを かんがえた
「 これできっと ひとりでも ぽかぽかだね 」
「 うん きっと 」
ぴったりぽかぽか
以上です。
「デザイナーとしてのスキルすら捨てた」と前述した杉原ですが、人知れず絵本作家になりました。まさか、こんな形で自分が絵本を描くなんて夢にも思いませんでした。
これはあくまで、"ふたり指輪"という形があることを知ってほしいという活動のひとつです。「絵本をきっかけに、指輪に興味を持つこともあるかも?」という思いつきレベルの施策ですが、全力でバットを振ってみた所存です。これからも、普及に繋がりそうなことであれば何でも挑戦していきたいと思います。助けてください。
この絵本はWebサイトにて、専用リングゲージの請求をしていただいた方に、もれなくお送りしてます。無料です。
正直とっても苦しいですが、無料です。
ノリで請求したカップルは、これを機に真面目に向き合い、"ふたり指輪"を買っちゃいましょう。
"ふたり指輪"によってパートナーとのつながりはより強くなり、杉原はよりたくさんの人に絵本とリングゲージを送れる。そしてまた“ふたり指輪”を着ける人が増え、杉原はよりたくさんの人に絵本とリングゲージを送れる。そしてまた“ふたり指輪”を着ける人が…
こんな感じで普及させていければなと思います。(馬鹿の思考)
おわりに
随分と長ったらしく綴りましたが、結論としては「変な指輪のブランドができたよ」っていうことですね。
めちゃくちゃ変なことをしている自覚はありますが、同じくらい、これからの世界に必要なものをつくっている自信もあります。変化球なんか投げません。肩が粉砕するまでド直球を投げ続けます。でも運動は苦手です。
パートナーと自由につながりたい方、"ふたり指輪"の普及活動に興味がある方、"ふたり指輪"のブランドをつくりたい方、コンセプトに共感してくれた方、こうしたら広まるぞ!と杉原に教えてあげたい方、などなど、この酔狂すぎる普及活動の仲間を探しています。お気軽にご連絡ください。
一緒に、ふたりが自由につながる世界をつくりましょう。
以上です!ご精読ありがとうございました!
ふたり指輪「Switch de Connect」を、よろしくお願いいたします!
"ふたり指輪 Switch de Connect" Webサイト
絵・文:杉原賢
Special Thanks to...
Web Director: 熊崎慎之介
Marketing Director: 岡山史興
PR Design: 中沢渉
Graphic Designer: 太田裕介
Videographer: 澤田直大
Photographer: 永田正男
Photographer: 井上豪希(てとてと)
写真提供:SORA
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![すぎはらけん/指輪屋](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/137664983/profile_5d4083a9fe36b7b6370835f223d161f6.jpg?width=600&crop=1:1,smart)