QUEEN + ADAM LAMBERT 感想

2020年1月25日（土）東京　さいたまスーパーアリーナ
QUEEN + ADAM LAMBERT THE RHAPSODY TOUR

映画「ボヘミアンラプソディ」の大ヒットを経てのクイーンの再上陸ツアーの初日を観てきた。
スタジアムバージョンのさいたまスーパーアリーナは超満員。古くからのファンから映画でファンになった俄かファンまで老若男女、幅広い客層が詰め掛けた。

「Now I'm Here」で幕を開け、初期ハードロックが続き、映画のLive Aidシーンでも演奏された「Hammer To Fall」を挟み、「Killer Queen」、「Don't Stop Me Now」、「Somebody To Love」と鉄板のヒット曲が続く。
息もつかせぬここまでの展開で妙な違和感が。全くフレディの影を感じないのだ。
つまりそれ程、アダム・ランバートのクイーンの楽曲へのハマり具合が凄かった。特に「Killer Queen」でのハマりっ振りには驚いた。そして自分の最も好きな「Somebody To Love」はフレディを超える声域でレコードを再現。髭もじゃで美男子からイケ親父に変身したロジャーも昔と変わらないバチさばきと山猫と呼ばれた高音域のコーラスで存在感を見せつける。
隠れた名曲「In The Lap Of The Gods...revisited」を挟み、ロジャーのリードボーカル「I'm In Love With My Car」。ドラマーとしてそして高音域のハーモニーで独特のコーラスワークを支えてきた貢献度を再認識した。
「Bicycle Race」、「Another One Bites The Dust」、「I Want It All」と畳み掛け、前半が終わりブライアンタイムが始まる。

生ギターを抱えたブライアンが前方の特別ステージで一人で座る。まずは これぞフレディと言える名曲「Love of my life」を歌い始める。それだけでも感動ものだが突然スクリーンに現れたフレディの映像と共演するという仕掛けに思わず涙がこみ上げる。アダムの熱演にすっかりフレディの存在を忘れかけていただけにこの仕掛けは効果的だった。さらに日本公演のみで公開された「手をとりあって(Teo Torriatte)」。英語では小さめだった観客の歌も日本語部分では一際大きくなった。若い頃はこの日本語が気持ち悪く感じたが、彼らの日本を思う気持ちを知った今は一緒に歌えることが嬉しい。そしてレコードでもブライアンがボーカルを担当した「'39」。天文学者のブライアンらしい宇宙について書かれた曲。韓国では大合唱だったが、日本の観客の歌いっぷりは今ひとつだったのが残念。

ブライアンのコーナーが終わると隣にロジャーが登場すると「Doing All Right」が始まる。ロジャーのリードに続いてアダムがリードをとり、3人のコーラスワークが冴え渡る。これぞラプソディツアーに相応しい、映画で知られるようになったクイーンの前身「スマイル」の曲だ。

「Crazy Little Thing Called Love」を挟んで「Under Pressure」。David Bowieのパートをロジャーが歌うが、その旨さに感激する。「Dragon Attack」を挟んでこの日2曲目のジョン・ディーコンの作品「I Want To Break Free」。前半に演奏たれチャート１位になった「Another One Bites The Dust」や「You're My Best Friend」等、意外だがディーコンはヒットメーカーである。彼のことは当日語られることはなかったが、この選曲で彼もまだしっかりとメンバーの中では忘れられていないことがわかる。
「Who Wants To Live Forever」ではアダムがこの曲を自分のものにした熱唱が聴けた。最新映像技術を駆使したブライアンギターソロ、「Tie Your Mother Down」を挟んでの「The Show Must Go On」。この曲はフレディ晩年の作品なのでステージで披露されることはなく、これもアダムが歌うことで明るい未来への賛歌に聴こえた。そして日本のファンへのサービスとして「I Was Born To Love You」が。この曲はドラマのイメージが強く好きにはなれなかったが、ステージで聴くと意外にも新鮮で刺激的。特にハイハットを半開きでグルーブするロジャーのドラミングのノリが最高。

最後は「Radio Ga Ga」での大合唱、「Bohemian Rhapsody」そしてアンコールがFreddie Ay-Ohを挟み、「We Will Rock You」「We Are The Champions」とライブエイドが追想できるまさに「ラプソディーツアー」と言える大団円だった。

セットリスト
Now I'm Here
Seven Seas Of Rhye
Keep Yourself Alive
Hammer To Fall
Killer Queen
Don't Stop Me Now
Somebody To Love
In The Lap Of The Gods...revisited
I'm In Love With My Car (Vo:Roger)
Bicycle Race
Another One Bites The Dust (Vo:Brian)
I Want It All (Vo:Brian/Freddie)
Love Of My Life
Teo Torriatte
'39 (Vo:Brian)
Doing All Right
Crazy Little Thing Called Love
Under Pressure
Dragon Attack
I Want To Break Free
You Take My Breath Away (intro)
Who Wants To Live Forever
Guitar Solo:Brian
Tie Your Mother Down
The Show Must Go On
I Was Born To Love You
Radio Ga Ga
Bohemian Rhapsody
アンコール
Freddie Ay-Oh
We Will Rock You
We Are The Champions