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抗体エンジニアリング:細胞外マトリックスを身をよせる抗体

腫瘍組織内に直接薬物を投与しても、それは血中へと漏出してしまう。リコンビナントサイトカインの局所投与では、驚くことに30分以内に全身循環しており、これは全身投与と比較しても同程度の毒性を引き起こしてしまうという。

投与方法ではどうにもならない局所局在化を改善する方法として、細胞外マトリックスを利用した研究がある

https://twitter.com/kensho_2021pham/status/1326872375284043776?s=20

この方法では、細胞外マトリックスと親和性の高いペプチドキャリアを免疫チェックポイント阻害薬抗体に結合させた。このキャリア結合抗体は腫瘍局所にとどめた場合、通常の免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1や抗CTLA4)では改善が認められないメラノーマ(B16F10)で、抗腫瘍効果を発揮するようになる。

また、このエンジニアリング抗体では全身的に抗腫瘍免疫力が高まるという。この詳細なメカニズムについてはあまり理解はされていないが、このことから言えることは、薬物を局所にとどめるエンジニアリングは抗腫瘍効果を高める戦略の一つとして有用な方法であるということである。

引用文献情報

https://stm.sciencemag.org/content/9/415/eaan0401/tab-pdf

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