アリゲーターありがーとー
シネマート新宿で「アリゲーター」4Kレストア版を見てきました。
1980年の作品。30年以上前にテレビで見た印象だけで勝手に、B級動物パニックだったけど、今見るとチャチな特撮で笑えるかな〜と思って、見てみたら大間違い。
立派なサスペンス・アクション映画でした。すいませんでした。
なんかワニが出てくる以前の人間ドラマがしっかりしてるんだよな。
役者の芝居もいいし。それぞれキャラが立つような作り込み、過不足ない上手な演出をされている。テンポもいいし、90分なのに内容が濃くて短く感じない。たっぷり見た気がする。
登場人物が次々と、見てる側が「ああ、この人がワニにやられるな」と思ってると、やっぱり食べられる、というカタルシス。
子供も女性も遠慮なく犠牲になるけど、グロじゃない上品な描き方である。
途中から、ワニの恐怖より、むしろワニを応援したくなって「もっとやれ!」という気分になってくる。それに応えるように善悪を超えて、何の罪もない人から、嫌味な悪役、町の黒幕まで期待通りにやられていく。
噛みつくだけでなく、強力な尻尾でバシバシ打ちのめして自動車ごと破壊したりする。特撮もヘタじゃない! 今見てもじゅうぶん、ワニ感が伝わる。
現代の映画が忘れている「ああ、映画って本来、こういう演出をされるべきだよな」というエッセンスが詰まってる感じ。教科書のような映画だったな。
監督はルイス・ティーグ。あの犬が人を襲う「クジョー」の監督。DCの「ジャスティス・リーグ」も撮っている。なるほど、そこそこの職人じゃないか。
脚本のジョン・セイルズは「ピラニア」や「ハウリング」の人だった。
「クジョー」も「ピラニア」もB級とは言えないくらい面白かったよな。
みんな超A級の奇跡映画「ジョーズ」(第1作)と比べてしまうからいけないのであって、動物パニック映画にも優れた作品は多かったな。アリゲーターもそうだったのだ。
主演のマディソン刑事を演じる役者はロバート・フォスター。あんまり他で見た記憶ない。でもイイ演技だし、普通に刑事ものドラマとして見てても面白いし、人物設定が出来上がってる。ワニと関係なく「マディソン刑事シリーズ」としてテレビの連続ドラマになっても見るかも、と思えるほど。
すでに故人だそうですが。
ヒロイン役のロビン・ライカーさんもすごい美しくて魅力的だと思う。あの爬虫類博士役だけでもスピンアウト作品もできそうだ。
しかし他の作品の印象はない。2023年、現在70歳だそうですが個人のオフィシャルサイトがあったので見てみた。
なんとトップページに「アリゲーター」の写真が貼ってあった。
やっぱりアリゲーターを見て初めてアクセスする人が多いんだろうな。
長い人生のアレがやっぱキャリアハイなのか・・。
途中から、大佐として登場して、マディソンに「お前は引っ込んでろ。おれがワニを倒す」と偉そうに言う強面のヘンリー・シルヴァ。
この映画で唯一の有名俳優と言うべき、昔っから、あらゆるB級アクション映画の悪役で見てきた顔で、特別ゲストきたー! という高揚感ある。
で、期待通りアッサリ、ワニに食われるのも名場面だよ。
しかしアリゲーター、やっぱ音楽が地味だから、映画も地味な印象になってしまったのかな? とも思った。
ぼくの脳内では映画を見てる間、エアロスミス「Love In An Elevator」のサビの「エレベーター」の部分を「アリゲーター」に変換して歌ってました。
テレビ放映のときだけテーマ曲につけてみるとか! どうかな?(無茶ぶり
さて「アリゲーター」と同時に「アリゲーター2」もリバイバルしてますが!
「アリゲーター」のラストは、いかにも2ができそうなシーンなので、当然2も制作されたんだけど、同じキャスト、監督でやればいいのに、10年経って、全然違うスタッフと役者らしいのだ。お話もつながってないっぽい。
う〜ん、これは見るか迷うの〜。
結局、見てしまうかもしれないが、感想書くかはわからん!
まあワニ映画もいろいろあるし「新アリゲーター」とかもあるらしいから奥が深いよね。ゆるゆると勉強したいと思います
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