まぁ、要するにさ...俺はこの世に”病気”って言葉自体いらないと思うんだよ?
まぁ、要するにさ...俺はこの世に”病気”って言葉自体いらないと思うんだよ?
この言葉は、僕が大学生の時に読んだマンガの中でもっとも衝撃的だった「ヒメアノール」の6巻の中に出てくるセリフです。
その前にヒメアノールっていうマンガはちょっと特殊です。簡単に説明してみますね。
人の首を絞めることでしか性的快楽を得ることができない森田がカフェ店員のゆかちゃんに狙いを定めます。そのゆかちゃんをなんとか守ろうと岡田君や安藤さんという清掃業をしている人たちがなんやかんやします。
また、安藤さんはゆかちゃんに恋をしたり、それが叶わなかったり。その隙に岡田君がゆかちゃんとイチャイチャしたりする物語です。(笑)
どんな話か全然分からなかったと思いますが、一言でいうと連続殺人犯の森田が次々と人を殺していく物語です。結構グロい描写が多いので、そういうのが苦手な人は読まないことをお勧めします。
僕はこのヒメアノールを大学生のときに読んで本当に衝撃を受けました。そして考えさせられました。特に普通ってなんなんだろう?っていうのを考えました。
連続殺人犯の森田はこう言います。
まぁ、要するにさ...俺はこの世に”病気”って言葉自体いらないと思うんだよ?だって意味ないだろ?何か歩いている人に「歩いていますね」って言ってるみたいだ....。運悪く普通じゃなくなった人もいっぱいいるのにそんな人に病気って言ったら可哀そうだろ?オレそのはバカみたいな簡単さとクソどもの残酷さに...超ムカついてんだな。病気になる原因も何もわかっていない連中に....それっぽい病名付けられて....「じゃーしょうがない」「あいつはダメだ」って....強引に安心させれちゃうんだぜ?
どう思う?なんかずるくねえか?
これを言われた富田は、
お前何言ってんだ?お前は病気だよ....誰がどうみたって...
と言いますが、このあとすぐに銃で撃たれて死んでしまいます。なぜ森田が日本で銃を持っているのか?という疑問に関しては、ぜひマンガを読んでみてください。
僕はヒメアノールを読んで、人間が生きているこの地球では、圧倒的多数派の人たちのために作られたルールがたくさんあるということ。そして少数派が簡単に除外されるということ。普通という言葉は多数派のために用意されたもので、少数派の人たちはそれに該当していないということ。を改めて実感しました。
当然、この世の中において殺人というのは絶対悪です。僕もこの考えについては揺るぎません。やってはいけないことだと思います。
しかし、少数派の中には僕たちはマンガを読んだり、アニメを見たり、遊園地に行ったり、セックスするのと同じ感覚で殺人や犯罪を行う人もいるんだ。ということを学びました。
僕自身ずっと多数派の中で生きてきたので、こういった感覚を大学生のときに触れられたことは幸運だったと思います。
大切なことなので最後のもう一度言いますが、殺人や犯罪は絶対悪だと思います。しかし、世の中には自分たちが想像もしていないような少数派の人たちがいるということです。
興味がある人はぜひ、ヒメアノール読んでみてください。ちなみに作者は稲中卓球部を書いている古谷実さんです。