ヒトゲノム計画は人を革新できるか
K.S.R.C ResearchReport FileNo.200032
オリジナル公開日 2000/7/23報告 報告者:Ken-chang
2000/7/26追加報告 報告者:Ken-chang
ジオン・ダイクンはニュータイプを人の革新だと言った。
その息子、シャア・アズナブルは革新を待ちきれなかった。
ニュータイプは人同士の関わり合いを正確に理解できる人のこととも、周りの状況を瞬時に理解できる人とも言われている。いずれにせよ、現在で言うところの超能力者に近い。
今現在、我々人類はその脳の全機能を使用していないと言われている。半分とも3分の1とも、学者によっては10分の1も使っていないと言う人もいるほどだ。そんな人類がこの地球という揺りかごを離れ、宇宙空間にその居場所を求めたとき、使われていない脳機能が開花し、ニュータイプ能力に目覚めるというのも分からない話ではない。
シャアではないが、人類全体がニュータイプに目覚めるのを待つには、人生は短すぎるようだ。そこで、薬物や遺伝子療法によって人工的にニュータイプ化する、いわゆる強化人間を作ろうという話になってくるのである。
そのための基礎技術が先頃話題となった。
そう、「ヒトゲノム計画」である。
ゲノムというのは1個の生物を作るのに必要な最低限度の遺伝子セットのことを指す。すなわち、ヒトゲノム計画とは、人間を構成する遺伝子構造を解読してしまおうという壮大な計画なのである。
このヒトゲノム計画は1989年に設立されたヒトゲノム機構を中心に各国の協力の下で進められた。人間の遺伝子情報はその情報量が膨大なため、当初はとてもじゃないが20世紀中での解読は不可能だろうと言われていた。が、その後コンピュータ技術の発達で2005年には解読完了という目標に変更された。
しかし事態は急変した。アメリカの一ベンチャー企業セレーラ・ジェノミクス社が独自にヒトゲノム解読に乗り出したのだ。
セレーラ・ジェノミクス社は、それまでの国際チームの結果と大量の解読コンピュータの投入により2000年にヒトゲノムの解読を完了すると宣言したのである。この発表を受けた国際チームは、その威信をかけセレーラ・ジェノミクス社と同じ2000年に基礎部分の解読を完了する発表したのである。
2000年6月26日、その公約は実現されたのだ。
ヒトゲノムが解読された事により、遺伝子治療を元にしたガンや糖尿病等の治療薬への応用時代が本格的に到来し、バイオテクノロジーの急速な進歩は医や食に様々な夢をもたらすだろうと言われている。現に遺伝子研究による医薬品開発はゲノム創薬と呼ばれ、競争が激化している。
しかし、ヒトゲノムが解読されたとは言え、それはDNAを構成する4つの塩基配列(A:アデニン、G:グアニン、C:シトシン、T:チミン)の並び方が解っただけである。つまり、ヒトのDNA地図、いわばヒトの設計図を読み尽くしたとはいえ、設計図のある部分(DNA配列)が居間になるのかトイレになるのか、それはまた別の話なのである。現時点では、設計図はあるが読み方が解らない状態なのである。
このような状態であるため、現時点では人の革新を助長するような遺伝子を求めることは出来ない。
しかし、このまま研究が進み、いつの日か「ニュータイプ遺伝子」も発見される日が来るかも違いない。
<2000/7/26追加報告>
ニュータイプへの革新は待ちきれないとリサーチしたが、そうとは言い切れないようである。
人類に限らず地球上の生物は基本的には進化し続け、今現在に至っている。人が猿から進化したように。 しかし、進化というものは非常に長い期間を経なければそれを確認することが困難なものである。が、実は今現在の我々の体にも進化の過程が現れているのである。
その最も有名なものは尾てい骨の存在であるが、それ以外にもまだ存在するのだ。
それは、小指に現れているのである。
一つ、実験してみよう。
みなさん手を開いた状態で出していただきたい。そのまま親指だけ動かしてみて欲しい。これは、普通に動くはずである。
では、次に人差し指だけを動かしてみて欲しい。これも極普通に動くはずである。
では、小指だけを動かしてみて欲しい。どうであろうか?ほとんどの方は薬指も一緒に動いたのではないだろうか。
これでお解りであろう。我々の小指は薬指と同時に動作するようになりつつあるのだ。
言い換えるなら、小指は進化しはじめているのだ。このまま進化が続けば、やがて人類の指は4本になるであろう。
このように目に見える部分にもすでに進化の兆候が現れているのだ。これも一種のニュータイプへの変化の現れとは言えないだろうか。
とは言え、ニュータイプは外見的特徴ではなく、内面的な変化という意味合いが強いため、上記のような例はニュータイプと呼ぶには無理があると思われる方も多いことと思う。
しかし、今現在、そんな内面的な変化を起こしている人類が現れているのだ。
それは、最近何かと話題の『17歳』たちである。(2022/5/1筆者注:オリジナル公開当時の2000年頃には何故か”17歳”の少年犯罪が多発していた)
彼らの価値観やモノの考え方は、我々とは根本的に異なっている面が多い。彼らは、自分の思ったことをストレートに表現している。しかもその善悪の判断基準は我々の「常識」とは異なっている。彼らなりの判断基準で動いているのだ。
しかし、我々が今描いている「常識」は本当に正しいと言い切れるのか?
戦争になった場合、敵を多く殺せば英雄である。だが、今、人を多く殺せばそれはただの殺人鬼である。
そうなのだ。状況によって「常識」は変わるのだ。
「戦争は特殊な状況であって、今は平和だからそんな異常事態とは比較できない」と言う方もおられるだろう。が、果たしてそうであろうか。
戦争=異常、平和=通常と誰が言い切れるのか。
むしろ、生物として考えた場合、殺戮のない平和な状況が異常事態と考えた方がいいのである。
現に動物の世界では、弱肉強食が成り立っており、常に敵に殺される危険と隣り合わせで生きている。この弱肉強食の食物連鎖の一番上にいるのが我々人間であるため気付きにくいが、人間も食うか食われるかの世界で生きているのだ。生物にとって生きていくことは毎日が「戦争」なのである。
そこで思い出していただきたい。ガンダムの世界でニュータイプはいつ発現したのかを。そう。まさに「戦争時」なのだ。
『17歳』たちは今の我々から見ると『負のニュータイプ』と言うような行動をとっているが、実は彼らこそ『真のニュータイプ』なのかもしれない。
<補足>
指は4本
一般に宇宙人として目撃されてる生物の多くが4本指であるのは偶然だろうか?
17歳
彼らが生まれた時代は1982~83年。
このころは任天堂ファミリーコンピュータが発売されたり、学術審議会が大学での植物遺伝子組み替え実験を承認したりと様々な事が起きているが、実は機動戦士ガンダムの再放送が盛んに行われていたのもこの時期なのである。