【エッセイ】ふゆやすみ日記 小川楓子
12月28日(土)快晴。冬休みの初日は、友人の畑で柑子(こうじ。鏡餅によく乗っている平たい蜜柑)の収穫のお手伝い。黒岩君と友定洸太さん、妻の玲子さん、ご子息の落とし穴大好き五歳ボーイと一緒に酒匂川と山々の雄大な景色を眺めながら歩く。到着すると友人のパートナーのTさん(樹木の専門家)が畑の説明をしてくださる。ふむふむとうなづく私たち。
さて、早速、柑子の収穫だ。鋏で枝を長めに切って、木から切り離す。そして、残っている枝を実の近くでちょんと切って箱に入れてゆく。レモンを収穫している学生さんにTさんが「脚立大丈夫?」と声をかけている。「怖いけれど大丈夫です」と答える学生さん。高い所が大好きな私は「良し来た任せとけ」とばかりに嬉々として脚立に上がる。(※脚立はまたがったり、天板に立ったりせず、安全に留意してくださいね♡)レモンは樹高が高いのでなかなか採るのがむずかしい。Tさんが高枝切鋏を持ってきて使い方を伝授してくれる。切ったレモンを鋏で掴んで持って来れるのがクレーンゲームのようでわくわく。(※以下3枚レモンではなく柑子の木です)
すべてのレモンを取り終えて「やったー」と思っていたらもうお昼の時間だ。今日のランチはみかん鍋。具材のなかでも取り分けみかんの房は熱々で
はふはふいいながら頂く。
無農薬のみかんの皮は貴重なので持ち帰らせてもらう。(かるく天日干しをしたものを白湯に浮かべると香りがよいのです。干し倒せば漢方薬の陳皮を自作できるかな。なんて。)お昼のあとは収穫した柑子を玲子さんと水拭きする。初対面と思えないほどガールズトーク(?)が弾み、話し足りないままおしまいの時刻となる。「好きなだけ持ち帰っていいよ~」とのTさんのお言葉に甘えて柑子、温州みかん、レモン、フェイジョア、レモングラスをどっさり持って岐路についた。やっぱり畑仕事は最高です。
ふれあい広場皆が蜜柑を右の手に 徳将
ダウンコートの羽毛とびだすレモンの木 楓子
摘んでまた次の蜜柑へ手を伸ばす 洸太
蜜柑摘む鋏の先に陽の当たり 玲子