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これからの話も

「広告をつくったことがないんです」
企画メシの講座を受けながら、言い訳がましく、何度もつぶやく。企画も広告も、今の仕事とは繋がりがないことを反芻する。なぜ、この講座に参加しているのか?なぜ、仕事と関係ないことを時間をかけて学ぶのか?

自分の広告をつくる。課題は、動画でもパワポでも何でもOK。
シンプルにつくろう。名前と目立つ経歴を入れる。何か得意なこと、できることのアピールも書いておこう。自分のできることって何だろう。森林の知識か、カナダに居た経験か。知識や経験は、広告に入れるにはしっくりこない。見栄でなく、もっと本質的なもの。迷った末、「聞きます」と打ち込む。

自分の広告


他の受講生が提出した課題を見る。隣の芝は青い。自分のものは、シンプル過ぎただろうか。写真をもう少し取り入れた方がよかっただろうか。隣の芝は、とても青い。講師から課題へのコメントを受け取る。耳が痛い。
「一方的に言いっぱなし」
恥ずかしさで、思わずコメントを閉じる。相手がいることを忘れたつもりはなかった。だけど、コミュニケーションを取ろうとしていただろうか。この場合、コミュニケーションとは何だろう?自分のことを伝えようとしたが、伝わっていない。相手がどこに興味を持つか意識していただろうか?伝えても、伝わらない。伝わってほしいと思う。自分にとって、企画とは何だろうか?思いやアイデアを言葉にして形にする。自分にとって、広告とは何だろうか?思いやアイデアを言葉にして伝えて、伝わる。僕が生きていく上で大事にしたいことだ。

あらためて考える。なぜ、この講座に参加しているのか?課題もあり、大変なのに。人生に対してハングリーさを感じ、受け身にならない方法を身につけたい。具体的にはどういうことだろうか。最近、いろんなことが同じもののように感じていた。ライフスタイル、言語、仕事、価値観、ニュース。自分の輪郭がぼやけている。

ふと、サスカチュワン州に出張した時を思い出す。同僚のiPhoneの音楽も聞き飽き、CBCラジオを聞いていた。コメンテーターが日本に行った時の話を始める。クリアな英語はとても聞きやすい。
「いや、驚くよ。日本には、ほとんど日本人しかいないんだ」
そうだった?日本語を話して、同じペースで歩いていく。僕もそうか、同じだ。輪郭がぼやけて、あやふやになる。あやふやになるは嫌だ。抗いたい。普段とは違う環境の中で考え、体験する。普段と違う相手と対話する。輪郭が少しはっきりする。言葉を発し、形にする。自分を際立たせる。試行錯誤は続くが、少し前へ歩を進める。


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