【エッセイ】さくっと土手吟行など 塩谷人秀
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。<(_ _)>
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昨年12月30日、六郷土手駅前にKENOBIメンバー四人が集まった。目的は様々だがその一つが吟行だ。
百合鴎がいた。それも三十羽ほど。土手の斜面に背を預け座っていた若い男が頻りに何かを投げていたがその周囲に群れていた。よく見ると鳩が二、三羽交ざっていたがこいつはかなり男と接近していた。やはり鳩は人馴れしている。一方、百合鴎は落ち着かない様子で男とは付かず離れずの距離を常にはかっていた。このぎこちないステップワープならぬフェザーワークに、食わねばならぬという生存本能と警戒せねばならぬという防衛本能の拮抗を見る。
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そのほか注連飾り、枯芒、鴨、犬の散歩、野球少年、ゴルフ――、短い時間ではあったがそれなりに見どころはあった。
行く年のボール拾いの車すいーっ 楓子
ゆりかもめ軍に歳晩の鳩一羽 楓子
全車輌映れり冬の河の幅 徳将
水鳥の羽搏きの音まだ水に 徳将
老犬の速度で土手で着膨れて かの
冬空より引きちぎる龍の髭飴 かの
鳩歩む首の反動小晦日 人秀
敗走す草が枯れても草野球 人秀
立ち寄った喫茶店でかのさんが頼んだ抹茶ラテ。「ニンニクみたい」と一言ぽつり…。
吟行の後は川崎市内のピザ屋で忘年会兼作戦会議。
今年もKENOBIを読んでくださる皆様に是非楽しんでいただけるようなものをご提供したいです。これからも何卒よろしくお願いします。