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ぼくのライブエイド研究7

クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」大特集!

ついに地上波テレビ初放映されました!

まあ、この日が来ることを今年の初めに予想して、このブログを書くきっかけにもなった、ぼくの文章をまずは読んでおいてください。

で、クイーンが、ライブエイドで演奏したシーンがクライマックスで描かれる(からこその)感動の映画「ボヘミアン・ラプソディ」が、地上波テレビで初めて放送されました。やっぱりリアルタイムでSNSが大いに盛り上がりましたね〜。一体感があった!
2021年6月4日、日テレの「金曜ロードショー」で。吹き替え版

その2日後、6月6日には、BS日テレで「ボヘミアン・ラプソディ・ライブエイド完全版」が字幕版で放送されました。完全版がテレビで放映されるのは世界初なんだそうです。

実際のライブエイドでは、クイーンは6曲演奏してたけど、映画の劇場公開版では2曲ぶんカットされてた。この2曲ぶんを含んだ映像は、DVDやBlu-rayの特典映像として収録されただけで、その後のBS有料チャンネル放映や、ネット配信サービスでも公開されていませんでした。それがいきなり、無料で見れるのです。

つうか、そもそもなんで、そこをカットしてたのか、つう話だよね。他にも撮影されてカットされたシーン(日本公演で「39」を演奏するとことか)はたくさんあったそうですが。

やっぱテレビで、日本全国各地でたくさんの人が、同じ時間に体験したので、わくわく感があったね。それが、あの1985年のライブエイド本番では世界15億人の人が同時に体験したんだものね~。正確には日本はやや同時ではなかったのは、今までの連載でおわかりと思いますが。。

にしても、実際のライブエイドの日は、日本では夜中、というか朝の3時40分ごろからクイーンが放送されたのに(イギリス時間で18時40分ごろ、アメリカ時間で昼の1時40分ごろ)、今回は夜の11時くらいからライブエイドのシーンが放映されたんだから、出世したね! つうかなんつうか。

しかし歌の部分は、歌詞の和訳字幕ではなく、一緒に歌える英語歌詞字幕つけてほしかったな。。せめてBSだけでも。

地上波放映当日は、ぼくも11時くらいから実況ツイートしましたよ!https://twitter.com/kenso1978
ぼくがやったのは映画の本筋とは関係ないハッシュタグで

#映画に出てこないライブエイド1985会場実況(togetterまとめ)

として、映画の中で、1985年7月13日の朝、ライブエイドが始まるシーンから、フレディが恋人を迎えに行って、実家の両親に紹介してる間に、もうコンサートは進行してるのに! と、クイーンが登場するまで5分ちょっとの間に実際の時間は6時間半、その間にステージに登場していた全アーティストを時系列に紹介しました。これはたぶん世界で自分にしかできない仕事!

5分の間に25ツイートしないといけないので、事前に写真とツイート内容も準備して、どんどんコピペしていった。CMが入りそうなタイミングも予想して、ツイートの練習までして。これは意外とうまく行ったよ。これで少しはクイーンを入り口にライブエイドそのものに興味を持つ人も増えてくれたかな〜?(わかんない

ライブエイドの最初から、みんなは皇太子夫妻を迎えるため会場にいるのに、フレディは来てない、の図。↓

冒頭

「ボラプ」劇場公開時の熱狂

まあ、それでも映画は2018年の秋、最初の劇場公開時から3年近く経ったけど、すでにすごく懐かしく感じるほど、あのときの熱狂は凄かったなあ~。コロナのせいもあって、1回、時代が代わったような気もするね。ちょっと当時のテレビのワイドショーで、そのヒットぶりが取り上げられてる部分がYou Tubeにアガってるのを集めておきました。

報道ステーション(テレ朝)
https://www.youtube.com/watch?v=vW01ecOtzPY

ワイドスクランブル(テレ朝)
https://www.youtube.com/watch?v=N-wWG1bxHAU

サンデーステーション(テレ朝)
https://www.youtube.com/watch?v=TcWMcERCZtI

とくダネ!(フジテレビ)
https://www.youtube.com/watch?v=98s-DD4VCQg

https://www.youtube.com/watch?v=q2KC7eWjVSc

めざましテレビ(フジテレビ)
https://www.youtube.com/watch?v=6_lx7pL6eNA

シンソウ坂上(フジテレビ)
https://www.youtube.com/watch?v=yyOkejk2b9M

情報グッディ(フジテレビ)
https://www.youtube.com/watch?v=lrhQSPzeaUU

スッキリ(日テレ)
https://www.youtube.com/watch?v=cp5NRGrYhdM

ダウンタウンDX(TBS)
https://www.youtube.com/watch?v=2_8R-Xhaue4

他にも、もっとたくさんあったと思いますけどね!

ぼく的には「このラストのライブエイドは、クイーン以外にもマドンナやミック・ジャガーやボブ・ディランなど大スターが多数出演したすごいイベントだったんですよね~」ていう部分が、もっともっと拡大されて、ライブエイド自体にリバイバルブームが来るのでは? オリジナル全編16時間・再公開とかあるかな? と期待したのですが、それはありませんでした! なんでや!

そんなもんで、ぼくもしょうがなく、こんなブログを書き続けていますが。。とはいえ部分的でもライブエイドを再現する映画がついにできた、というだけで、これは一生感謝しなければいけない出来事ですね。

ぼくも3年前当時、高校1年生だった次男を連れて劇場に見に行って、感激してた。今の時代の子にもクイーンは通用するんだなあ~と思って、泣けたよ。次男も今年は大学生になったよ。

その後、何度も追加上映され、ずっと映画館にかかってる時期もあり。川崎では競馬場で上映されたり、上野公園でも野外上映されたの、ぼくも見に行ったけど、数千人が集まって盛り上がってたな。ライブシーンはともかく、あんな人間ドラマ部分は重たいセリフの多い映画を、お祭り感覚で、よくやったもんだよな~。

「ボラプ」は何が優れた映画なのか?

そう、まあまあ重たい映画なんだよね。なのに大ヒットした。クイーンの音楽、美しい男たちのバンドストーリーがあったおかげで救われている。そこが素晴らしいとこじゃないですか。

◎ LBGTの問題を大きく取り上げている。

大きな社会的なテーマとして、まだ理解の少なかった80年代の時代背景も描いている。でも悲観的ではないし、深刻にもなっていない。今までの映画だと、それ自体が主題になったり、ただ悲劇的な描き方にもなったりするけど、あくまで主役であるクイーンの音楽が包み込んでいる。

◎ ドラッグ中毒、エイズ、死にまつわる闘病の怖さも深く取り上げている。

これも、今までの映画だと、それ自体が主題になったり、ただ悲劇的な描き方にもなったりするけど、あくまで主役であるクイーンの音楽が包み込んでいる。深刻すぎない。異様な描写にもなっていない。エンタテインメントとして成立している。

この2点において、映画史的にもターニングポイントになる画期的な作品ではなかったかな? と思いました。

でも、これは悪口ではないんですけど、以前の有名人の伝記映画というのは、だいたい本人よりもカッコいい役者が演じて「美化しすぎ」と批判されることが多かったんですが、この映画に関しては、どれだけ似た感じの現代のイケメン俳優たちを集めても、1970年代の実際のクイーン本人たちのほうがハンサムだったなあ、というのがあらためて凄いな~と思いますよね

「ボラプ」トリビア検証

劇場公開時にいろいろと制作ウラ話を書いた記事はありました。まあ、これから先は、テレビで初めて見る人にはネタバレにもなるので、映画見てから読んだほうがよいです。

しかし、映画のストーリーの脚色が、本物のクイーンの事実とは異なる! と言って文句を言ってる記事もけっこうあった。その中では、ぼくはコレが比較的に正確な内容でまとまってるかな? と思いました。ぼくが書きたかったこともだいたい書いてある。サンシティや、ロック・イン・リオのことも。

記事中にある1985年の日本公演のとき「夜のヒットスタジオ」にライブの宣伝に現れた様子も、動画がアガってました。

これがライブエイドの2ヶ月前くらいだから、映画の中で「ライブエイド前にクイーンは解散状態だった、ことにして再会をドラマにしてるけど、実際は直前までツアーやってたじゃないか」と文句を言ってる人は多いんですが、
そのツアーを当時イギリスで見に行った土屋昌巳さん(一風堂)の感想で「バックステージ行ったらメンバー全員バラバラの楽屋で、ステージ上がるまで一言も口聞かないんだよ。さすが大物は違うね」みたいな話を読んだことがあるので、おそらくツアーは続けてても、やっぱり関係は冷えていたのではないかと想像します。ライブエイドが成功したので、また仲良くなれたと本人たちもインタビューで言ってたし。

まあ関係が冷たくなったままでも、ビジネスだけでツアーを続けてるベテランバンドなど、今も昔も多いんでしょうが~。

■ しかし映画の中で、セカンド・アルバムが出たへんで、本来7枚目のアルバムに入ってる「ファット・ボトムズ・ガール」を演奏してるじゃないか! てことに文句を言ってる記事はなかったな。とか「地獄へ道連れ」のときクイーンでディスコは反対、とか言ってたロジャーがほんとは前のアルバムで最初にディスコっぽい曲作ってたのに、とか、細かすぎて、どうでもよいか。

■ あと、日本の映画会社の「ボヘミアン・ラプソディ」公式Twitterが、映画の中のマネージャーがライブエイドの企画を話すシーンの「すごいスターが出るイベントだ、ボウイ、エルトン、ポール、マドンナ、ボブ・ディラン、ミック・ジャガー、REOスピードワゴン」というセリフに「REOスピードワゴンが出てくると、ちょっと他のスターより格落ちな感じで笑いますよね~」というツッコミを入れてしまい「そんなこと公式が言うか?」「REOのファンに失礼。配慮がない」とプチ炎上していたことも、この際、記憶しておきたいと思います。↓ REOのヴォーカル、ケビン。苦労人です。

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■ ところで、途中、フレディがゲイ友達を集めてパーティをやってて、クイーンの他のメンバーが気を悪くして帰ってしまうシーンのとこで、バックに流れるのがリック・ジェイムスの「スーパーフリーク」なんですが、MCハマーのヒット曲「ユー・キャント・タッチ・ディス」の元ネタになった曲なので、イントロが流れた瞬間、ほとんどの人は「おっ、MCハマー?」と思ったかもしれない。

本編中クイーン以外の楽曲が目立つ使われ方をしてるのはそこだけなんだけど、選曲意図はなんなんだろう? と考えたんですが、その曲の内容が「薬物乱用をを彷彿させる意図じゃないかな? リック・ジェイムスも死因もコカインの多量摂取による心不全だし。曲の歌詞もグルーピーの変態女がテーマ」とDr.Tommy氏に、「フレディが他のメンバーたちに、ぼくらはみんなフリークじゃないのか、家に帰っちゃうのか、と問いかけてるような感じ」と久保憲司氏にご教示いただきました。

■ クイーン以外の楽曲が目立たない使われ方をしてるとこでは、前半の古着屋のシーンでクリームの「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」が流れるのと、あとライブエイド本番のトレーラーの中で出番を待ってるとき、薄~くダイアー・ストレイツ「悲しきサルタン」が流れてるとこですね。これは歴史考証的にまったく正しい。ロンドン側のステージでクイーンの1っこ前の出番だったのはダイアー・ストレイツなので。

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ライブエイドの翌年に行われた、クイーンのハンガリーツアーの映像(NHK−BSで放映された)見てたら、記者会見のとき「もはや史上最高の人気バンドですね」と問われ、ロジャー・テイラーが「いや〜、ダイアー・ストレイツも好調だと思うよ」とシャレで返す場面があって、そこでつながった! という感じでした。

しかし正直、当時はダイアー・ストレイツはレコード売上ではクイーンを上回ってたけど、ステージングは地味だし、あのライブエイドの演奏での「悲しきサルタン」の後半のギターソロはちょっと長すぎたと思う。そこでお客さんもややダレてたかも。

■ だけど映画の冒頭で、クイーンがステージに向かうとき、階段ですれ違う人々は、学生服みたいなの着てたから、あれはボノなんだな。U2のメンバーてことか? ダイアー・ストレイツよりも1こ前の出番だったから、ほんとはすでに引っ込んでるはずだけど〜。

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■ この連載の前々回で書いたように、ダイアー・ストレイツの後は、アメリカからティアーズ・フォー・フィアーズの中継があるはずだったけど、キャンセルになって、

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代わりにジョージ・サラグッドになった。いい演奏じゃないか〜、と後で見ると思うけど、そのとき現場のロンドンの観客にはあまり馴染みもなく、渋すぎて退屈されたかもしれない。

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そこでのクイーンの登場、というのが「なんか、いよいよポップスターが来た!」という効果が大きかったと思う。時間がちょうどロンドンは昼から夕暮れ時に差し掛かる、という天候タイミングもバッチリ恵まれてたよね~。。

なぜライブエイドでクイーンは一番輝いたのか?

それは、いつも通りのクイーンだったから、としか言いようがない!

ライブエイドで、ジョージ・マイケルは、エルトン・ジョンのゲストでバックコーラスだけの出演だったんだけど、アンドリューもいたのに、どうしてワム!として出演してくれなかったのか?

ソロとして出演したスティングや、ブライアン・フェリーや、ミック・ジャガーが、ポリス、ロキシー・ミュージック、ローリング・ストーンズとして出演してくれてたら、イベントのグレードもまた違ったのではないかな~と当時も思っていた。

しかし、音楽誌ではフレディ・マーキュリーもソロアルバムを出したばかりだから、ソロで出演するのかも、というような事前予測情報もあったのだ。
だからこそ、クイーンとして出演して「いつものやつ」をやってくれたことへの、驚きとうれしさがあったのも、映画を見て思い出した。70年代から見てたファンはみんなそうだったろう。「エ~オ!」というのも「お、まーた例のアレをやってんな~」という。

こういう大きいイベントは、紅白やMステの特番もそうだけど「この日だけの豪華特別コラボ」とか「おなじみの曲を今日は特別バージョンで」いう人ばかりで、なんか違和感あるときも多いからね。
クイーンはクイーンだけのパッケージでまっとうして見せた。もともと慣れてる曲を、さらに気合入れてリハーサルやってたのも映画でわかるね。

もちろん、時代はすでにニューウェイヴだったので、すでに古いバンド、というイメージも若い客には持たれてたと思うけど、でも「ボヘミアン・ラプソディ」のイントロをピアノで弾き始めたとたん「あ、昔から有名なこの曲、あのヒゲの人が歌ってんだ!」という「知ってる感」による会場の連帯がすごかったと思う。そして「レディオ・ガガ」は、割と近年にヒットしてた、わかりやすい曲だし、手拍子入れやすいし。

「エ~オ!」も初めて見た人にはインパクトあったと思う。あんなベタなことやるボーカリスト、クールなスタイルが支持された80年代にはあんまりいなくて、かえってショックだったろう。ま、誰にもマネできない唯一無二のフレディの声あっての迫力なんですが。

「ハンマー・トゥ・フォール」も、さらに最近の曲で、歌詞はシリアスで当時のフレディの心情にも合ってる感じだけど、曲はアップテンポで、軽くてノリやすいし、カメラマンとたわむれるような曲間のアクションもキマってる。クイーンの中では有名なヒット曲ではないけど、すごく効いてたと思う。

【映画本編には入ってない】そいで「愛という名の欲望」も、すでに7年前くらいの曲だけど大ヒットしたし「ああ、知ってるわ〜」て感じで、ロカビリー調で、やっぱ手拍子入れやすいし一体感が出る。「フレディがギターを持つ、という変化のある展開にもノセられる。

そして誰でも聴いたことのあるアンセム「ウィ・ウイル・ロックユー」のドンドンパッ「あ、サッカー場とかで前からよく聞く、この曲だ!」という手拍子と大合唱。ほんとにお祭り向きのバンドだね。熱狂するお客に向かってブライアンがエンディングのギターソロを聴かせてる間に、もうフレディはピアノに座ってスタンバって、すかさず【ここまでが入ってない】

「伝説のチャンピオン」のイントロを静かに弾きだす! ノセといて、またスッと引かせるメリハリ。そして歌い上げるバラード調から激しいドラムが入り、また立ち上がって拳を突き上げる! 8万人が手を振っている!「ああ、これもそうか! ほんと、この人たち、有名なヒット曲たくさんあるんだなあ」と、クイーン知らなかった人たちも、オールドロックに詳しくない人でも、全員が知ってる曲の連発で、一気に盛り上がっていった感じです。

クイーン単独のコンサートでのファンだけのお約束の熱狂ではない、他のアーティストのファンなど、一見さんをみんな巻き込んでひとつにしている、という新鮮さを演奏中のメンバー自身が感じながら、ステージと受け手の一体感が伝わってるのが、画面を通して世界じゅうの人々にもわかる、本当に良いライブ。あらためて。

また1バンド20分前後、という短い持ち時間にビシっと6曲も収めてるから、よけい感動も大きいんだよね。と、ぼくの場合、どんな好きなアーティストでもワンマンで2時間も3時間もやられると途中で退屈する、という失礼なタイプなので、ライブエイドに惹かれるものがあるんじゃね~。

なにしろ、16時間オーバーのライブエイドに何十組のアーティストが出演した中で、後に「自分らの出た場面だけ、自分たちのビデオに収録して発売」したのはクイーンだけ、なんですから。そのくらい自分たちでも「あれは最高だった」として納得して、他のアーティストも「クイーンなら、しょうがない、いいだろう」と認めたわけだから、すごいことだよね~。

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クイーンの出番後から募金が増えたというのも、映画の通りらしいし、バックステージでもクイーン後の出番だったザ・フーやエルトンやボウイも、みんな「先にクイーンに持ってかれちゃったな〜」とフレディをホメたたえてたらしいし。日本の生放送でも杏里さんが「クイーンは気合入ってましたね!」とコメントしていた。

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それが映画だと、さらにライブエイドに至るまでの過程が、人間ドラマとして詳細に描かれたうえでの、正確に再現したアレだから、よけい盛り上がるよな! 

でも、本当はもっと、ライブエイドのオープニングから、他のアーティストの演奏してる様子とか、イベントの様子も、ちょいちょい挟みながら描いてくれてたら~、もっとよかったと思うけど! 出番終わったあとのボウイとかエルトンとかの絡みも画面にあればな!

とはいえ、その後のクイーンから、フレディの死にぎわまでをドラマにしなかったのは、その判断も良かったと思います。若いうちのバンドストーリーからライブエイドまで、が美しいよね、やっぱり。

■ しかし1985年、当日の生中継を見直してみると、BBCのヨーロッパ中継では、クイーンの演奏は当然フルで流れているけど、アメリカABC地上波では「ボヘミアン」からの冒頭はまだCMで「ラジオガガ」の途中から始まり「ハンマー」終わりでCMにいき「愛欲」の途中から戻って完奏、て感じ。アメリカMTVは、最初はいいけど「ハンマー」終わりでCMいって、明けたら、もう「チャンピオン」の最後のほうだった。だいぶ抜けてる。

で、日本のフジテレビは、頭は少し欠けたものの「ボヘミアン」から、ずっと途切れなく入ってる、と思ったら「ロックユー」の途中でCMいってしまった・・。「チャンピオン」なし。実はけっこう、割と不完全な形でしか見てなかった! あれ? 

そんな断片でも世界中に「クイーンよかったな〜」て伝説を残した、というのもすごいよね。みんな足りない部分は脳内補完できていたのだ。ま、えーおだけでも、じゅうぶん伝わるものがあったんかね〜。後の再放送やビデオ、DVDなどで伝説も補完されていったんだな。

それが36年後に映画の力によって、途中CMまたぎ無しで、完奏されたのは本当にうれしい、すごいことだと思う!(本人の実際演奏ではないけど!)

当日のライブエイド全体の詳しい記録はコチラで  

ライブエイド・タイムライン


■ ついでに、もしライブエイドでクイーンが、他のセットリストで演奏してたら? を妄想してみるのも面白いよ。ぼくが考えたのは

1.「キラー・クイーン」
2.「地獄へ道連れ」
3.えーお
4.デヴィッド・ボウイ呼び込み「アンダー・プレッシャー」
5.ボウイ送り出し「フラッシュ・ゴードンのテーマ」〜「ナウ・アイム・ヒア」ロジャーのドラムソロ〜「バイシクル・レース」(メドレー
6.「ドント・ストップ・ミー・ナウ」

どうでしょうか? それなりにクイーンを知らない人でも盛り上がりそうじゃないかな? アメリカ向けすぎるセットかな? みんなも考えよう!

■ ついでにカラオケ屋、DAM と JOYSOUNDで、今歌えるクイーンの楽曲をリスト化したものあるので公開しておきますね。アルバムごとに分けてあります。こんな状況で、今はカラオケ屋も閉まっていますが、いつかカラオケ屋で歌うときお役立てください。DAMにしか入ってない曲は水色、JOYSOUNDしか入ってない曲は黄色をつけてあります。

そのうち役立つ! クイーン全カラオケリスト


◎ クイーンでカラオケといえば! クイーンは世界で初めて(唯一?)、オリジナル音源によるカラオケをリリースしたバンドだったですよね〜。実際のクイーンの演奏で、フレディのつもりでカラオケが歌える!

これ最初、1997年くらいにレーザーディスクで発売されて、ぼくも大喜びでヤマギワ電器千歳船橋店(今はユニクロになってる場所)に予約して買いにいったものです。

これが出たとき「やった! クイーンのおかげで、今後世界の人気アーティストはみんなオリジナル音源をそのままカラオケにしたものをリリースするようになるだろう」と思ったのですが。。そんなことは起こらなかった! 20年以上たっても、そんなんクイーンだけだった! ひどい!

そしてDAMやJOYSOUNDにも、残念ながらオリジナル音源のままのオケが乗ることはなかったのです。まあ権利関係むつかしいんでしょうが。。

■ ついでに、今年はオリンピックイヤーなので、2012年のロンドンオリンピックの開会式セレモニー動画もリンク貼っておきますね。(直貼できんかった)

https://www.youtube.com/watch?v=4As0e4de-rI

「ボヘミアン・ラプソディ」が聴けるのは1時間9分25秒くらいからです。

こっちは閉会式セレモニーのほうですね。フレディの映像えーお、ブライアンのギターソロ(映画「ベイビー・ドライバー」にもテーマ曲のように使われてた「ブライトン・ロック」から)、ロジャー登場してドラムからの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」(最後はティンパニも叩く)
なんか、このロンドン五輪の開閉会式も、メンバーもノリも、ライブエイドの延長とも言えるような、ある意味、全世界衛星中継のロックフェスでしたね〜。いつか、この研究も始めてしまうかもしれない。

こんなスケールとクオリティのセレモニーは、何のトラブルや遅延もなく、通常通りに東京五輪が開催されてたとしても、日本の運営では絶対に不可能だったよなあ〜、と思わされます。

1984年のアメリカ・ロサンゼルス五輪は、ソ連(ロシア)をはじめ、多くの東欧の国が政治的な理由で参加をボイコットした。エチオピアもボイコットしている。

しかし翌年のライブエイドは、ロシアのミュージシャンも衛星中継で参加し、西欧諸国と一緒になって、エチオピアを救おうとしているのだから、五輪以上の平和の祭典だったんだなあ、とあらためて思いますね〜。

そして、ついでにエルトンにも言いたい!

実在する、イギリスのレジェンドなミュージシャンの伝記映画。無名のバンドマン時代から、やがてデビューし、1970年代にヒット曲を連発して世界的な大スターに。

しかし富と名声を得てからはパーティ漬け、酒とドラッグに溺れて生活は破綻し、さらにゲイであることから世間から偏見を浴び、マネージャーには裏切られ、メンタルはどん底に落ち込むものの、家族との葛藤、友人からの支えによって乗り越えていく感動の物語。

主演俳優の、本人になりきった演技も見事でした。
「ボヘミアン・ラプソディ」でしょうか? いいえ。エルトン・ジョン「ロケットマン」です。

登場人物によるダンスシーンなどミュージカル仕立ての場面と、幻想的なイメージカットの多さから、クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」とは、かなり質の違う作品であって、比較の対象にならない、という意見もあるようですが、しかしこんなに共通項があると、やはり自分には姉妹編か、類似作品のように思えましたね。

エルトン・ジョンをよく知らない人が見ても面白いと思う。クイーンほど「この曲知ってる!」みたいな感じじゃないとは思いますが。

そいでも、せっかくキキ・ディー役の人もいるんだし、ラストはやっぱりライブエイドまで話を持ってっても、何も問題なかったじゃないか!

映画のラストは80年代最大のヒット曲「アイム・スティル・スタンディング」のPV撮影風景で終わるんだけど、ライブエイドのステージでも最初に歌ってる曲なんだよね。

もう今からでもいいから、いつか来るテレビ放映に合わせて追加撮影でもやってほしい。「ボヘミアン・ラプソディ」のライブエイドのセットをそのまま借りて、クイーン役のメンバーとの会話とかも入れて。ウェンブリースタジアムを映画のラストに持ってくるんだよ!

そして、いつかデヴィッド・ボウイや、ザ・フーや、ポール・マッカートニーなどの伝記映画ができるときも、できればすべてラストはライブエイドの出演シーンをラストに持ってきて、そこがキャリアのピークだった、というライブエイド・サーガというシリーズものにしてほしい、というのが、ぼくからの要望です! そのほうが映画会社も売りやすくて、お客も入ると思う!

■ では、次回はいま一度「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」のレコードとライブのバージョン違いについて深掘り!(地上波っぽい)したいと思います。

2021年6月7日 かとうけんそう

■ ぼくより詳しい方がいらっしゃったら、間違いの訂正、情報提供、あらたな補足ください! いつでもフィードバックして、また文章を修正・追記します!

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