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世界線を越える

この夏聞いた素敵な物語。
ある世界から特別な世界へ移行した男のお話。。。

夏の夜、ビーチハウスで夕陽をみながらのんびり過ごしていた。
ふと見ると、テーブル一つ離れたところに、男が一人、モヒート片手に機嫌良さそうに微笑み、静かに海を見つめていた。

南欧州出身だろうか?水色の麻のシャツが風をはらみ、茶色い髪とブルーとグレーの中間のような薄い瞳の色。

理由は分からないが、どうにも人を惹きつける魅力が彼にはあった。
容姿が美しいのもあるが、内奥から湧き出る力のような。彼がどうして、それほどエネルギーに満ちているのか気になった。


少し勇気を出し話しかけてみた。
しばらく雑談をし、秘密を探りたくなり、私が話しかけた理由を伝え、尋ねた。彼は、真っ直ぐこちらをみながら、

Thank you. I don't know why.
But I am told like that sometimes. 
I think, It's only after one-thing happened to me.


「ありがとう。理由はわからないが。。。時々そう言われるんだ。
そうしたことを言われるようになったのは、あることがあってからだけど。」

彼は、少し考えるような様子を見せた。

I , just now, realized that this story should be left in this world. 
And I think my story would be the seeds and it will give birth to the next story. 
So please check it out. And if you like it, please tell someone.

「ふと気づいたんだけど、この話はこうしてこの世界に置いておくことに意味がある気がする。
そして、その種はまた次の物語を生むように思う。
もしこの話が気に入ったら誰かに伝えてくれないか?」

私が、頷くと、彼はそれまで以上に力強い目でこちらを見つめ話し始めた。
その話はファンタジーのようでもあり、人生に深い示唆を与えるものでもあった。できるだけ、丁寧に思い出しここに記す。


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(以下、主人公:Alex

ある日、ある女性と出会った。
美しい人。
例えるなら、アンジェリーナ・ジョリー。

そんな人が普通にいる?とも思うが、彼なら起こりそうだ。
実際、写真を見せてもらうと、確かにアンジェリーナ・ジョリーに似ていた。(名前が分からないので、アンジーとしておく)

初めて彼女と会った日は楽しかった。
楽しさの余韻に浸りたく、家の近くのバーに立ち寄った。

トランスジェンダーである、バーテンダーのニコラスから
「最近恋愛してる?出会いがないのよね〜」
というような話をされた。

いつもなら
「ホント、ないよな〜」
と、たわいもない話をするところなのだが、
「実は、さっきさ・・・」話した。

ニコラスは、俄然目が輝き
「お店連れてきなよ!私が、お似合いかどうか、みてあげる!私のアレックスに変な虫つくと困るから!」
と言った。一応、また会おうという話になっていると伝えると、彼はいつも以上に、テンション高く興奮した。

その後、彼女と連絡を取り、もう一度会うこととなり、そのことはニコラスにも報告しておいた。

約束の数日前、彼女から「友達も一緒に連れて行きたい」という連絡をもらった。正直なところ、少しがっかりした。いやだということも難しいので、もちろんこちらも楽しみ、と伝えた。
話の進展を楽しみにしていたニコに申し訳ないので、その旨伝えると

「それは、残念だけど脈はないわね。
友達と一緒にご飯ご馳走になりたかっただけでしょ。ご飯食べたら、さっさと地元に帰ってきなさい〜わたしのアレックス❤️」

と言われた。

ニコの言うことを信じたくはないが、希望的観測は消えたと感じた。
確かに、彼の言うとおりだ。大人の男女が、食事に行こうと約束したのに「友達も一緒」というのでは、約束を果たそうとはしてくれているものの、恋愛の発展は難しいだろう。
まして、相手はアンジー(似の美人)なのだ。


2度目は、相手が二人なので、こちらも友人を連れて四人で食事をした。だがこれは、残念な気持ちと裏腹に思いのほか楽しい時間だった。

友人が、気をきかせてくれて

Hey! Alex Don't be shy, you need to get your requests straight!
「ヘイ!アレックス、恥ずかしがらずに要望をちゃんと伝えないと!」
と助け舟を出してくれた。

If you like, could you go out on a date ?
「よかったら、今度デートしてもらえますか?」
と伝えた。

What? the first time wasn't date?
「え、一度目はデートじゃなかったの?」

と。予想外の答えだった。

では今日はなんなのだろうか・・・?
一度目のデートでダメだったのはっきりしてるでしょ?ということだろうか?

モヤモヤしたものの、
「また今度行きましょう」という約束をした。
その場限りの可能性もかもあったが、その3度目の約束の日がきた。

3度目まで、大体、月に一度くらいペースで会った。もしこれが、恋愛ならもっと早いペースで会う約束やメッセージのやりとりが進み、盛り上がった結果、恋人関係になるというのが、これまで知っていた恋愛だが、これはそれに該当しない。一体なんだろう?


三度目の食事は地元育ちの彼女が予約をしてくれた店だった。
「ここのピザは世界一よ!」というメッセージがついていた。
明るく楽しい人だ。

食事を終えたので、2軒目!となった。彼女は、近所で働いているようで2軒目のお店をどこにしようか考えながら、「そうだ!」と急に知人に電話を始めた

「この辺りでいいバーあるかな?・・・・いえ、デートよ!」

どうやら彼女は、今回もデートという認識をしてくれているようだ。
問題は彼女にとって、デートとは何か?なのだが。
2軒目のお店でも楽しくお酒を飲み、そろそろ帰る時間となった。

楽しい時間になることは、行く前から予想ができた。
彼女からメッセージの返事が数日こないことは度々だ。むしろすぐ返事がある方が稀であり、忙しいのか関心がないのかわからないが。一方で、会うと深いつながりがあり「信頼感ある楽しさ」のような感覚も感じる。

もし次に会えるなら、ただご飯を食べる相手なのか、何らかの意図を持って食事をする相手なのかはっきりさせたい。素敵で楽しい人なので、仮に食事をする友達であっても仕方ないが。。。そう考えていた。

帰る前に伝えようとAlexは考えてきたお話しをした。

May I ask you two things for me.
「二つお願いがあるんだけど。」

Yeah? What is it?
「うん?笑 なあに?」

I'd like to see you a little more often, if possible.
「できれば、もう少し頻度を上げて会いたいのだけど」

All right. Okay, I'll see you by the middle of next month.
「いいわ。じゃあ、来月の真ん中に、会いましょう。」

Thank you. If it's okay, I have one more favor to ask."
「ありがとう。もし、それがOKなら、もう一つお願いがあるんだ。」

What now?
「今度はなあに?」

The more often I see you, the more, I like you. 
If it bothers you, it wouldn't be better to see so often.
I don't mean to step on the axel pedal, but please forgive me not to step on the brake.
「会う頻度が上がると、君のことを好きになる気がする。。。
もし、それが君に迷惑なら頻度を上げて合わない方がいい。
アクセルを踏むわけではないけれどブレーキを踏まなくていいと言ってほしい。」

彼女は、少し照れた笑いを見せながら、
OK. You don't have to step on the brakes.
「いいわ。ブレーキ踏まなくて。」

大人になって男女の「付き合い」というのは難しい。生きてきた時間、経験が異なり、言葉の捉え方ががそれぞれに違いすぎるからだ。

If you can keep up with my slow pace
「ただし、私のスローペースにお付き合いいただけるなら」

と了承した。


その後、彼女は、いくつかの告白をした。

I am often misunderstood because of my appearance, but in fact, I am a reserved person and haven't had a boyfriend for a while.
自分は見た目が派手で誤解されがちだが、実は奥手なこと。

The second time, I was too shy to meet you alone.
2回目、二人で会うのが恥ずかしかったこと。

In fact, I was looking forward to today very much.
彼女もまた会えることをとても楽しみにしていたこと。

I showed your picture to my colleague, 
and as a result, she said, "Lovely! He looks great!" 
同僚に、アレックスの写真を見せ、その結果「素敵!」と言われたこと。


アレックスにも、パートナーとの長きにわたる不和と闘争で、精魂尽き果て、それ以来こうした感情が立ち上がることは長くなかった。
昔あった感情、塞いでいた感情が自分の中に立ち上がるのを感じた。
そうした気持ちは、世界を鮮やかに見せる。
多分、アレックスはモテるのだろうが、本人は無自覚というか関心がなさそうだ。だが、人を信じる、愛する感情が起こす、自身と世界の変化を彼は感じていた。

翌朝、いつものように朝出かけようとすると、街の様子がどこか異なる。
それに、いつも停めている場所の自転車も忽然と消えていた。

その瞬間に気づいた。

「あれ、違う世界にいる?!」

理由はわからないが、街の様子が似ているようで異なる。
建物は同じようで、空気が異なる。
自転車があるべき場所にない。
これらから意識より先に全身が気づいた。
ほとんど全てが同じに見えるが、全く違う世界にいる!

説明はできないが、消えた自転車は、異なる世界であることを知らせるサインだ。自転車が消えた世界を眺めながら、盗まれた怒りも起きず、そうした感覚が立ち上がった。

ビーチにいき、海に潜り、体の境界線が緩やかに溶けていった後、海面に浮かび叫んだ。

 New world!!!!
「ここは、新世界だ!」

異なる世界に異なる自分が存在する。
かつて強く願ったことが、実現する世界へ移行した。そう強く感じた。

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こんな話だった。

私は、話に聞き入っていた。まるで遠くまで旅をしたようで、話が終わったことにしばらく気がつかなかった。

「それで、彼女とどうなったの?」

振り返ると、彼はもうおらず、ビーチハウスの灯りも消え、片付けも終わり、店のスタッフもおらず、波の音だけが響く海岸に一人座っていた。

Alexの存在も夢のようで、彼の話も夢のようだ。
彼はある世界から別の世界へジャンプしてこの世界にやってきて、この話を置いてまた別の世界へジャンプしたのだろうか?
確か、話し始める前そんなことを言っていた。

アレックスの話は、私に以下の気づきをくれた。

・ニコラスの解釈のように、他者の解釈・介入に影響されず、自分が感じた事を信じる大切さ

・世間的イメージにとらわれず、目の前の事象を真っ直ぐ全身で感じ受け止め、相応しい対応をする大切さ

・内側の世界と外側の世界を丁寧に繋ぐことが、パワフルに現実を形成するということ


先日、友人にこの話をしたところ彼女はこういった。

"Who ,in the world, can see conservative "Angelina Jolie"? 
It's impossible. He must be absolutely reborn in the best world!"

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この物語では、美しい女性、ニコラスも、ヒーローズジャーニーに登場する魔女や試練の隠喩だ。

今回、この女性が果たした役割は多彩だ。

□彼女は
冒険への誘いであり
越境へのゲートウェーであり
ドラゴンの巣窟であり
報酬だ。

□ニコラスは
冒険への拒絶
試練、味方、宿敵

□最大の苦難
常に乗り越えるべきは、外側でなく、古い自分だ。

私たちは「日常の世界」にいる。
「特別な世界」が存在することや、そこでこうした物語が進展しているなどと知る由もなく、それぞれが役を演じさせられるのだ。


理由はわからない。生命の流れ、運命、星々の記憶、さまざまな言い方ができるだろう。なぜかは不明だ。「特別な世界」は、そこを観察する意識を内側に養わないと、触れることができない。

物事の表面しか見ることができなければ、私たちは物質世界にただ生まれ、ただ死ぬことだろう。しかし、「特別な世界」を観ることができるなら、そこにはダイナミックなエネルギー循環があることに気づく。


「世界をシフトし、新しい世界に生まれた。」


このような感覚を持ちたければ、日々、古い自分と決別し、新しい自分に向き合うことだ。そして現実に投影されるその裏でどんな物語が動いているのか、観察できる力。その力が新しい世界を創造するのだ。


振り返って、思うことは

彼は
「異なる世界に入り込んだのか?」
それとも
「これまでの世界に、異なる存在として入り直したのか?」

彼はおそらく
「異なる存在となり、異なる世界に入り込んだ」
のだろう。

今はそんなふうに考えている。

ビーチハウスで、魅力的な人間を見つけたら、話しかけてみるといい。
面白い話が聞けるかもしれない。

彼と彼女が、その後どうなったのかは、知らない。
彼らは二人でもう次の世界へ移っているかもしれない。

私たちは、本当の自分に出会うと、世界線を超え、
新しい世界にジャンプインできるのかもしれない。

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【おしらせ】
WaLaの哲学 9期スタート

9期は、10月開講予定です。
以下日程で説明会を実施します。

無料説明会の予定
9/8 (木)19:00〜21:00 @ZOOM
9/15 (木)19:00〜21:00 @ZOOM
9/22(木) 19:00〜21:00 @現地 & ZOOM
9/29(木) 19:00~21:00 @現地 & ZOOM

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サイトに、説明会の予約と前回の説明会動画もございます。

変化の激しい時代。

自らのうちに「絶対なる自己」と言えるものを涵養し、でも頑なではない、しなやかな信念をもち、人生を歩むことはとても大切でしょう。

WaLaの哲学 座長
屬 健太郎




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