心を開発する時代
どんな風に未来を描き、どんな風に未来を作ればいいのか?
「未来の描き方と未来の作り方」昨年、そんなタイトルで講演させていただきました。忙しく毎日は過ぎていくかもしれませんが、たまには一人になって、静かに想像してみる時間も大切でしょう。冷静になると思うのは、人は皆幸せに、豊かになりたい。それだけが、心の奥から湧いてくる想いでしょう。知識や近代的思考に閉じ込めると、細かい条件が出てくるが、脳の深いところに刻まれた意思、記憶から出てくるのは、サンサンとした太陽の下、安心して、健康で、笑いながら暮らしたい。こんなところではないでしょうか。
そうは言っても私たちは条件付社会の中で生きています。貨幣経済圏以外で暮らすことは現実的ではない。そういう意見も多いかと思います。そうなると、先に述べたような原始的な欲求も、恒久的に得るには所得を得ねばならない。幸せ=即お金に置き換えて考えるかもしれない。それほどに、金銭は現実的問題です。金銭の必要性が思いに優先してしまい、そこで思考停止になってしまう。しかし、お金は生きている間しか使えないし、幸せは買えないけど。モノ消費からコト消費と言われますがコトは、モノと心の間にあるものです
モノ・・・コト・・・心 とあります。
つまり、コト消費とは、心の時代への移行期。年代、市場、メディア、レセプターの関係を示すと以下のようになるかもしれません。
0)時代 ~2000 /2001~2019 /2020~
1)市場 モノの開発 /コトの開発/ 心の開発
2)媒体 Material / Information /Invisible Energy
3)レセプター Body /Mind /Heart・Soul
こういう時代に入っていることを、あらゆる面で認識しないといけません。そして、これは直観ですが、脳の活用に関して、顕在意識が数%しか使ってなく、潜在意識(自律神経系など)が9割だとすると、実はマーケットもそうなる可能性があるのでは?と思ってます。誰もそんなコトはまだ言ってませんが。今の情報産業の10倍のマーケットの可能性?
一方で、私たちが成人になるまでに受ける学校教育は、基本的に言われたことをきちんとこなすための教育です。まるで全体が大きなシステムで、その一部としてきちんと機能するように。社会全体の部分、一部思考能力を伴った部分として。(部分というと否定的になるその世界観そのものが近代的機械論的世界観からくるのですが。)結果的に、学校を出た後大多数は、会社員としてスタートすることとなり、工場労働者やホワイトカラーを大量に産みました。仕事内容は会社に入ってから割り当てられるもので、自ら選択するものではありません。そこでは集団との調和が不文律であり、「和を乱す」ことは望まれない。その系から逸脱すると、なかなか生きにくい世の中です。給料も必要だし、会社に勤める以外のトレーニングを受けていないので、一旦入社し、それ以外の選択肢を取るのは現実的に難しい。。。世の中ベンチャーブームだからといって、ちょっとしたアイデアはあっても、資金も仲間も簡単には集まらない。
「だからと言って、自分の人生をこのままにしてしまっていいのだろうか。」
この悩みは深刻だと思う。僕も新卒で入った会社に10年いたのでよくわかる。経済的な不安から、自分らしく生きることは今のままでは難しい。でも本当にそれでいいのか。。。
こうした悩みをもつ多くの人の力が、思い切り解放されたら、結果的に個人の幸せと社会の発展が一致するだろう。そのことを
「個をひらき、組織をひらき、場をひらく」
と呼んでいます。
ここで言う「個をひらく」とは、仕事上の人格のために、(無意識に)被った仮面を自ら外すということです。会社人間としての仮面はアイデンティティであり、収入を得る手段であるからこそ、仮面を外すと自分の立っている場所が崩れていく恐怖とも向き合わねばならないでしょう。でも、そこから飛躍が始まるのです。自分の立っている場所が崩れていくからこそ、飛躍せねばならない。
本当にあなたにとって大切な、あなた独自の世界を構築するためには、一旦仮面を外し、自分に還らねばなりません。もう、20年、30年と見てこなかった自分を見つけることからしか、本当の人生は始まりません。商社マン10年、ベンチャー経営10年やって、それらを終えてみると、僕自身仮面を被っていたかもしれないと思いました。それを手放し、アイデンティティを一旦喪失した僕が、今だから、そう思います。
未来を描くには、自分に還ること
ここからです。時代はすでに、心の開発の時代に入ってます。次の時代の準備のために為すコトは、外から情報を集めてくるのではなく、自分の心を耕すこと。目に見えない力を自分の中から引き出すのです。フォースの力を。冗談ではなく、多くの人が物語の中に信じている世界観があります。氣(chi)と言われるものを、どう引き出し、どう向き合うか。
心を開発する時代
いよいよ、そういう時代がやってきました。