「心のノート」という日記
テニスを通じて次世代を育成しているコーチです。
テニスコーチという仕事をしてまもなく20年になります。
アメリカの大学を卒業した後、シンガポールのテニスアカデミーに就職、初めての仕事はキッズクラスのレッスンからでした。
シンガポールでの5年間は、一般のレッスン、キッズ、ジュニア、育成クラスのレッスンとテニスコーチとしての基礎中の基礎を徹底的に叩き込んでくれた修行の日々でした。下積みの時代ですね。
また、その間はITFジュニアの遠征など、ツアーコーチ(遠征を主戦場として選手につきっきりで帯同するコーチ)を目指すキッカケにもなりました。
現在はツアーコーチとして生きていますが、
「心のノート」とは宇宙兄弟からパクった言葉で、日々コーチをしている中で、
気になった事、気づいた事
学んだ事
影響を受けた事
感じた事
うまくいった事、うまくいかなかった事
主にこの5項目についての日記を「心のノート」として記しています。
膨大な量の日記なのですが、振り返ると当時の心境なども伺えることができます。
「当時はこんなこと考えていたんだー」とか「相当この時は追い込まれていたのかな 笑」など、ノートから色々な感情を受け取ることができました。
そして今回決定的な違いを感じたのは、世界がパンデミックに覆われてからの内容です。言い換えるとコロナ前、コロナ後のあとの心境がかなり異なっていることです。
全世界の経済が大きく変わっているのは、もはや言うまでもありませんが、
テニス界もどんどん変転変化しています。プレーの内容も変わり、トーナメントの出場の仕方、スケジュールの組み方が大幅に変わりました。
個の話になると選手のキャリア(進路選択)も多様化しています。
テクノロジーも進化して、テニスコーチとしての在り方も問われています。
フィジカル面はより科学的根拠に基づいて指導され、
道具は更に進化し、
戦術の分析ツールはより正確性が向上しています。
私個人の考えとしては、やはり人の心を扱っているので合理的な分野だけを信じて、それのみを活用するのは正解とは感じません。しかし、テクノロジーとはうまく付き合うこと、うまく利用することが求められていると強く感じています。
自分が記した過去の「心のノート」に疑問を持つこと。
当時の正解は、今の時代では正解ではないことも多々あります。
それは、見る角度が変わったり、価値が変わったり、対応を変えたり、言葉の選び方を変えたり。。。考え方が常に柔軟であること、球体思考を意識していかなければなりません。