THE LAST OF US PartⅡ 感想
ラスアス2、やっと終わったのでつらつらとストーリーの感想を。
ずっとしんどいしんどいって言いながらプレイしてたんやけど、主にしんどかった点は2つ。
1つはエリーの動機が復讐しかないこと。もう1つはエリーが若さ故に自分を御しきれてないこと。
1つ目は言わずもがなしんどい。復讐心の収め方みたいなんは色んな作品でテーマになってきたと思うんやけども今作のそれはなんか違う。ストーリー的にはよくある話なのかも知らんが、今作は映画じゃなくてゲームやから主人公を動かしてるのが自分。命乞いするノラに斧を振りかざすも自分。撃ち殺した人間が妊婦で後悔するのも自分。拷問、磔にされててフラフラのアビー、レヴも守るためにもうアンタには手を出さないと言っているアビーをナイフで刺すのもぶん殴るのも自分。殴ってる中で浮かび上がるのはもう何をしても帰ってこないジョエル。
復讐は虚しいだけってよく言うけど、みんな実生活で本気で殺そうと復讐した事なんてないんやから理解出来るはずもない。でも、本当に復讐ってやってて虚しいんだよ。そう思う。
2つ目はエリーの未熟さ。エリー、結局最後まで自分がどうしたいのか分かってないと思うんよ。特にシアトルが終わってから。ディーナと生きていくのがいい。エリーの本心もそうに決まってる。でも、ジョエルが殺されてからエリーには復讐するしか道が無くなってる。本心と行動がバラバラで、一貫性が無くて、これが本当にやってて辛かった。
シアトル編でも本心と行動のひずみはちょこちょこあって、トミーを無視してアビーを追う所とか、殺したメルが妊婦やって動揺する所とか。このひずみをプレイヤーであるおれは客観的に見れてるからこそ、エリーに同調した時に辛くなるっていう、、、
『復讐』をテーマにしつつ、実際のテーマは『許し』であるストーリーってよくあると思うんやけども、今作もその一つ。アビーからエリーへの『許し』、エリーからアビーへの『許し』、そして、前作の行動におけるジョエルへの『許し』。「一生許さない。でも許したいと思う。」このゲームの真理をエリーは出発前の夜にジョエルに話してるんよ。前作をプレイ(DLCを含む)してストーリーを深掘りしてるかしてないかで、この言葉の重みは変わってくるなと思う。
少し話は変わるけど、このゲームは人の感情をコントロールするのがとても上手い。エリーの復讐心にプレイヤーを同調させるのはもちろんのこと、アビー編の扱いがとても良かった。
アビー編を始めた時はきっと誰もが早くエリーに戻りたいと思ったはず。だってエリー目線ではアビーなんてマジでただのイカれたクソ野郎やったから。でも、アビーでプレイしていくうちにアビーに同調していって、いつの間にかエリーの理不尽な殺しに怒りを覚えることもしばしば。
人間の感情をあっちこっちに揺さぶるのが上手なんだよNaughtydog。
ゲームシステムは前作に引き続きめちゃくちゃ面白かった。スニークキルの快感、多彩な武器、頭フル回転して誰にもバレずに殺していく楽しさ、もうめちゃくちゃ面白い。
ただ、今回しんどかったんはNPCひとりひとりに名前がついてて、死んでるのが分かると他のNPCが「ニック!!」みたいに叫んだりする。いくらストーリーに関係ないNPCとはいえ、ゲーム内では人が死んでいる。それを嫌でも実感させられる。これがキツかった、、
自分自身が辛い思いして、ここまで顔面ぐしゃぐしゃにしてやったゲームは初めてやし、きっとこれからもう出てこやんと思う。だからこそ、この読後感。万人受けするゲームでないことは重々分かってるけども、刺さる人にはめちゃくちゃ刺さる。だからこそ色んな人にプレイして欲しいなと思います。