見えてきた恐怖の大王
K.S.R.C ResearchReport FileNo.010018
オリジナル公開日 1999/10/11 報告
報告者:KS
<2022/4/某日>
今から20数年前、時代は世紀末を迎えていた。
しかも単なる世紀末ではなく千年紀(ミレニアム)の終わりという滅多に立ち会うことのできない混沌とした時代だった。
メディアは終末論を叫び様々な危機を煽っていた。
その中でも中心となっていたのはノストラダムスであろう。
五島勉氏によるノストラダムスの大予言シリーズは話題となり、また漫画では少年マガジン連載のMMRがその時流に乗っていた。
ノストラダムスの大予言の影響を受け、1999年に世界は滅ぶのではないかとまことしやかに言われていた時代 - 今となってはあの狂乱は何だったのかと思うほど奇妙な空気感が漂っていた。
我がKenSugiリサーチでもノストラダムスは4回取り扱っているが、今回それらのリサーチをここに掲載していく。
当時の雰囲気を知っている人も知らない人も、世紀末に踊らされた世界を垣間見てほしい。
1999年7の月、恐怖の大王が降りてくる・・・
有名なこの四行詩に関しては以前リサーチした。
その中で、7の月とは7月のことではなく、「不吉なことが起こる月の象徴」であるというリサーチを行った。
GPS衛星によるナビゲーションシステムの誤作動や、カッシーニ墜落や、異星人襲来は起こらなかったが、7月から数ヶ月が過ぎた今、世界はまさに不吉なことが起きている。
トルコ大地震や台湾大地震、アメリカを襲った記録的なハリケーンを始めとした世界各地での異常気象。
原子力発電施設以外で起きた臨界事故。連鎖反応のように起こった韓国での被曝事故。
池袋、下関での通り魔事件。お嬢様学校でのナイフでの傷害事件。
元TBSアナウンサーの自殺、久米宏のニュースステーション降板、SPEED解散という芸能界を震撼させる事件。
等々、数え上げればきりがない程、様々な事件・事故が頻発している。しかも、今までの常識では考えられないような異常な事件・事故ばかりである。
これはいったいどうしたことか。
そう、今がまさに「7の月」なのだ。
では、恐怖の大王の正体は、何なのであろう。
答えは、もう出ている。
7の月と思われていた7月を過ぎ去ったという安堵感から生まれる油断。油断から生まれる緊張感の欠如。そこから起こる人災。精神の破綻。
これらのこと全てが「恐怖の大王」正体だ。「恐怖の大王」は我々の心の中に”降りてきた”のだ。
これからもいくつか「恐怖の大王」が原因の事件・事故が続くと思われる。
恐怖の大王は空から来るので、特に、航空機関係は注意が必要であろう。
また、原子力関係での事故は放射能が空から降り注ぐ危険性を秘めているので、やはり注意が必要であろう。
しかし、「恐怖の大王」の正体が解った今、これから起こりうる事件・事故から身を守ることも可能であるはずである。それには、個人個人が注意することが必要だ。
先の臨界事故では基本を守らず、ずさんな手順と安全管理を怠っていたことが露呈している。
また、神奈川県警での連続した不祥事も緊張感が欠如していたことに起因している。
通り魔事件やナイフ事件、海外での銃乱射事件なども不安定な精神状態からくる自制心の喪失が原因であるだろう。
それらをふまえると、我々がなすべきことが見えてくる。
この世紀末を乗り越えるためには、適度な緊張感を維持し、何が正しいことなのか、何が悪いことなのかをもう一度考え直すこと。各教育機関はそういった基礎教育をもう一度見直すこと。各企業も安全二の次・効率優先の考え方になっていないかを徹底的に見直すこと。
これらのことができないと、深刻な事件・事故はまだまだ起き続けてしまうだろう。
ノストラダムスが予言している「1999年」というのは西暦1999年という意味ではないかもしれない。
7の月と同じように「世紀末の象徴」として用いているのかもしれない。
だとすると、今年のみならず、来年2000年12月31日までは予言の範囲内ということになる。
すでに予言の一部「恐怖の大王が降りてくる」という部分は当たってしまった。しかし、全てが当たったわけではない。アンゴルモアの大王は蘇っていない(はずである)。
予言をはずれさすためにも、個人の意識改革が必要になるだろう。
それを実行しない限り、平和な21世紀は訪れないかもしれない。
<解説>
安全二の次・効率優先
このリサーチ執筆中、JR山陽新幹線のトンネルでまたも内壁が崩れ落ちるという事故が発生した。以前同様の事故があった際に総点検したはずにもかかわらずだ。これは前回の点検が、安全最優先ではなく効率優先で行われていたことの証明であろう。