スージー・クアトロの映画を見ました
3年前にこういう文章 ↑ を書いたんですが、ジョーン・ジェットのドキュメント映画があったんですよね。その中ではスージーからの影響についてはサラっとしか触れてないんだけど、今回の映画「スージーQ」ではジョーンがいっぱいコメントしてて、当時の映像でも、めちゃめちゃスージーの大ファンで、リスペクトしてたことを語ってる。シェリー・カリーやリタ・フォードも。
順序が逆というか、このスージーの映画のほうが先に存在しないと、いけなかったじゃないか! と思いますよね。
若い頃のスージーは、ほんとにスタイル良くてかわいい。このルックスでなければ売れなかったよね。あのレザーの衣装がジェーン・フォンダの「バーバレラ」から取ったとか、やっぱバーバレラはロックにいろんな影響与えてるね〜。
ちなみにスージー・クアトロというのは本名でした! クアトロ家のスーザン。
スージーQというワードについては、映画では説明されてなかったので、wikiで調べると、戦前のダンスステップの名前とか、ボクサーのパンチ名とか、アニメキャラとか、もともと使われがちな言葉で、50年代に曲名にもなり、CCRにもカバーされてヒットして、後に日本でジョジョの登場人物にも使われるという。
ま、だから偶然の一致なんですね。
映画には、日本でのライブとかプライベートショットもけっこう入ってて、東京にいるときに後からランナウェイズが来た話もある。ウドーに無理やり和服を着せられたエピソードとか。お酒のCMとか。高知第一ホテルの浴衣を着た写真とかもあったw
こんな貴重な映像 ↑ もアガっていた。どこが出どころなんだろ? 映画にも使われたシーンも入ってるようだ。
ジョーンの映画でも語ってたデボラ・ハリーは、この映画にも出てるし、トーキング・ヘッズ=トム・トム・クラブのクリス・フランツとティナ・ウェイマス夫妻も出てきて、ティナにベースを弾かせるために参考にスージーを聴かせた、という意外なエピソードもあった。
ゴーゴーズのベースの人とか、トランスヴィジョンヴァンプの人とかも出ますが、スージーに影響を受けた女子ロッカーの人らも、みんなイイお婆ちゃんになってるので、どっちが上の世代かわからないw スージーもオジーぽいルックスになってきてますが。
あとフィッシュボーンの人や、一緒にツアーしてたアリス・クーパーも出るし、プロデューサーのマイク・チャップマンがまだ健在でいろいろ語ってくれるのもありがたい感じ。他のアーティストの話が聞きたくなるね。
意外なとこでは、19歳で1972年にデビューして、3年でスターになったんだけど、ヨーロッパ、オーストラリア、日本で売れてたのに、アメリカでは70年代はあまり成功してなかった、という。アメリカでも売れてたのかと思ってたよ。チャートでも100位以内に入ってなかったとは。
70年代はイギリスのグラム・ロック・シーンの中にいたのがよかった、と語られる場面で、デヴィッド・ボウイ、マーク・ボラン、スレイド、スイート、とか名前を挙げられる中で「スパークス」の名前も出てきた、と思ったんだけど、字幕には書いてなかった。後でビデオで確認したい!
しかしアメリカではグラムロック自体、それほど認知されてなかった、てことで、スージーは80年代にバラードも歌う大人の歌手になってから、やっとアメリカでもヒットチャートに入るようになった。
女優の道へ!
そいで70年代後半に、スージーがテレビドラマに出ていた時期があり、それが「ハッピーデイズ」なんですが、ぼくは中学生の頃よく見ていたので、すごく懐かしい〜。ロックファンはあんま知らないかもしれないなあ。
映画「アメリカン・グラフィティ」をそのまま連続ホームドラマにしたような1950年代舞台の青春もので、主演はいま映画監督で巨匠になったロン・ハワードが真面目な高校生役だった。
その敵役で出てくる不良少年役のヘンリー・ウインクラーが大人気だったけど「スージーQ」にも、今や白髪のおじいさんになって出てきてくれてスージーについて語ってる。当時のスージーは本人のままのイメージのロックンロール姉ちゃん、て感じの役だった。
このあと80年代以降のスージーはロックから離れ「アニーよ銃をとれ」などでミュージカル女優として活躍するようになるという、知らない話もいろいろ出てきました。
年取ってからはまた、ロックでライブ活動再開して、ツアーなどをやるようになり、自分の息子とコラボしたり。2019年の時点で新曲を出している。
もともと60年代、少女時代は、4姉妹で女子バンド活動してたんだけど、スージーひとりで男バンドを従えソロ・デビューして成功したことで妬まれ、長年、姉妹間に確執あったのが、なんとか和解?するみたいな締めでした。
エンドロールでは、やはりライブ活動を再開したシェリー・カリーがスージーを讃える曲を歌って、スージーがベースで共演するという、暖かい終わり方でした。
いちばん印象的だったのは、ミュージシャン伝記ものにしては、ドラッグは一切やらない、で通してたこと。男関係も最初のギタリストの旦那だけ、という超真面目な感じ。これは再現ドラマでなく、ドキュメントでよかった〜、という、そういう感じでした。
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