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校歌は伊良湖のみんなとともに
人もモノも場所も「はじめまして」は一度きり。作った新曲を奏でて、それが初めて「音楽」として目の前に現れる瞬間もそう、一度きり。新曲10曲、リハーサルも練習もせずにいきなり初見でレコーディングしたファーストテイクばかりを収録したCD「TETE-A-TETE Ⅱ / 太田剣&松本圭司」をリリースいたしまして、一昨日からその発売記念ツアーに出ています。そんなわけで演奏しながらも新曲できたてホヤホヤ感(「ホヤホヤ」ってこれ以外の使い方知らない…)いっぱいのこのレコ発ツアー、桜木町「Dolphy」、静岡「Lifetime」にお越しいただいた皆様に感謝感謝、LIVE配信も沢山の方にご視聴いただき、ありがたいかぎりです。12/21(土)神戸「Gallery Zing」12/22(日)名古屋「Mr.Kelly's」への皆様のお越しをお待ちしております。
ツアーの中日に向かった先は我が故郷、愛知県の渥美半島。2013年に「田原市ふるさと大使」を拝命し、その翌年、新設された伊良湖岬小学校の校歌を作詞・作曲させていただいたのですが、今日は校歌制定10年の記念式典に出席という、音楽人生においてもなかなか稀な、貴重な体験の一日でした。
わたしが生まれて初めて聴いたJAZZは、父の勤めていた伊良湖ビューホテルでのクラリネット奏者の藤家虹二さんのディナーショーLIVEで、客席で観ていた小学6年生の子供が、大人になってその同じ場所にサックス持って立つことになるとは夢にも思っていなかったわけですが、藤家さんの後を継いだカタチになったのはディナーショーだけではなくて、新設校の伊良湖岬小学校の前身の一つ、伊良湖小学校の校歌を作曲していたのも藤家さんだったという、結果、二つのバトンを受け継いでいたような、そんな奇縁でもありました。
伊良湖岬小学校、四代目校長の鈴木先生にお声がけいただいて出席した今日の式典ではTETE-A-TETEの相方、松本圭司さんと二人でまず演奏を披露。
❶CD“TETE-A-TETE”より、
母に捧げた“Earpick&Diary”
❷“TETE-A-TETE Ⅱ”より、
迷子になった気持ちを表現した“We Got Lost”、
❸季節もの“Winter Wonderland”
そして、最後はその校歌を全校生徒さんたちの歌とともに。
自分でこの曲を奏でるのは、お披露目のとき以来2回目で、ほぼ初見みたいなものなんですが、いつも歌ってくれている伊良湖岬小学校の生徒さんたちは歌い慣れてて上手。「最初に歌ってくれてたお子さんたちはもう成人していたりもするんだよな… ああそうか、この曲はもう自分の曲ではなくて、故郷の沢山の後輩さんたちの歌なんだな。」その事実を理解するには充分過ぎるくらいの、澄んだ綺麗な歌声でした。大人になっても、彼ら彼女らの心の片隅にこのメロディが残っていたなら嬉しいです。
式典に《質問タイム》がありました。
生徒さん:この校歌の自慢できるところはどこですか?
太田:卒業製作でみんなの先輩たちが作ってくれたあの歌詞の木彫りも自慢したいんですけれど、あ、そうそう、皆さん、この校歌は好きですか?
生徒さんたち:(手を挙げながら)「はーい」
太田:それがわたしの一番の自慢です
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