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昭和世代の洋楽カラオケ講座! 第2回 ザ・ジャム「悪意という名の街」

早くも大反響を巻き起こしております(棒)カラオケ講座の第2回です!
今回はザ・ジャム「悪意という名の街」を分析します。

これも有名な曲だし、軽快なテンポで歌いやすそう〜と思って、カラオケで入れてみたら、なんか歌詞がどこを歌ってるか、ついていけない! て感じで痛い目に合う経験をした方がおられるんじゃないかと思います!

今はソロで活動するポール・ウェラーが1977年、初めて世に出たのが3人組のシンプルでソリッドなパンクバンド、ザ・ジャムでした。

しかしウェラーさんの指向は徐々にポップでソウルっぽい方向に変わっていき、デビュー6年目のこの曲あたりでは、ライブではコーラスやキーボード、ブラスなど多くのバックメンバーを入れるようになり、翌年ジャムは解散して、新たにスタイル・カウンシルを結成します。

おしゃれでムーディなスタイル・カウンシルのほうがおなじみのヒット曲も多く、カラオケで歌う方も多いのではないかと思いますが、ここでは、この過渡期にあった名曲をがんばって歌いこなしてみましょう。

まずは公式のPVを貼っておきます。

これだけを見て、カラオケ屋に行くと必ずしくじる。なぜだろう?

これは洋楽カラオケだけでなく、バンドで洋楽ロックのカバーなどをやられた経験のある方は必ず、ぶちあたる問題だと思うんですが、

「歌ってる本人が、正規の歌詞カードどおりに歌ってない?」

日本語の歌手には、ほとんどないことですが、欧米のロック歌手は自分で書いた歌詞のくせに平気で、はしょって歌うんですよね。そういう人、いるんですよ。まあ本人だから、いいのかもしれないけど。

歌詞に書いてあるアタマの It's とか this とか the とか発音してないんじゃ? てことが多いんですよね。
間の and とか on とか。

このへん英語に詳しい人が、なんでそうなるのか、について分析したブログとかいろいろあると思うんですけど、まあググってください。

とりあえず、この曲ではウェラーさんはどういうはしょりかたをしているのか? を下に示してみました。「ここ、聞こえない気がするけど、歌ってねえんじゃ?」と思える部分を太字にしました。

あと、言葉ではないかけ声部分ひらがなにして、できるだけ発音に忠実に太字にしていますよ。こういう意味のないシャウトやスキャットを自然に挿入できるのも洋楽の特徴ですね。生真面目な日本人だと、なんで意味のある歌詞を入れないのかな? て思いがちだしな。

では、また曲を聴きながら、できればイヤフォンで耳をすませながら、歌詞を追ってみてください。

The Jam - Town Called Malice

Better stop dreaming of the quiet life'
Cos it's the one we'll never know
And quit running for that runaway bus
'Cos those rosey days are few いぇー
And...stop apologising
for the things you've never done
'Cos time is short and life is cruel
But it's up to us to change
This town called Malice

Rows and rows of disused milk floats
Stand dying in the dairy yard
And a hundred lonely housewives
Clutch empty milk bottles to their hearts
Hanging out their old love letters on the line to dry
It's enough to make you stop believing
When tears come fast and furious
In a town called Malice
ぃえーえーえーやぁ

ぱっぱっぱっぱ ぱらっぱー
ぱっぱ ぱらっぱー おーぅ
ぱっぱっぱっぱ ぱらっぱー
ぱっぱ ぱらっぱー

Struggle after struggle, year after year
The atmosphere's a fine blend of ice
I'm almost stone cold dead
In a town called Malice
うーぅ いぇやぁー

A whole street's belief in Sunday's roast beef
Gets dashed against the Co-op
To either cut down on beer or the kids' new gear
It's a big decision in a town called Malice
うーぅ いぇやぁー

The ghost of a steam train echoes down my track
It's at the moment bound for nowhere
Just going 'round and 'round, おー
Playground kids and creaking swings
Lost laughter in the breeze
I could go on for hours and I probably will
But I'd sooner put some joy back
In this town called Malice ぃえーえーえーや (うーぅーううー)
In this town called Malice いえーえーえーや

いかがでしたでしょうか?

太字の部分聞こえてた? ぼくの耳、合ってる?

そいで、この英字の太字だった部分を最初から「言わなくていいとこ」と認識して、はしょって歌うと「すごい歌いやすかった! これでよかったのか」とお気づきになるんじゃないでしょうか? それでも早口になって、むつかしい部分もあるとは思いますが、そこは慣れだけで、大丈夫です。

はしょる部分は理屈で解決しないと。カラオケ屋に行くと、ちゃんと全部テロップ歌詞が出て、インディスとか、歌わないとこまでルビまで振られてるから、つい読もうとしてしまって、オケに合わなくて字余りになったりするからね。

まあ〜洋楽カラオケや洋楽カバーソングを、ずっと歌い続けてる方からすると、はしょって歌うのは基礎の基礎、イロハのイ、といったところなのかもしれませんが。この連載を通じて、ひとつずつ研究していきましょう〜。

それを踏まえて、カラオケ屋に行く前の練習もしておこう!
あと old love letters〜 on the line to dry のとこなどは、前半の泣かせどころなので、じっくりタメるのも忘れないように。

そしてお店にいって、今回はDAM、JOYSOUNDともに、そんなに歌詞テロップの改行や間の悪い部分はなかったと思う。

ただ、みなさんはDAMのほうにニッポングリッシュというバージョンがあるのをご存知ですよね?

もともと洋楽カラオケは英語にカタカナのルビが振ってるのが多いですが、これはさらに、たとえば、Party People を今までパーティ・ピープルとルビを振ってあったのをパリーピーポーに直す、みたいな感じで、日本人に言いやすいよう、発音に忠実なルビをつけてるもので、有名アーティストの代表曲はかなり、このバージョンになってます。(従来バージョンのルビも残ってはいる)

曲によっては、かえって歌いにくい、憶えてる感じと違う、自分流に発音させてほしい、と思うことはあるんですが、役立つときもあります。ただ、このジャムの曲はまだニッポングリッシュ化されてない! こういう意外と難しい曲こそ、ニッポングリッシュにしてほしいんじゃよ! お願いします! ビリー・ジョエルやカーペンターズみたいな、わかりやすい人の曲はどうにでもなるので、いらないんです! 

■ では、次回は、映画「トップガン」のリバイバルで盛り上がる、ケニー・ロギンス「デンジャーゾーン」を取り上げようと思います!

■ ついでに、カラオケに行く前に、最初に読んでほしい基礎編として、第ゼロ回がありますので貼っておきます! 未読の方は必修

■ ついでに、洋楽カラオケに関しては、ぼくのTwitterサブアカウント「懐かし洋楽カラオケ情報」でも情報発信していますので、こちらもご参照ください。


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