言語ではなく、感性を読み取る
オーストリアのブルゲンランド州に来ています。
ブルゲンランド州はオーストリア東部に位置しており、ウィーンから車で1時間南下したTennis Ackademies in Burgenlandに滞在しています。
元世界ランキング3位のドミニック・ティエム選手のお父さんであるウルフギャング・ティエムさんがアカデミーのディレクターを務めており、アカデミーにはクレーコート12面、インドアテニスコート6面、ジム、サウナ、スパ、レストラン&バー、そしてホテルと全て隣接しています。
田舎にあるのに、ここはいつも満員。
地元の人たちは、お酒を飲みにバーを訪れ、ビジネスカンファレンスも行わていたり、コミュニティセンターとしての機能もしているようで、常に活性化しているのが伺えます。
育成の概念では、アカデミー事業以外にITFジュニアも行われ、東ヨーロッパの選手たちがこのアカデミー施設に集まり凌ぎを削り合っています。もちろんUTRは当たり前に導入されています。
私は仕事の一環として、こちらのコーチ陣、マネジメント陣と色々と話をしたり、コートに立って一時的にではありますがジュニアの指導をしています。
以前は、マネジメント業務としてアカデミーとの連携を図り、パートナーシップなどの契約を交わしたりしました。でも今はそんな必要はないと思っています。
なぜなら今の時代、情報に溢れ、どのアカデミーとも繋がろうと思えば繋がれますし、契約を独占したところでメリットを感じず、どちらかというと契約によって窮屈になることが多くありました。
お互いオープンな関係であったり、良い環境は共有したり活用することが日本のテニスの価値向上に繋がるのだと信じています。
アカデミーとの信頼関係を築くのは、紙ではないということ。
無論、数字が絡む、金銭が絡むビジネスのでは契約書が必要です。
しかし、この人(組織)と仕事がしたい!と思ってもらう。
魅力を売る。
この魅力とは洋の東西問わず同じだということ。
そして、
グローバルの舞台で仕事をするというのは、お互いの常識が違うので、語学力は重要ですが、なにより大切なのは相手の感性を読み取る力が重要。
これはコーチしている時も同じで、選手の考えや想いを理解していなければ良いコーチができないということ。言語の問題ではありません。たとえ日本人に日本語が通じないのは相手の感性を理解していないからだとつくづく感じます。
自分の知識や経験は活きることはあってもそれが機能するかは別の話だということです。
アメリカの大学在学中の話に遡りますが、ディベートが多くあるなかで一生懸命英語を話しても通じない。これは相手の立場を理解せずに話していたことでした。でもその当時は語学力がないのか。。。とも思ったりしました。
違います。相手の考えを理解した上で話せていないということでした。
シンガポールでコーチをしていた時に、育成クラスにインド人の選手がいて、その選手と遠征を回ったりしました。テクニックのこと、戦術のことを英語を使ってコーチをしていました。が、目を見るとどこかで伝わっていない。。。
違います。彼女の国の歴史、文化、宗教、物事の理解という角度が足りなかったということ。
もう一つ、
日本に帰ってきて、地方に足を運びアカデミーを運営しています。
日本語を喋ってるのに行政の方々は次世代育成について理解してもらえない。。。
日本語なのに!笑
決定的な課題は、地元のローカルルール、風土を理解していないということでした。
オーストリアはドイツ語が母国語です。従って彼ら/彼女たちも英語は第二言語になります。
今回の滞在では交渉事、選手指導ではお互いの想いを汲むという作業が多く、グローバルの仕事だからこそ、相手の文化や習慣を理解するからこそ、言語以上のこちらの強みを活かせるのだと思っています。
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