ノストラダムスの予言は現実化したのか?
K.S.R.C ResearchReport FileNo.200104
オリジナル公開日 2001/9/26 報告
報告者:KS
<2022/4/某日>
今から20数年前、時代は世紀末を迎えていた。
しかも単なる世紀末ではなく千年紀(ミレニアム)の終わりという滅多に立ち会うことのできない混沌とした時代だった。
メディアは終末論を叫び様々な危機を煽っていた。
その中でも中心となっていたのはノストラダムスであろう。
五島勉氏によるノストラダムスの大予言シリーズは話題となり、また漫画では少年マガジン連載のMMRがその時流に乗っていた。
ノストラダムスの大予言の影響を受け、1999年に世界は滅ぶのではないかとまことしやかに言われていた時代 - 今となってはあの狂乱は何だったのかと思うほど奇妙な空気感が漂っていた。
我がKenSugiリサーチでもノストラダムスは4回取り扱っているが、今回それらのリサーチをここに掲載していく。
当時の雰囲気を知っている人も知らない人も、世紀末に踊らされた世界を垣間見てほしい。
2001年9月11日。全世界に衝撃が走った。
そう。アメリカにおける同時テロの勃発である。
人類史上、類を見ないほどの残虐な行為に世界は恐怖した。
しかし、この残虐なテロも予言されていたとしたら貴方はどう思うだろう。
あの有名なノストラダムスの予言詩「1999年7の月~」の詩こそが今回のテロを予言しているとしたら・・・。
K.S.R.Cでは過去3回、この予言を検証してきた。
その中で、以下の結論を導き出している。
1.”1999年7の月”とは1999年7月という意味ではなく、終末の時、あるいは不吉な時の象徴である。
(2001年1月1日報告 FileNo.200101)
2.”恐怖の大王”とは人々の心から生じる油断から引き起こされる事件・事故である。
(1999年10月11日報告 FileNo.010018)
しかしながら、今回のテロ事件で若干の修正を余儀なくされたのである。
では、ここでもう一度問題の予言を見直してみることとしよう。
1999年7の月
恐怖の大王が空から降ってくるだろう
アンゴルモアの大王を蘇らせるために
その前後の期間 マルスは幸福のもとに支配するだろう
まずは、1行目の”1999年7の月”だ。
これは、”1999年”が文字通りの西暦1999年ではないことは前回のリサーチからも明らかであるが、問題は”7の月”の方である。
前回のリサーチでは不吉なことが起きる月の象徴という結論を導き出したが、重大な事実を見過ごしていたのだ。
それは、ノストラダムスがわざわざ”7月”ではなく”7の月”という表現を取っていることの意味に他ならない。
ノストラダムスの時代は16世紀である。その時代に用いられていた暦は現在とは異なっている。現在用いられている暦はグレゴリオ暦であるのだが、当時はユリウス暦を用いていたのだ。
ユリウス暦とはエジプトを征服したユリウス・カエサル(英語ではジュリアス・シーザー)によって定められた暦である。彼は、エジプトの暦をローマに持ち帰り、ローマの暦を改良したのだ。それ以降、この暦はユリウス暦と呼ばれるようになったのである。
そのユリウス暦を用いていた時代の人物であるノストラダムスが、あえて”7の月”と表現したのには理由があったのだ。
次の表をご覧頂きたい。
この表はローマで使用されていた暦からユリウス暦への月の呼び名の変遷である。
一番左が最古のローマ暦、左から2番目がそれに改良を加えたローマ暦である。3番目はそのローマ暦をさらに改良した物、一番右のものがユリウス暦と呼ばれる物である。
ローマの最古の暦は1年が10ヶ月で304日というひどいものだったのだ。その後、年の初めに2ヶ月を加えた1年12ヶ月355日の暦がつくられた。その後、ユリウス・カエサルにより改良が加えられていったのだ。
本来”8”を意味する接頭語”oct”が10月のOctoberに使われている理由がここにあるのだ。また、現在の7月のことを英語でJulyというのは、ユリウス・カエサルが自分の誕生月であったQuintilisを、Juliusに変えたためである。
さて、本題に戻ろう。
ご覧になって分かるように、ローマ暦では7の月は現在で言うところのSeptember(9月)のことなのである。ノストラダムスは、その予言の中であえて”7の月”という表現を使うことによって、本来の意味の”7番目の月”、すなわち9月ということを示したかったのである。
これでお分かりだろう。
9月(September)に起こった今回の同時多発テロ事件こそ、ノストラダムスの予言が示していることそのものなのである。
続いて、予言詩の2行目をご覧頂こう。
今回のテロ事件では民間のジェット機をビルにぶつけるという暴挙が行われたわけだが、その映像は繰り返し全世界に放送されたのだ。
この映像を見た人々は皆、恐怖したのである。
まさに、”恐怖の大王”そのものの映像のようである。
注目すべきは飛行機がビルに突っ込んだという事実以上に、その映像が世界中に流れることによって、世界中の人達が一斉に恐怖を感じたと言うことである。
飛行機はもちろん”空”から来たのだが、その衝撃の映像もTV放送電波という形で空から我々の元に飛び込んできたのである。
しかし、本当の恐怖の大王はもっと奥深い物なのだが、それは最後に報告することにしよう。
さて、続く3行目である。
ここで問題となるのはやはり”アンゴルモアの大王”であろう。
今までいろんな研究家達によって試みられてきたこのアンゴルモアの正体であるが、やはりこの部分の解読は難解である。
この部分に関しては後ほど解説することとしよう。
最後の4行目。
これはブッシュ大統領の言葉とテロに対する報復作戦名からも伺い知ることが出来る。
ブッシュ大統領は今回のテロに対する報復を「善と悪との戦い」と言い切り、その作戦名も「無限の正義」という名前を付けている。
これは非常に危ない考え方だ。
テロ行為自体はもちろん許されるべき行為ではないことは明らかであるが、それに対する報復は、果たして”正義”であろうか?
アメリカ的な発想、いや、キリスト教的発想と言った方が正しいかもしれないが、その観点から見れば、なるほど正義と言う理屈も分からないではない。
しかし、武力による報復は憎しみしか残さないのである。
いや、そもそも”報復”という考え方自体、間違っているのではないだろうか。やられたらやり返すのではいつまでたっても終わらない。
今、必要なことはそういった考え方とは別の、強いて言うなら仏教的な考え方が必要な時代になっているような気がする。
話がそれてしまったが、ブッシュ大統領の言うところの”善”や”無限の正義”の意味するところは、まさに”平和のための戦い”であり、それは”人類が幸福に暮らすため”という理屈である。
この主張は今や世界規模で指示されてしまっている。
また、”マルス”というのは”戦争の神”の意味ということは今までのリサーチで報告してきたとおりである。
そこでまとめてみると、武力による解決(”マルス”)という思想が、世界規模で”幸福のもとに支配”されている状況が現在の世界情勢なのである。
では、”その前後の期間”とはいつのことなのであろうか。
それは”アンゴルモアの大王を蘇らせるため”の前後の期間に他ならない。
すなわち、今から始まり、アンゴルモアの大王が蘇るまでこの世界情勢は続くと言うことである。
そこで、”アンゴルモアの大王”となるわけだが、実は、前述した「仏教的な考え方」ということがキーワードになってくるのだ。
”アンゴルモア”というのが何らかのアナグラムではないかということは研究家の間で言われ続けてきたことだが、その中に”モンゴリアン”のアナグラム説という物がある。
通常、”モンゴリアン”の”大王”というとジンギスカンを思い浮かべるが、実は他にもいるのである。
それは仏陀のことである。
仏陀は一般にはアーリア人と言われているが、そうではない可能性もあるのだ。もしアーリア人でないとすると、ヒマラヤ南麓地方(現ネパール領)の出身ということもあって、ビルマないし蒙古系の人種との関連もひとつの可能性として出てくるのである。
そう、仏陀はモンゴリアンだった可能性があるのである。
以上の事柄をまとめてみると、以下のようになる。
まず、”恐怖の大王”であるが、これは今回のテロ行為自体もそうであるが、実はそこから生じた”報復”という考え方こそが”恐怖の大王”なのである。
それに対して”アンゴルモアの大王”とは仏陀=仏教的な考え方のことである。
「人間は”業”というものを背負って生きていかなければならない」「他人を思いやる気持ちこそが一番大切」というように、自分中心、自国中心ではない、他人や他国、他民族をも尊重した考え方こそが”アンゴルモアの大王”の正体だ。
今まで”アンゴルモアの大王”は”恐怖の大王”と並んで”悪”の象徴のように扱われてきたが、実は”アンゴルモアの大王”こそ、救世主の役割をはたしていたのである。
しかし、その”アンゴルモアの大王が蘇る”=仏教的な考え方に世界が変わるまで、”マルス”=戦争が地球上を支配し続けるのである。
ノストラダムスは分かっていたのだ。
報復は報復を呼ぶことを。
武力は憎しみしか生まないことを。
そして、その考え方しか人類には出来ないことを。
永遠に”アンゴルモアの大王”は蘇らないことを・・・・。