
卒業を目前に、僕のかなえたい夢は
僕は今年、大学を卒業します。去年一年間休学したので、23歳での卒業です。人生の半分以上を共にした「学生」という最強の肩書きは、今後使えなくなります。これまでは、その肩書きがあったからこそ乗り切れた場面が非常に多かったです。マジックショーをした時も、20歳で絵本を全国出版した時も、「若いのにすごいね」と褒めてもらえることが多かったです。「まだ学生なんだ、いろいろやってて偉いね」と。逆に、何かを失敗した時も「まだ若いから」と「しょうがないよ」と慰められたこともありました。小さい頃の僕は、これが嫌いでした。自分はもう十分大人なんだと、自分を子ども扱いする大人たちが大嫌いでした。
でも、その肩書きがとうとう使えなくなる年になりました。これからは何をするにも僕は「大人」です。失敗しても「社会人」です。大人になることで生まれる様々な責任に、僕はまだ準備ができていない気がします。
それでも、大人になる一歩手前で、僕には叶えたい夢があります。それは人生において、忘れたくないモットーでもあります。
僕は、自分が自分自身に飽きられない大人になりたいです。
趣味や特技が比較的多いと自負している僕ですが、その根底には飽き性というものがあります。何をするにも、一度やってしまったり、ある程度上手になったらすぐに次のことに興味が湧いてしまいます。「もういいかな」「飽きたな」と感じることがよくあります。そんな僕は、僕自身に飽きが来ないかどうか心配です。僕が僕をつまらないと思ってしまわないか心配です。
自分に飽きそうになる瞬間は、これまで何度もありました。友達と一緒にいても、家族と一緒にいても、一人でいる時も、「今のままじゃつまらないな」と感じることが多くあります。一つのことに集中できない。良くも悪くも、いろいろなことを考えてしまう性分だからです。
でも、それが23年間生きてきて変わらない自分です。だからこそ、これからも常に新しいことに挑戦して、自分を楽しませ続けたいと思っています。親が赤ちゃんをあやすように。自分自身に一芸オーディションを行うように。たくさん旅行して感動したり、好きなお笑いを見て笑ったり、好きなバンドを聴いてしんみり泣いたり。大人になっても僕は僕を楽しませ続ける。そんな自分の飽き性を愛し、終わった時に「楽しかったね」と笑える大人になりたい。
これが僕の夢です。僕はこれからも、自分という一番の観客を笑わせ、驚かせ、感動させ続ける人生を歩んでいきたいと思います。