日記2023.5.7 映画を早送りで観させる異常な社会、映画『OLD』
・連休最終日。
朝から(というか昨日から)気分が重くひどい一日だったが、最後に頑張って湯船にお湯を貼って子供と入ったら多少元気が出てきた。良かった。
・『邦キチ! 映子さん』の『映画を早送りで観る人たち』の回が面白かった。
映画好きの僕から言わせると、『映画を早送りで見る人(若者)』というのは、そもそも倍速機能が無かったら映画を観ない人たち(=昔で言えばTSUTAYA会員ですらない人たち)なのだと思う。映画が好きではないのだ。
だから彼らに対して「間違っている!」と諭すのナンセンスだ。別に間違ってはいない。彼らはただ、話題づくりのために嫌々映画を観ているのだ。嫌なことをしているのだから時間は短い方が良い。
もう一つ、あえて彼らを擁護すると、「映画早送り」の根本にあるのは、若者の「焦り」だと思う。つまり「教養を身に付けないと、みじめな生活に堕ちてしまう」という恐怖心だ。
これは不安定な日本経済と密接に関係がある。今の若者は、終身雇用なんて当然信用していないし、年金受給も信用していない。少子化で日本経済の伸びも信じられない。自分の将来は暗い(と感じている)。
だから焦っているのだ。何か教養を身に付け、社会で上手くやっていかなければならない。
その一環が「映画早送り」なのだと思う。
本来は映画なんてただの娯楽であり、基礎教養でも何でもないはずなのだが、「〇〇くらい観ておこうよ笑」なんて言って若者をいじめてくる輩のせいで、観たくもない映画を観なければならないという強迫観念があるのだ。
だから、僕は映画を早送りで観る人々を嘲笑する気にはなれない。
そりゃもちろん、自分の好きな映画が歪に消費されるのは悲しいが、この悲しさは僕が勝手に抱いているものだ。他者とは関係が無い。
何にせよ、観たくもない映画を早送りで観させる社会のほうが異常なのではないかと思う。
若者が自由に、好きな事をして生きられる社会を望む。
・映画『OLD』を観た。
急激に老化するビーチからの脱出を試みるサスペンス映画。鬼才シャラマン監督。
面白かった! 別に真面目な映画ではない(細かい矛盾とか考え出したら駄目な映画)んだけど、老化に関して考えうるハプニングがこれでもかと起きるのが最高。疑心暗鬼に襲われる要素はかなり薄く、ひたすら超常現象に翻弄される展開も見やすくて良かった。
特筆すべきは、身体の老化だけでなく精神も老化(成熟)する点。このお陰で子供達の自我が成長したり、大人たちの精神が落ち着いてきて自然現象を受け入れ始めたり、面白い展開が産まれる。
見ているうちに「そもそも急激な老化は災いではなく救いなのでは?」「これは人生の縮図なのでは?」などと色々と考えさせられる。
シャラマン監督の映画は、超常現象の原因解明をメインにしないのでミステリーとして観ると肩透かしを喰らうのだけど、超常現象の丹念な描き方はやはり一流だと思った。
あと、オープニングとエンディング、タイトル等の字体が、今時のフォントから古めかしいフォント(Times New Roman?)にゆっくり変化している演出がクールだった。
・あとは雑多な日記。
奥さんがにきびの治療だとかで半日不在。そのため午前は映画を見て過ごす。
・昼は何もなく袋めん。たまになら美味しいんだけど、ちょっとな……。
・何もやる気が起きず、読書しようにもkindleアプリが重く(そんなことある?)、ネットサーフィンをして過ごす。こんなことしたくないのにな。
しかしネットにしても、「いい加減ここを見るのは止めよう」と決めたサイトやSNSが多すぎて、特にやることが無い。何だこの人生は。
森博嗣のエッセイ連載を読んだり。しかし自分を奮い立たせることは出来ず。森博嗣のいう堕落している人間に入っている気はするんだけど、物事を考える気力が起きない。しんどいのだ。
・娘も昨日に引き続きご機嫌ななめ。左目が少し腫れている? それが原因だろうか。夜には治ったようだが。
・夕方はスーパーに行って、おにぎりに使うふりかけを物色。さけのふりかけと肉そぼろのふりかけを買う。これで平日お昼のごはんにしたいが、どうか。
・娘、抱っこ紐の中から、初めてエレベータのボタンを押すことに成功。すごいぞ。
・なぜ会社に行きたくないのか? ちょっと理論立てて考えたい。次の異動願いはどうすればいいのか? 自分なりの答えを出したい。