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混沌の20年代に大切な構え 

昔から、「事を為す」には胆力が大事、と言われます。

これはどう言うことでしょうか?

「肚に落ちる」

という言葉は日常に使う方もおられるかと思います。

考えるには、なんとなく3つほど場所があるようです。

頭、胸、肚
これらの場所は、チャクラや上中下の丹田など、ヨガや武道でも大事なポイントと言われます。

1)頭で考える=大脳で捉えた情報

これは、私たちが通常考えると言っていることです。
大脳皮質が該当する。前頭葉(思考)や側頭葉(言語)は、脳の進化のプロセスで一番新しい部分です。外側で起きた事象へのリアクションにおいて重要な役割を担っています。認識対象が変化すると当然応対の仕方も変わる。ゆえに、急激な環境変化が生じる状態だと方向転換が常態となります。変化が常態の現在に、私たちの認識が、そうした考え方しかないなら、結果的に自分というものの軸が定まらず、浮草の様になるでしょう。結果、自己不信へつながるでしょう。

自分を信じることができない。
自身がない。

こうした人が多いのは頭で考えることに過度に依存しているからとも言えるでしょう。

「言ってることは分かるが、肚に落ちない」

なんていう言葉が、仕事の場でも自然と出るのはある種の「自己防衛反応」かもしれません。大事にしてください。わかるけど、違う!と身体がいっているのです。

事に応じるにあたり、「軸と構え」という表現を使うなら、構えは柔軟である一方、軸はブレないことが重要でしょう。仮に頭だけだとその軸がブレてしまうということです。フラフラした軸では、継続して一定の力をかけることができず、結果として物事が成就しないでしょう。


例えば、社会において他社の成功要因を分析し、技術力、マーケッティング、ファイナンス、などと要素分解しメディアが取り上げることは日常行われています。私たちの多くはそうしたことに気を引かれ、成功がそうしたことに依存すると考えがちです。

ビジネスでは、Busyな人が多いため、メディアがそのように書くと、深く考えず素直に受け取ります。結果そうしたことに即応でることが仕事ができると思い込み社会全体がそちらに流れます。
表層的成功要因に気づきそれを真似る。表面的な変化に応じるというよりついていこうとしている状態。こうしたことを繰り返してい流だけでは、腰を据えて取り組んできた人と比べると大幅に遅れており、なかなか成果をあげることが難しいように思います。

「事を為す」には、自身もしくはチームがさまざまな能力を持っていなければならないのは当然です。しかし、成功の要因はそういうところにはないのかもしれません。

頭で考えることが大事なのは言うまでもありませんが、それだけでは「事を為せない」ならどのように決めていきましょう。

2)胸で感じる=扁桃体、大脳辺縁系の情報

私たちが、事を為そうとするとき、何をするか?
これは、多くの場合見過ごされる重要な点ですが、最初にすることは「話す」ことです。何をするにも協力者が必要です。

それは顧客であり、仕入れ先であり、仲間であり、株主であり、私たちは話すことで、一歩ずつ何かを実現していきます。

つまり、

「事を為す」
前に
「人を動かす」

ことが必要になります。

何か、外側に対応できることさえ集めれば物事が成就するように考える傾向がありますが、人が共感する話し方ができなければ、誰も、何も為すことはできません。どれほど優れた発見も、あまりに徳のない人物の話は聞いてもらえず何年も眠ってしまうこともあるかもしれません。

そのためには、他者の事を知ることができなければなりません。他者を模倣し、理解するためにミラーニューロンと呼ばれる神経細胞があります。

*ミラーニューロン: Mirror neuron)とは、霊長類などの高等動物内で、自ら行動する時と、他の個体が行動するのを見ている状態の、両方で活動電位を発生させる神経細胞である。他の個体の行動を見て、まるで自身が同じ行動をとっているかのように"鏡"のような反応をすることから名付けられた。他人がしていることを見て、我がことのように感じる共感(エンパシー)能力を司っていると考えられている。このようなニューロンは、マカクザルで直接観察され、ヒトやいくつかの鳥類においてその存在が信じられている。ヒトにおいては、前運動野下頭頂葉においてミラーニューロンと一致した脳の活動が観測されている。

wikipediaより

このミラーニューロンの発達が、他者の感情を理解し、自らの内でシミュレーションの精度をあげ、共感を生むための条件となるでしょう。

また、感情に関していうと、自分自身が自分の感情に振り回されてはなりません。「意馬心猿」というように、感情がなかなか思い通りにならないことはよくあることです。そうしたことに振り回されないで、事を為すには、もっと深いところで自らを統御せねばならないでしょう。それは、どこかというと、肚ということになるように思います。

3)肚で決める=脳幹で捉えた情報

ここから本題です。

呼吸、心拍、消化、対応調節など生命維持に深く関わる部分は脳幹で行われます。自身の深い部分は、脳及び神経系の古い部分で行われます。

こうした、脳の古い部分(脳幹)で感じたことを、脳の新しい部分(大脳)で言語化し、説明できるようになるという情報の流れは、脳の進化の順序と同じです。結果的に外側の認知情報によって大きな影響を受けず安定しており不安がすくない。こうした自らの内奥によって立つ決断ができなたら安心して長期的なトライができるように思います。これが「肚できめる」すなわち、丹田で考え、決めていくことの重要性ではないでしょうか。

こうした判断に基づく行動は、時の流行などとは関係がないため世間とズレているかもしれません。時に論理的な説明が社会に通用しないケースもあるでしょう。しかし、自分自身はそうすることに安らぎ、安堵を感じる。

そうした感覚こそ、まだ誰も注目していない領域で何かを始める際重要に思います。そうした行動を取れる人が、パイオニアとなり、人類にとっての新しい領域を作っていくのではないでしょうか。肚で考え、肚で決める力は、与えられた問いの正解を探しにいくのでなく、新しい時代を作っていく場合に必須の力のように思います。


4)胆力を鍛える重要性

これまで述べてきたたように、「胆で決める」が脳幹から大脳への情報の流れならば、そうした神経回路を鍛えることが必要でしょう。武士が、幼少期より心身を鍛えていた時代と異なり、現代人はそうした神経回路が出来上がっていないケースがほとんどです。ゆえに、当初は瞑想などにより自身の内的感覚を研ぎ澄ますことや、静かな環境で、自身の内側に耳を済ます感覚を整えることが重要になります。

ここまでの話をまとめると、以下のように整理できるでしょう。

1)外側の構え(事を為す力):
大脳新皮質が前頭葉(思考)、側頭葉(言語)、後頭葉(視覚)などで外側の情報を捉え認識反応する力

2)内側の構え(人を動かす力):
自他の感情を受け止め、柔軟に構える力

3)軸:(自身に立脚した志を見つける力)
脳の深淵部か感じる、内側で真理を捉える力

これら3つがうまくつながる情報回路の確立を鍛錬することが「事を為す」にあたり重要になります。大事なことは、外側の事象によってではなく、自らの軸に立脚した意思決定すること。そうすることで、世の中の動きを後ろから追いかけ、自分の人生を運任せでない生き方ができるようになる。

現在のように、将来が極めて不透明な時代にオロオロせず自分のうちに立脚して生きていくために、こうした内的感覚は極めて重要になる。多くの現代人は、外側の反応を気にする能力ばかり上がりこの内側の感覚が劣化しているものと思われます。

環境変化が激しいと自分の生き方、やっている仕事に自信が持てない人が増えます。認知→行動というサイクルよりも変化が激しい以上仕方のないことでもあります。しかし、何度考えても、これまでと同じように外側に依存した思考方法(相対的)では安定した幸福感は得られないでしょう。幸せとは、ホメオスタシスからくる快の認識、つまり「内的感覚」だからです。

頭、心、身体とあった場合、心と身体が内的に安定しない限り、幸せは認識できません。大脳認識は、全感覚器官から入ってくる情報の一部(40/1000万)を優先認識しているに過ぎない。よって外部認識に依存しない絶対的感覚の確立が必要です。「身体知(肚)で捉える情報」は、言語化できないが、より微細な環境と調和した絶対的情報と言える。それは、言語化した瞬間に大部分が落とされてしまうので言語化以前の段階で捉えねばならない。そのためには、脳幹から大脳に至る回路の再構築が必要です。

つまり、現代人が一般に「頭だけ」で考えるのに対し、「→心→頭と全身で情報処理をすることが今ほど求められている時代もないでしょう。

私たちが、この混迷の20年代を乗り切り新たな世界を切り開くため、頼りになる自分というものを作りあげる必要があります。

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5)WaLaの哲学


WaLaの哲学は自らの人生を切り開くに必須の、軸と構えを学ぶ場です。

外側を捉えるため発達した感覚器官とその情報処理部位である大脳新皮質では捉えきれないが、内臓感覚、内部感覚など、脳幹によって捉える感覚を研ぎ澄ませていく新たな認識を持つための入り口です。(究極的には、不随意神経系による動きに対する繊細な内部感覚と、外的刺激に対する外部感覚の調和により、自己を全体と調和する動きを学ぶことにつながるが、小難しい話は一旦おいておきましょう。)

□アンラーニング:内省により (頭)から内的感覚に降りていく
□プレゼンシング:身体知(肚)により、内的感覚を昇華していくこと

双方を通じ、安定した心で、覚悟と信念を持ち、志を実現する人を増やす事を目的としています。ご関心を持っていただけたなら、オリエンテーション(無料)を聞いてみてください。

WaLaの哲学8期のオリエンテーションが始まります。

3/15(火)ZOOM 19:00~21:00
3/17(木)現地or ZOOM 19:00~21:00
3/22(火)現地or ZOOM19:00~21:00
3/24(木)現地or ZOOM19:00~21:00

詳細・申し込みは以下のサイトから

https://wala.jp/


以下参考まで

大脳
前頭葉:考える・記憶するほか、運動の指令を出す
頭頂葉:ものを感じ解析する空間認知の役割。
後頭葉:視覚機能。目から情報を取り入れ解析しています。
側頭葉:記憶や言語、音の解析。
小脳
運動の力の大きさのコントロールや姿勢の維持
運動学習など運動調節機能に関わっています。
脳幹
中脳、橋(きょう)、間脳、延髄からな流。
呼吸、心拍、消化、体温調節など、生命維持に深くかかわる重要な働きをしています。
中脳:小脳の前に位置し、感覚や運動をコントロールに関係する働き
橋:運動に関する情報を大脳から小脳に伝える。
延髄:消化や呼吸、心臓の動きをコントロールする。
間脳:大脳に感覚情報を伝える、体温を一定に保つ、内臓や血管の働きの調整


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