ビージーズの映画見ました
音楽ドキュメント映画「ビージーズ・栄光の軌跡」を見ました。
後にメンバーに加わった末弟のアンディも含めて4兄弟のうち、存命してるのは長兄のバリーだけなので、現在のバリーのインタビューと、1999年頃にインタビューを受けてるモーリスとロビン(双子)の映像が中心になってます。
子供の頃からコーラスグループとして活躍、両親がマネージャーになり10代でデビューし、60年代末に「マサチューセッツ」など、ヒット曲を連発してアイドル的存在に。
日本ではフォークっぽいイメージでしたが、イギリス本国では、もうちょっとポップス寄りな感じですね。
70年代に入って、ややファンに飽きられてくると、モーリスとロビンがバンド内主導権争いでケンカしてソロ活動を始めて解散状態。
「兄弟でバンドをやるのはメリットと難しさ両方あるね〜」と、ご意見番的にノエル・ギャラガーさんのコメント。割と抽象的な意見が多く、ビージーズのすごいファンなのかどうかは、いまいちわかんない。同様にコールドプレイのクリス・マーティンも出てきて「常にバンドは売れると反発で叩かれるのも覚悟で」とか、いろんなコメントを出してるけど、ビージーズに思い入れあるのかは、よくわかんない。
ビージーズの音楽的影響について熱く語ってるのは、おもにジョナス・ブラザーズと、ジャスティン・ティンバーレイクでしたね。
そしてビージーズは、最初はビートルズのマネージャー、ブライアン・エプスタインに見いだされたけど、事務所がクリームと同じになり、エリック・クラプトンは当時からいろいろ助言をしてたそう。再結成して低迷を脱しようとするビージーズに、アメリカ・マイアミでのレコーディングを勧めたのが「自分の音楽史に残る偉業」とか語る。
そして70年代後半はアメリカに渡り、本来好きだったR&Bの要素をぐんぐん吸収したビージーズはダンサブルな曲作りに取り組み、ディスコで売れるバンドになる。バックを努めたメンバーのコメントも多いよ。
で、本来はサントラ用でもなかった曲が、映画「サタデーナイトフィーバー」に採用され、サントラアルバムが史上空前のヒットになる。
このへん「サタデーナイトフィーバー」も4Kリマスターでリバイバルしているので、そっちを先に見てから、このドキュメントを見たほうが理解が深まると思います。
この大ヒットで再びビージーズは人気絶頂、世界のアイドルになるんだけど、一方でディスコ反対運動にも巻き込まれ、80年代になるとツアーができなくなる。この反対運動を描くパートがけっこう長すぎる。あえて、の狙いなんだろうけど、このへん事情を深く知らない我々、日本のファンには新鮮な情報でもありますけど、しかし。
このためビージーズはグループ活動より、人に曲を提供するコンポーザーとして落ち着いた活動になっていく。
そこから、兄弟が病気で亡くなっていくまでの様子は、深く触れられません。バリーは「音楽活動関係なく、兄弟が残っていてほしかったな」と。
映画の最後は、2017年まで飛んで、エド・シーランがカバーする「マサチューセッツ」と、同年のグラストンベリー・フェスでの、バリーがソロで「ステイン・アライブ」を歌うシーンで熱狂する観客を追って終わります。
感傷的にならないよう、でもシミジミとした余韻のあるエンディングでした。
ここで、ぼくから映画へのダメ出し!
やっぱり日本の高齢者ビージーズ・ファンにとっての記憶は「メロディ・フェア」なんだよ。
70年代の低迷期にあって、映画「小さな恋のメロディ」のサントラに参加し、欧米ではいまいちウケなかったけど、日本でだけ大ヒット作になりアルバムもよく売れたのは、彼らにとってかなり助けになってたハズじゃないのかな? 来日ツアーもよくやったのに。そこはスルーなのか〜。。
日本公開版だけ、そのパートを付け足しちゃえばよかったのに。
あと「サタデー」後の絶頂期の印象として、ピーター・フランプトンと共演した、ビートルズのアルバムを実写映画化した「サージャントペパーズ」も触れてほしかったよ。これもヒットしなかったから黒歴史なのか。4Kで劇場リバイバルしてほしい。
そしてビージーズを中心にABBAやロッド・スチュワートやアース・ウインド・アンド・ファイヤーも参加した、あのユニセフ・チャリティコンサートもエピックなモーメントだったはずなのに! なぜ触れられないのか。
そのへんのイイ話に行かずに、あのディスコ反対運動に大きく尺を取るのはちょっと謎だったな〜。
余談
「サタデー」後の代表的ヒットとして「哀愁のトラジティ」の録音風景も写りますけど、当時(1979年)ラジオの「オールナイトニッポン」で近田春夫さんがこの曲を紹介しながら「なんか、このアレンジって日本の歌謡曲ぽいと思わない? 今は向こうのアーティストが日本の音楽を参考にしてんじゃないかな?」と言ってて、確かにうなづける意見と思ってました。
まあ、映画で見た感じでは、それはほんとかどうかわかりませんでしたが、あの当時の日本のポップスの演奏がたいへん優れていたのは、21世紀になってからの世界的再評価で証明されたんだなあ、とあらためて思いました〜。
余談の余談
映画の中で、ビージーズが1980年、バーブラ・ストライサンドに曲提供してヒットを飛ばす場面がありましたが。
当時、このジャケットを見たとき、バリー・ギブが、1976年の映画「スター誕生」でバーブラと共演したクリス・クリストファーソンと、
よく似てるので、ああ、またクリスと共演してんだな〜、とずーっと思ってました。「にしてもビージーズに似た曲だなあ」とかまで思ってた! 数年くらい気が付かなかった。バリーすまん。。
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