磐梯吾妻スカイラインヒルクライム 土湯ステージ 年別3位
大会を迎えるにあたり
スタート直前のゴリラの囁きにより、開幕アタックで盛大に散った初日。
2日目は距離長め、斜度緩めの山岳ロードレース。
昨年はフィニッシュ直前まで集団走行して最後はスプリント勝負になって準優勝したコース。
今年も同様の展開が予想されたが初日を終えて展開・マーク対象が見えてきたのでざっとご紹介。
髙橋悠斗選手(イナーメ信濃山形)
武田依央理選手(Team UKYO Reve)
初日の高湯ステージでも別格の強さだった若いお二方。
網野優介選手(EMU)
ちょこちょこ色んなレースでご一緒させていただいております🙇♂️
この3名に共通する点
ロードレース主戦場の選手であること(…ですよね?)
髙橋選手は全日本選手権の出場がお有りのようで…??
武田選手もE2の選手だと…??
網野選手もウィンディー筑波としてE2で走られてるそうな。。
強力なロードレーサー3名
+
ヒルクライム、というより山岳ロードレースチックなコース
という事は
…え?これワイが真っ向勝負しても無理じゃね?
運良く集団ツキイチで最後まで行けてスプリント勝負になったとしても
私のなんちゃってスプリントでは歯が立たない事は明白。
これは…どうしようか(諦め)
とりあえず最後まで残る事は前提として、あとはどうにかなるだろう(しなければならない)という事で作戦は「TSUKIICHI〜ツキイチ〜」で。
機材等
前日の高湯ステージと同じなので割愛。
レーススタート
ダウンヒルから始まる土湯ステージ。
道も悪く、狭い事から安全に行くためにも確実に動きがわかる武田選手の真後ろに位置してスタートに備える。昨日のイキりアタックの影響で前へどうぞどうぞと追いやられそうになったが
「今日はやらん!やらないよ!」
宣言した私😂
高湯ステージにいなかった選手がチラホラいたが、特に気にせず。
そしてスタートの号砲が10分遅れで鳴った💥
スタート直後からかっ飛んでいく。
途中クレーチングがあったりしたものの落ち着いて通過。
林道での緩い登坂区間が始まった。
髙橋選手と武田選手の2人が予想通り積極的に集団を牽引。
次に私が入り、その他の選手が続く状態に。
大体4.3倍位だろうか。ゆるくはないがキツくもないペース。
ローテーションを促され、私も先頭に出たタイミングであえて3.5倍に落としてみたり4.5倍で引いてみたりしつつ早々に先頭を髙橋選手・武田選手に先頭を譲りながらレースは進む。
途中、私が先頭で牽引している時に後ろから1人のアルペシンジャージの選手が飛び出した。勢いこそ良かったものの、走りを見つつそこまで脅威ではないと判断し、
髙橋選手に「あれは放置でいいかぁ」と声をかける。案の定5分もしない内に吸収。さらにカウンターっぽくペースを少し上げてついて来れないようにした。
ここで気がついたのだが後ろにいるはずの網野選手がいない。
とりあえずマーク対象が減ったので少し安心。
ただ怖いのが髙橋選手と武田選手に同時にペースアップされたら果たしてついていけるだろうか。単独走を強いられてペースが掴めなくなりズルズル後退するのだけは避けたい。そのためには何としてでも2人についていかなければ。
林道区間を抜けて道幅が広くなったタイミングで2人に着くのが辛くなってきた。おそらく2人にとってはペースアップですらないのだろうけどジリジリ差が開いてきた。真っ向勝負以前にスプリントの土台に立てなくなってきた。
そしてついていくことが出来なくなり、切り離されてしまった。
後ろから選手は来ていない。ただ後ろから来る可能性があるなら網野選手だろうか。となるとE2レーサー相手に道中仕掛けられるポイントもそこまでない為、勝ち筋が全く見えない。
もう踏むしかないのである。強風が吹き荒れる中、個人TTを開始。
レースは20分経過。去年6人くらいの集団で57分代でフィニッシュしているので後半ペースが落ちてくる事を考えてフィニッシュタイムを1時間フラットと仮定。という事は40分近くは単独で踏み続ける必要があると判断。
ギアはアウター固定、下ハンではなくブラケットを持って。
維持できるギリギリのペース(4.5倍位)で道幅をめいいっぱい使って
最短ラインを進む。
後ろから頻繁に来るカメラモト・スタッフ車両が私を抜かす度に
「後続何分?!」って聞きたかったけどそんなサービスあるはずがないので
とにかく前だけを見て踏み続ける。前を追うのではなく、後ろから逃げる事に頭をシフトし、とにかく全力でペースを刻む。
野地温泉区間を抜けてアップダウン区間に入る。
ペースを乱したくなかったのでダンシングは封印していたのだが
このタイミングで脚が攣る気配を感じ、少しだけダンシング。
まだフィニッシュまで10km以上あるのに。
かといってインナーに落とすと自分の中で「甘え」が出てきそうだったのでこちらも封印。ACTIVIKE スピードウォーターを一口含んで誤魔化す。
残り10kmの看板を通過。残り5kmからはダウンヒル要素多めの区間だという事は知っていたのでこの5kmでペースを落とさなければ逃げきれる。
しかしここからがキツいんです😇
先が見えるタイプの坂。
ダンシングで強引に行けそうで行けない微妙な距離の坂。
じわっと来る10%越え区間。
攣りそうな「気配」ではなく攣る「段階」の脚。
何なら腹筋も攣りかけている。
もう後ろは怖くて見ることが出来ない。
たまにギアが変わる「ガシャン」という音が聞こえる気がして(多分空耳)
その度に「うわーーー」「うわーーー」と思いながらも振り向く事は出来なかった。予想通りパワーも落ちてきて4倍位まで落ちた。
「残り5km…まだですか…」
攣りかけている脚を足首の角度で妥協点を見つけつつ残り5kmの看板を目指す。
後続は来ているのだろうか。この状態でスプリント勝負は絶対に勝てない。
逃げなければ勝てぬ。
見えない(怖くて見れない)後続から逃げ続けて残り5kmの看板を通過。
「あれ…まだアップダウンあるやん…」
これまでのコースを考えるとほぼ「平坦」なのだがこの時の満身創痍の身体には「アップダウン」にしか思えなかった。ドリンクもカラ。
そしてここで両脚が同時に攣った。もちろん痛い。痛いのだが、後続が来るかもしれない「恐怖」と逃げきれるかもしれない「アドレナリン」でわけのわからない気持ちとなり、「痛いけど踏める」謎の現象に。
残り3km。右脚の攣りが増した。ふくらはぎが強烈に攣った事で
つま先立ちのような形で足の動きが固定されることに(伝われ)
ギリギリ耐えてる左脚(耐えてない)で踏み込み、フィニッシュを目指す。
残り1km。ここで初めて後ろを向いてみる。
遠くの方で白いヘルメットが見えた。
「やっべー🤪」とは思ったがもう登りがない事は知っている。
「やっべー🤪」と思ったと同時に「あ、勝ったなこれ(3位だけど)」と逃げ切りを確信。
残りのダウンヒルをアウタートップで回し速度を稼ぎつつ最後の右コーナーを安全に通過。スプリントで締めようにも腹筋・両脚が攣っているためシッティングでのフィニッシュライン通過となったが何とか逃げ切ることが出来た。
もう身体と感情がおかしくなってて(3位だけど)フィニッシュ直後には叫んだ🫢
フィニッシュ後
サイコン上のタイムは1:00:02
予想タイムとドンピシャだった🤭
バイクをラックにかけてすぐに網野選手が到着。
どうやら後半私のことを目視出来ていたらしく、
もう少しテクニカルなコースだったら追いつけていた、とのことだった。
思わず頭抱えて「あぶねぇーーー!!!」と叫んでしまった私😂
目標としていたステージ優勝には届かなかったものの、
満足いく内容で2年連続表彰台に登ることが出来た。
(ちなみに残り1kmで見えた白いヘルメットは別カテゴリーの選手でした)
余談
フィニッシュ後にスマホで順位を確認すると3位に私の名前はなく、
計測上ダントツのビリ扱いだった🥺+387分?とか出てて
流石にそんなわけがなかったので大会スタッフに報告。
バグだったらしくすぐに対応して頂いて無事に3位が確定しましたとさ👍
レースを終えて
レースというより個人TTのような展開になった土湯ステージ。
最後まで頭と脚をフル回転させて表彰台を死守出来た事は大きな自信になった。
あと脚が攣っても意外と何とかなることも(無理はダメですよ)
前週の美ヶ原4位のいい流れを維持することが出来てよかった。
磐梯吾妻スカイラインヒルクライムは開催初年度から出場している大会。
ゴール後の振る舞いの豪華さだったり(食べきれない量なのでお土産にしました)
絶景の中走るコースも好きです。2日間走れるのに参加費が安いのもありがたいです。
去年は何やかんやありましてレース自体かなりゴタゴタ、ザワザワしており、今年参加するかどうか悩んでたのも事実。
ですが、今年は去年の問題点だった数々が解消されており気持ちよくレースを走ることが出来ました。ルール・タイムスケジュールの明記や道路整備(特に高湯ステージの道路に多数あった穴がかなり埋められていた)等、とにかく至れり尽くせりの案内・開催をして頂いた運営の皆様に感謝申し上げます。来年も参加させていただきます。
次戦
前半戦が終了したので少しサマーブレイクを挟みます。
次戦は乗鞍ヒルクライム チャンピオンクラスに出場します。
全国各地から集う妖怪達に引き摺り回されるレースになるでしょう。
厳しい展開間違いなしですが、しっかり合わせてベストを尽くしたいと思います。
では皆様乗鞍でお会いしましょう。
Photo by hashiken様
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