何故15歳で家を出たのか
生まれ育った街を出る。遥か遠い関東へ行く。
自分にとってはそれほど難しい決断ではなかった。
理由は以下の通り。
①野球を真剣にやるのであれば当然「入寮」することになる。
実家を出るのであれば、距離は関係ないと思っていた。
②親との会話がなくなっていた
③日本で最激戦区と言われるところで「高校野球の最高峰」を
経験したかった
④自主性を重んじる風土があった。
②の猛烈な反抗期が後押ししたのは間違いない。
はやく自由になりたかった。
その高校は、いまでこそ全国的な強豪となったが
僕が中学3年当時は半世紀近く甲子園から遠ざかっていた。
予選を勝ち抜くのが難しい県だった。
特待生制度はない。
倍率はかなり高いし「滑り止めを検討ください」と言われていたので、
受かる保証なども全くなかった。
それでも、自分には根拠のない自信があった。
その高校でプレーしている自分をイメージできた。
なぜか?
その答えは小学校時代の卒業文集にある。
そこには10年後~50年後くらいまでの自分の姿や夢を
書く欄があった。
当時12歳の僕は10年後の22歳、
〇〇大学を卒業していると書いていた。
なによりもプロ野球選手になりたかったから、高卒でいけばいいのに
なぜか大学名を書いていた。
なによりもプロ野球選手になりたかったから、
おそらく本気で書いたのではないだろう。
それでも一度書いたことで、僕の脳のどこかにインプットされていた。
そしてわずか3年後、高校入学を前にその夢は叶うのである。
僕が目指した高校は、卒業文集で書いた大学の付属高だったのだ。