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起業したら一年後”やりたい事”が真逆になった話

雇用とは
「労働に従事させるため、賃金をはらって人を雇うこと」
である。

by Oxford Languages

創業時の”やりたい事”は「雇用の創出」だった。

2020年6月、世界がコロナ禍で混乱している時に家でテレビを見ていると、
ブラジルでコロナ感染が拡大して多くの人が亡くなっていることを知りました。

ニュースでは、
大統領がコロナの感染拡大よりも経済活動を優先させた結果、
感染が拡大して多くの方が亡くなったと言っていました。

カポエイラというブラジルの格闘技をやっていたり、昔ブラジル人の女性と交際していたこともありブラジルに親近感を持っていたため、色々調べてみました。
するとブラジルは当時失業率が10%を超えていて社会問題となっており、

要は、
感染拡大を防止する → 経済が停滞する → 企業は儲からないから従業員をクビにする → 失業率が上がる → 失業者による暴動が起きる
ため、経済を止めることが出来なかった結果たくさんの命が失われたという背景が分かってきました。

なぜならば国民が死んだ方が失業率は下がり暴動が起きる確率が下がるため、政府にとっては都合が良いからです。
(個人の見解なので真相は知りませんが)

つまりブラジル国内では、
仕事(雇用)が足りないがために、
人命よりも経済を優先せざるを得なかった
のです。


僕は大学時代にカンボジアの貧困問題について研究をしていたこともあり、この様な「生まれた国によって人生が決まってしまう不平等な話」には敏感で、この事実に心を痛めました。

と同時に、「地球の裏側にいる僕もこの課題解決に携われないかな?」
と考えました。

そしてこの時、

「日本人は皆残業ばかりしていて一人当たりの仕事量が多すぎる状態、
だったら日本の仕事をブラジルに渡す事が出来れば、日本には残業を減らすという価値を提供しつつ、ブラジルで雇用が創出出来るのでは!

と閃き、思いついたのが

日本企業の仕事を日本の深夜時間帯にブラジルなど地球の裏側の国の人にお願いすることで、寝ている間に仕事を動かす会社Timewitchでした。

しかし実際に今から一年前の2021年2月に起業してみて、ブラジル人に直接仕事をお願いするのは色々ハードルが高かったため、
一旦地球の裏側に住む日本人に絞って仕事をお願いすることで、間接的にですが地球の裏側の失業率の改善に携わるビジネスを開始しました。

まとめると、僕は

”雇用”を生み出したくて起業したのです!

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皆お金の為に働いていると思っていた。

起業してみて、まずは趣味の海外旅行や留学時代に出会った海外に住む知り合いに片っぱしから声をかけて現地に住む日本人を紹介してもらい、片っぱしから個別面談をさせてもらい、まだ何の実態も無いTimewitchという名の僕の妄想への参画を呼びかけました。

50名ほどと面談をした結果、5名の方が初期メンバーとして参画して下さることになったので、毎晩僕は徹夜をしながらこの5名の方とリモートで並走させて頂く形でビジネスがスタートしました。
そして、当初この5名は全員お金のためにTimewitchで働いてくれているのだと思っていました。

要は
「隙間時間でお金稼げてラッキー!」
と言う気持ちで働いて頂いていると思っていたのです。

しかし、仲良くなっていく中で改めてTimewitchに参画してくれた理由を聞いてみると「Timewitchの『好きな時に好きな国で働ける社会を創る』というビジョンに共感したから!」とか「他の海外在住日本人と繋がりたかったから!」と言ったお金以外の理由で参画してくれていたことを知りました。

もちろんボランティアでは無いので正当な対価は支払っているつもりですし、彼ら彼女らも一定はお金が目的だと思います。
ですが僕の想像以上に働く理由が

お金<やりがい

だったのです。


あれから一年、今ではTimewitchにお問い合わせ頂いた海外在住日本人の数は累計300名に達し、その中で僕が作った厳しい研修やテストを突破された計数十名の方々に今日も日本の深夜に働いて頂いていますが、
やはりほとんどの人がお金のためだけでなく、Timewitchに参画して働くこと自体を楽しんでくれている様子なのです!

僕は正直サラリーマン時代に「仕事って楽しい!」と思ったことがあまり無かったので、この気付きは僕に強い影響を与えました。

そしていつしか、

この人たちと毎晩明け方まで触れあっている内に、僕は

「お金のために自分の時間を嫌々切り売りする労働(雇用)を提供するのでは無く、お金のためじゃなくて楽しいからここにいる!そして気付いたら納得感のある金額のお金も手に入っている。という居場所(=コミュニティ)を創造する方が人を幸せに出来るのでは?

と思う様になりました。


この頃から、創業当初の
「ブラジルに雇用を提供して失業問題を解決する!」
という当時28歳の僕のビジョンは
「辛い労働(雇用)を日本からブラジルへ押し付けるという上から目線の偽善に過ぎなかったのでは?
と考える様になりました。

つまり僕は

”雇用”って無い方が良いんじゃね…?

と思い始めたのです。

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ようやくベーシックインカムの必要性が理解できた!

僕自身、昔は

「将来の幸せを手に入れるために、今を犠牲に頑張るんだ!」

という考え方で青春を捨てて我武者羅に努力して受験や就職を成功させたのですが、
学歴の意味がどんどん無くなり大手企業の給料がどんどん下がってきて、人生の「誰もが羨む順風満帆幸せ人生の定義」が無くなってきた昨今の時代の流れと、Timewitchで働くこと自体を楽しんでる方々との触れ合いを通じて

「未来のことなんてどうせ分からないんだから、将来のために嫌々努力をするよりも、今を楽しむ方が大切!」

という価値観に30歳を手前に変化しました。笑


で、
このような考えに変わってきた今、気になるのは最近話題のベーシックインカムという制度の話。

要は
毎月7万円みたいな生きる上で最低限必要なお金を国民全員に永久的に配りますよ!

ってやつです。

これによって多くの人はお金のために嫌々やっている今の仕事は辞めて、
お金は儲からないかもしれないけど楽しい仕事(or 遊び)に時間を費やす様になる。
これによって社会全体の生産性と幸福度は上がるのでは?

ってやつです。

僕はTimewitchを通じてお金のため以外の理由で楽しそうに働いてくださっている人たちと触れ合うことで、この考えに賛同するようになってきました。

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<補足>
ちなみにブラジルの失業問題を含めてもこの方が良いと思っています。

ベーシックインカムによって、
稼げなくてつまらない仕事の人気が無くなる
→その様な仕事の機械化・AI化が進む
→楽しい仕事(=遊び)だけが残る
→嫌々労働せずに、感覚的には遊んでいるだけで生きていける社会を先進国がなる早で実現すれば、ブラジルなど他の国も追随してくる。

と言うロジックです。


今の”やりたい事”は…

従ってTimewitchは今後雇用の創出は目指しません。

そしてむしろ真逆のお金のために自分の時間を嫌々切り売りする労働(雇用)をこの社会から無くすために
「好きな国で好きなことをやっていたら、気付いたら十分なお金がついてきた!」
という環境(=コミュニティ)を創ります。

そこに、まずはより多くの海外在住日本人を巻き込むことで、彼らの幸福度の最大化を目指していきたいと思います!

この想いをまとめると

好きな国で楽しく働いている人のコミュニティを創る!


です。
これを創業2年目の新しいビジョン(やりたい事)に掲げて日々頑張っていきたいと思います!

とは言え創業してからちょうど一年経った今日、このビジョン以前に自分自身が決して幸せとは言い切れない寝れない日々を送っているので、
まずは(株)Timewitchを僕と社員全員が十分な睡眠時間を確保出来るようなホワイト企業にすることを目指そうと思います。笑

二年目もよろしくお願いします!

三浦健之介


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