The Satoshi Trial 最終弁論書提出
2024年3月10日 宍戸健
「クレイグ博士はサトシじゃない裁判 by COPA」(通称:COPA裁判、サトシトライアル)まだ続いてます。証人尋問は終わり、2024年3月8日(金)に最終弁論書がそれぞれ提出されました。(非公開)これに基づき、3月12日(火)から最終口頭弁論が行われます。
本日は、KurtとGavinのYouTube対談クリップ(3月8日)を参考にその内容をまとめます。私の見方と少し異なること、私が見落としていた視点などありました。尚、英国の裁判は米国と少し異なり、双方の主張ですでに合意していることは公開されておらず、主張が異なる点についてのみ口頭弁論されるようです。双方がすでに合意している証拠、事実などは26点についてあるようです。(現在それらはなんであるか公開されていない。)
1.マデン(デジタル鑑識専門家、COPA側証人)
マデンの資格、経歴は専門家としてあまりにも不適格である。
マデンはCOPAの弁護士Bird&Birdの事務所でセバスチャン弁護士と報告書を作成したことを証言、このため専門家の報告書としては中立性を著しく欠く。裁判長に採用されないのではないか。
2.ローゼンタル(LaTex専門家、COPA側証人)
ローゼンタルはLaTexを使った場合にどのようなフォーマットで出力されるかについて妥当な専門家であった。
しかし、ローゼンタルはクレイグ博士が証言したとおりの環境で再現していなかったことが証言でわかった。
クレイグ博士はWindowsとLinuxの両方でLaTexを使っており、WindowsのときはMikTex(LaTexのバージョン)、LinuxのときはTexLive(LaTexのバージョン)を使っていた。
ローゼンタルはLinux環境でTeXLiveのLaTexを使用しただけてあり、WIndowsの環境ではテストしていなかった。
この場合、彼の出した「WPはLaTexで書かれていない(再現できない)」という結論に疑念が残る。
3.ミケルジョン(ロンドン大学暗号技術教授、COPA側証人)
ミケルジョン教授は、クレイグ博士がGavinに対して行った、プライベート署名実演ではパソコン、Wi-Fiがハックされていた可能性があるなどと60ページに及ぶ報告書をCOPAに依頼されて提出していた。
尋問では「可能性がある。」と回答した。「可能性がある」とだけならなんとでも言える。これが裁判長にどのように採用されるのか。
4.シュースミス弁護士(クレイグ博士側)事務所の戦術:
シュースミスは何人かのクレイグ博士側の証人尋問を直前にキャンセルした。
これによりCOPA側弁護士は彼らを尋問する機会を失った。これにより、シュースミス弁護士の戦術だと思われる。
5.ゼム・ガオ(ビットコイン専門家、クレイグ博士側証人)
COPA側弁護士によって、クレイグ博士がGavinに対して行ったプライベート鍵署名実演について、パソコン、Wi-Fi、ウォレットアプリがハックされていた可能性があるかについて尋問を受けた。
それ以外の尋問はなかったため彼が出廷する意味は無かった。
また、クレイグ博士側が反対尋問することもなかったため折角米国から出張してきたのに気の毒だった。(笑
6.マイク・ハーン、ステファン・マシュー、ジョン・マトニス:
マイク、ステファン、ジョンとクレイグ博士の4人はスイスで夕食をとったことについて、マイクの証言内容とステファン証言内容が異なることが双方の証言で明らかになった。
ステファンはマイクがクレイグ博士のnChainの特許について詮索していると証言した。
マイクはビットコインについての質問をしただけだったと証言した。(The Satoshi Trial 14日目)
7.ジェンキンス(IT専門家。クレイグ博士の長年の友人。)
ジェンキンスはクレイグ博士と2008年以前から友人として交友があり、ランチ等をしていろいろな議論をしていた。
その話題の中で今回初めて、論文のタイトル「TimeCoin」であったと証言した。この「TimeCoin」発言でCOPA側弁護士は非常に動揺した。
この点について、COPA側はジェンキンス氏の証言ビデオを分析し、最終弁論で集中して攻撃してくるだろう。
8.イグナシアス、クレイグ博士の妹:
イグナシアス氏は、バイオインフォマティクス(生物情報科学)博士。2007年にクレイグ博士と勤務先BDO(会計事務所)で同僚だった。
9.マックス・ライナム(クレイグ博士のいとこ。ソフトウェア技術者)
マックスはクレイグ博士にビットコインのソフトウェアをテストしてくれと頼まれており、リリース直後からマイニングをしていた。
参考情報:マックスさんの家庭では2008年までチューリップの栽培をしていた。その時にクレイグ博士も手伝い水やりのシステム等開発をした。尚、このチューリップ栽培ビジネスは当時オーストラリア国内だけでなく、海外にも輸出しているほど業務は拡大だったが、リーマンショックの余波で2008年年末までに事業閉鎖した。
マックスはクレイグ博士のいとこであるため、クレイグ博士とビットコインに関係する情報は詳しいが、裁判長にどう判断されるかはわからない。
10.サトシコインが動く(3月8日)
証人尋問が全て終わった後、3月8日に2010年にマイニングされた(通称:サトシ(時代)コイン/Satoshi Era Coin)約2,000Coin(BTC)が動いた。これは約$120M(2,000BTC x $60,000)に相当する。
これはKleiman裁判に関し、裁判所の判決でクレイグ博士からW&K社に$100M分の支払い命令が出ているが、このために動かされたとも考えられる。
11.アゲ-ハンセン:
アゲ-ハンセンnChain元CEOは誰がどういうきっかけで採用したのかは不明。(by Kurt)
ステファン・マシューズ氏の証言では驚くべきアゲ-ハンセンの悪行が明らかになった。
アゲ-ハンセンはnChainの8人のeMailアカウントにアクセスできるように業務指示をしたが、マシューズさんに反対したため、社内の監視カメラにテープを貼り、スタッフを社外に追い出した後、サーバールームにドアを壊して侵入し荒らし、また書類をシュレッダーにかけた。
本日は以上です。
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