#16 人生を変えた作品①
僕は大学時代に友達がそんなにいないので、自分ひとりの時間を過ごすことが多い。そのため年間でも40冊くらいは本を読んでいる。このエッセイでは、これまで読んできた本の中で僕の人生に影響をもたらした本の紹介と、どのように活かしたかをこれからちょくちょくやっていきたいと思う。
「何者」 著:朝井リョウ
主人公は大学5年生で就職浪人をしている拓人。ルームメイトの光太郎と二人で一緒に就職活動をしていく中で、二人の共通のクラスメイトの女性みずき。そして、みずきの友達の理香。この4人で理香の家に定期的に集まり、就活対策本部と称して就活をするようになった。
その関係の中で、みずきや光太郎に内定が出始めて、4人の関係性が変わっていく。
就活というダウトのようなゲームを舞台に、人間の嫉妬や本音にある、闇の部分が描写されていく作品です。
この作品を読んで、僕の就活に対する考え方は参考になりました。嘘をついて自分を作ることは結局、自分に見合わなくて、苦しい就活が続いてしまう。
作中に出てくる、
就活がつらいものだと言われる理由は、ふたつあるように思える。ひとつはもちろん、試験に落ち続けること。単純に、誰かから拒絶される体験を何度も繰り返すというのは、辛い。そしてもうひとつは、そんなにたいしたものではない自分を、たいしたもののように話し続けなければならないことだ。
という一文が、就活をしながらなるほどなと思った。それはインターンをしていく中で周りの就活生が頑張ってひねり出した自己PRを聞きまくっていると、「何もない自分の価値をひねり出す」という努力が垣間見えるたからだ。
僕は就活で面倒くさいことをするのをやめてしまった
本音で話そう。
何もない自分を笑ってもらおう。
そう心に決めた。
もちろん自己分析や企業研究を怠ったりはしていないので、適当にやって内定出したみたいな天才エピソードは全くするつもりがない。みんなと同じように頑張った。
結果、自分の軸がぶれず、いい会社に巡り合えたと思う。この本のおかげです。