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もしかして自爆デッキって遊戯王より面白い?

遊戯王マスターデュエルで行われた初めてのイベント戦「エクシーズフェスティバル」において、報酬を高効率で収集することのできる「自爆デッキ」が話題となりました。誰にでも扱え、安価で、まるで複雑な現代遊戯王と対極にあるストレスフリーさ。もしかしたらそれは、マスターデュエルというコンテンツ自体を破壊するまで止められない「麻薬」なのかもしれません。

エクシーズフェスティバルのあらすじ

2022年2月17日、リリース間もない遊戯王マスターデュエルにおいて、初めてのイベント限定レギュレーションによる対戦「エクシーズフェスティバル」が開催されました。

XYZフェス

この期間限定フェスティバルは、「EXデッキにはエクシーズモンスターのみ」という特殊なレギュレーションを課すことで、常設されているランク戦とは異なるカードプールでの対戦の場を提供するものでした。

またユーザーの参加を促すため、ゲーム内通貨である「ジェム」をはじめ多くの報酬がデュエルに参加することでもらえる形式になっていました。報酬をコンプリートすれば取得できるジェムの量はかなり多くジェムを得られる期間限定イベントもマスターデュエルでは初めてでありました。

トークン収穫

こうした背景のなか、期間中に報酬を簡単に獲得できる方法として注目されたのが、高速に敗北することを目的としたデッキ(通称: 自爆デッキ)による周回です。

デュエルに勝てない自爆デッキによる周回がなぜ成り立つのか?イベント開始当初、参加報酬として各デュエルの勝利時に100ポイント、敗北時であっても50ポイントが獲得できました。(運営の用意したレンタルデッキを使用した場合はその半分)。敗北時の獲得ポイントは勝利時の半分ですが、一般的なプレイでは1試合に10分以上かかることもあるというマスターデュエルというゲームの性質上、普通のデッキで1回勝つ間に自爆デッキにおいて3回以上敗北することは容易です。

その周回効率の良さ、デッキの安価さから自爆デッキはSNS等でも話題となり、イベント開催初日から瞬く間に多くのユーザーが自爆デッキを使用し始めました。結果、シェアも大きく試合時間も短い自爆デッキとのマッチング率が異常に高くなり、エクシーズフェスティバルにおいてこれら以外の一般のデッキと対戦することが困難になるという状況が生まれました。

事態を鑑みたマスターデュエル運営は、イベント開催2日目である2月18日に対策を発表。勝利時のジェム獲得数を引き上げることで、相対的にデュエルに敗北することの価値を下げ、自爆デッキの使用率の低下を図りました。

お知らせ

異例の爆速対応

これによって自爆デッキの数は大幅に減少、状況は緩和されました。しかし敗北時の報酬は据え置きであり、自爆デッキによる周回作業そのものは未だ有効であり存在するのが現状です。

自爆デッキに対する反応

先にも述べたとおり、自爆デッキはその効率の良さ、組みやすさから大きな話題になりました。

まず組みやすさ。リリース間もない遊戯王マスターデュエルにおいて、さらに使用可能カードを限定したイベントということもあって、レギュレーションに沿った満足なデッキを持っているユーザーの方が少数でした。

(そういったユーザーへの救済措置として運営からはレンタルデッキが貸し出されていましたが、パワーの面でフル構築のデッキには劣り、さらに使用時に報酬が半分ということもあって、レンタルデッキの使用率は自爆デッキの半分にも満たないということになりました。)

サイファー

レンタルデッキの例。人気のヌメロン等に厚いデッキ構成。EXは埋めてほしい。

また手軽さの面も話題になりました。一般のデュエルでは、対戦相手に勝利するために強固な布陣を引く行為(先行制圧)、またその盤面を再現するため1ターン目から大量のカードをプレイする行為(ソリティア)がしばしば行われます。遊戯王というゲームそのものがそうデザインされているため仕方がないのですが、初心者(だけでなく長年のプレイヤーも)の方の中には、こういった行為に対し「何もできない」「待ち時間が長い」といったストレスを感じることも大変よくあります。

遊戯王というゲームに対する反応の例

マスターデュエルがリリースされ、初心者・復帰勢がこのようなある種の「現代遊戯王の現実」ともいえる状況に直面する中で、自爆デッキはそれらのストレスから解放される清涼剤のようなものでもありました。自分が使っても楽に報酬が手に入る。相手に使われたら、さらに倍の報酬が手に入る。制圧・ソリティアとマッチングするなら、自爆デッキに遭遇したいというユーザーもいるでしょう。


一方で、自爆デッキは「エクシーズフェスティバル」ひいては遊戯王OCGというゲームの趣旨から明らかに外れています。エクシーズフェスティバルにおけるデュエルを純粋に楽しもうとするプレイヤーにとって、自爆デッキは迷惑な存在です。

特に報酬改善実施前の初日の段階では、何度マッチングを繰り返しても自爆デッキにしか遭遇せず、ジェムは貰えるがデュエルは全然できないというような状態となりました。せっかく普段使わないエクシーズを用いたデッキ、また特殊なレギュレーションの中で輝くデッキを用意しても、それらを発揮するメインのイベント会場が潰されたのです。

こういった現状なので、自爆デッキに対する反応は様々です。

特にカード資産に乏しい人にも優しくシェアも大きい自爆デッキに対して、「賛否両論あるよね」「どっちの言い分もわかる」という反応が自然であり、多数であるように見受けられました。

また紙の方の遊戯王を長年続けられている方でも、自爆による周回作業そのものが目新しかったところもあり、そういった好奇心的な意味での反応もありました。

ここで私の問題提起に入ります。

それは、『安価で快適な自爆デッキによる周回作業、別にいいよねと放置していいのか?』ということです。

その結果として破滅の未来が訪れた事例を、皆さんに紹介させてください。


自爆デッキetcに壊された「遊戯王デュエルリンクスのフリー対戦」

遊戯王における自爆デッキによる高速周回というのは、実は全く新しいものではなく過去に前例があります。ご存じの方も多いかと思いますが、5年以上もサービスが続けられているアプリ「遊戯王デュエルリンクス」です。豊富なキャラクターボイス、独自のカードプールやシステムによって誰でも手軽にスマホで遊戯王を実現した、遊戯王ゲーム界の金字塔です。

リンクス

いつもお世話になっております

このゲームでは対人戦を楽しむための機能として、主に2つのモードが常設されていました。

リンクスメニュー

対戦モードのメニュー画面

1つはマスターデュエルでもお馴染みのランク戦。同レート帯の相手とランダムマッチングし、勝てば昇格・負ければ降格を繰り返し、より上のランクを目指すというゲームモードです。プレイヤーは最上位のランク「デュエルキング」を目指し、強力なデッキを持ち込んで腕を競い合います。

もう1つはフリー対戦です。こちらはランク戦と異なり、レーティングの増減はなく、ランダムにマッチングした相手との対戦を楽しめます。発売されたばかりのカードの試運転や、ランク戦に持ち込むには少々パワーの劣るデッキでも気兼ねなく使える、カジュアルな対戦の場です。

そしてこのデュエルリンクスにも、対人戦を行うことによる報酬が用意されていました。その中で、最も多くのプレイヤーが欲したのが「スキル」でした。

スキルドロップ

星のついた玉が「スキル」。至福の瞬間。

このスキルというのは、アニメ「遊戯王VRAINS」の舞台でも登場した概念で、条件を満たせばデュエル中に使えるキャラクター固有の効果のようなものです。中には好きなカードをドローすることが出来る「ディスティニー・ドロー」など、戦術の根幹をなすほど強力な効果を持ったスキルもあります。

そしてこれらのスキルの入手方法は、ランク戦およびフリー対戦の対戦報酬としてのランダムドロップするというものでした。(厳密には、ゲーム内アイテムを消費して戦える特別なCPUとの対戦でも低確率で取得可能)。ランク戦やKCカップを呼ばれるゲーム内の大会では、特定のスキルがなければ戦いの土俵にすら登れないこともあり、プレイヤー達は血を吐きながら対人戦を繰り返しスキルを掘り続けました。

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リリース開始から1年以上経過した2018年、その状況に変化が訪れます。

当初デュエルリンクスはOCGに比べ極端にカードプールを制限し、そこから徐々に新たなカードを解禁するという形で運営をしていました。そしてリリースから1年が経過しGXワールドが登場すると《サイバネティック・フュージョン・サポート》《デステニー・デストロイ》といった自分のライフを大幅に削るカードが使えるようになりました。

これにより、高速で自分のライフを0にする自爆デッキがデュエルリンクスにおいても構築可能になりました。新たなスキル取得方法として、自爆デッキはやはり当時のデュエルリンクスでも最大効率を誇りました。スキル掘り界の産業革命です。エクシーズフェスティバル同様、この自爆デッキはSNSやYoutube等から瞬く間に話題になり、フリー対戦で多くのプレイヤーが使用、マッチングが機能しなくなるという事態に陥ります。

当時の反応。まとめサイトなので注意。

そして不幸なことに、待てども待てども自爆デッキは減ることはありませんでした。主な理由は2つ。

1つは報酬が尽きないこと。デュエルリンクスにおいては、数カ月おきに次々と新しいキャラクターが使用可能になります。当然新しいキャラクターにも対人戦報酬でのみ手に入るスキルが備わっています。したがってその度に何度も地獄のスキル堀りをしなければいけません。もう嫌だ、辛い、早く楽になりたい。その一心でプレイヤー達は自爆デッキを手に、次々とフリー対戦に押し寄せます。

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悲しいが誰しもそういうときはある

そしてもう1つは敗北時報酬がなくならなかったことです。敗北時にスキルが落ちなければ、自爆デッキは機能しません。じゃあ報酬を廃止すればいいじゃないかというと、そういう訳にもいきませんでした。仮に勝てなければスキルが手に入らないシステムにすると、困るのは他ならぬスキルを持っていない始めたての人です。「戦いの土俵に上がるためにスキルを集めたいのに、そのスキルを手に入れるためのスキルがない」という負のスパイラルが発生します。

こういった事情のせいで、自爆デッキによるフリー対戦の占領は常態化してしまいました。

ここまでで十分に地獄なのですが、ここから更に事態を悪化させる闇の勢力が登場します。それがオートクリックツール等を用いた機械操作によるプレイヤー(と呼んでいいのかすら分からない)、BOTの大繁殖です。

デュエルボット

大繁殖したBOT達の数は、それはそれは凄まじいものでした。彼ら(?)は次々にバニラモンスターを召喚し、ターンを渡し、そして敗北していきます。一体このBOT達は何者なのか?一説によるとこうしてスキルを確保したアカウントを売買している黒幕がいるという噂もありますが、真相のほどは定かではありません。

自爆デッキ、そしてBOT。スキルという報酬を得るためにデュエルを放棄した二大勢力によって、デュエルリンクスのフリー対戦は完全に蹂躙されました。どれだけ潜っても自爆かBOTしかいないので、まともなデッキを持ち込むのが馬鹿馬鹿しくなります。仕方がないのでプレイヤーは新キャラクターが登場するたびに自爆デッキを手にフリー対戦に潜ります。(新キャラクターはスキルを持っていないのでランク戦では勝てない)。誰もこの無限ループを止めることが出来ません。

フリー対戦におけるスキル堀り体験記事

結果として、遊戯王デュエルリンクスにおいてカジュアル対戦の柱であったフリー対戦が事実上消滅してしまいました。運営は代替措置としてルームマッチ等の機能強化を次々と実施、カジュアルな対戦環境こそ何とか息を吹き返すことができました。しかしながらそこには対戦報酬は用意されていません。純粋にカジュアル対戦を楽しんでいた何の罪もないプレイヤーにとって、一連の事件はあまりにもとばっちりでした。

実のところ、これらの自爆やBOTはランク戦においてもちょくちょく遭遇します。特にBOTは自らのレートに興味がないので、どこで負けようと一緒なんですね。

デュエルリンクスは人気アプリであるため、今のところ「純粋にランク戦を楽しむプレイヤー数>>>デュエルを放棄した勢力」という関係が成り立ち、ランク戦のマッチングはそこまで大荒れすることはありませんでした。が、もしプレイヤー数が減ってこの関係が逆転するようなことがあれば……考えただけで恐ろしいです。


※2021年の夏頃からデュエルリンクス運営はBOT対策強化をさらに進めており、現在ではフリー対戦でのBOTとのマッチング率は改善傾向にあります。2022年2月21日の筆者調べで、6戦中3戦は一般のプレイヤーと対戦することができました。


「運営が悪い!」

時は流れ2022年。マスターデュエルの初めてのイベント「エクシーズフェスティバル」にも早速自爆デッキの軍勢が出現し、その初日を華麗に破壊していきました。

『お願い!死なないで、マスターデュエル!』悲惨な歴史をリアルタイムで体験した私は、それが今まさに繰り返されようとしていることへの深い悲しみと憤りに包まれ、怒りのツイートをします。

マジギレ

普段ならこんな愚痴ツイートは2いいね程度で終わるのですが、我を忘れたマジギレ加減も手伝ってかこのツイートは広く拡散され、幸か不幸か多くの反響をいただくこととなりました。Twitterこわい。

そのなかで頂いたご意見の中で気になったのがこれです。

そう、「運営が悪い」。

正しい主張です。プレイ環境をコントロールするのは運営の仕事。そこにユーザーの責任はありません。

ではどうやったら運営にこの問題を解決することができるのでしょうか?Twitterでも色々なご意見・ご提案が飛び交っていますね。

提案(1): 負けた時の報酬が0になればいい

最も手っ取り早い解決策です。しかしながらこれでは「勝てない者は去れ」です。初心者というゲームにとってかけがえのない存在に対して、この仕打ちはあまりに厳しすぎます。なにか他に策はないでしょうか?

提案(2): エクシーズフェスティバルなのだからエクシーズ召喚にボーナスをつければいいのでは?

私のターン。十二獣モンスターに重ねてドランシアを召喚。自分の場のラッキーパンチを破壊します。6000のライフを失って私の負けです。対戦ありがとうございました。

提案(3): 自傷ダメージを受けるカードを禁止にすればいいのでは?

後攻、私のターン。ワイトを召喚。魔導士の力3枚と団結の力を相手のブルーアイズに装備。ワイトでブルーアイズに攻撃。反射ダメージでライフが尽きたので私の負けです。対戦ありがとうございました。

提案(4): 同じ勝率の人とマッチングするようにすればいいのでは?

なるほど、確かにこれなら勝率ほぼ0の自爆デッキ層、勝率の高いトッププレイヤー層、その中間に位置する初心者層やカジュアル層の棲み分けが期待できますね。おそらく次回のイベントではこのような措置が取られるのではないでしょうか。

しかしながら、これで万事解決とはいきません。意図的に勝率を落とすことによる「初心者狩り」や「自爆デッキ狩り」、これらを目的とした自爆デッキやサレンダーの横行、また初心者が少し連敗しただけで自爆デッキ層に叩き落されてしまう問題等、考え始めると枚挙に暇がありません。

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実のところ、KONAMI・マスターデュエル運営が如何なる対策を講じようとも、遊戯王というゲームは「プレイヤーが自らデュエルすることを放棄する」という行為に対し、圧倒的に無力です。

これは何も遊戯王に限った話ではなく、スマブラにしろAPEXにしろ、いやオンラインゲームにとどまらず将棋・チェスを始めとしたあらゆる対戦ゲームにおいて当てはまる話です。

スマブラで言えばキャラクターの放置行為。将棋で言えば初手から王を上下させるだけの行為。例え駒の動かし方が将棋のルールに則っていたとしても、それは将棋というゲームが成立しているとは言えません。表面上はゲームのルールをなぞりながらも、しかし他ならぬプレイヤー自身がゲームを楽しむことを放棄した時、そこに残されるのはあまりに空虚な時間です。

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最近のオンラインゲームには、こういった行為に対する通報機能がついていることもあります。マスターデュエルも不正ツール使用や放置は通報対象ですね。しかし通報機能も結局は「多くの参加プレイヤーがゲームを真面目に楽しんでいる」ことを前提に成り立っている機能です。ゲームのプレイ環境が荒れ果て、本来のプレイヤー層が排斥された時に一体何が起きるのか?それはデュエルリンクスのフリー対戦の例でお話した通りです。

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いや現代遊戯王自体たいがい世紀末かもしれんけれども

古今東西あらゆる対戦ゲームは参加するプレイヤーがゲームに対して真摯に向き合い楽しむ心を前提にデザインされています。

真摯に向き合う心、なんて大仰な言い方をしましたが、そんな大層なものじゃないです。普段何気なくゲームを始める時に、「よし、ゲームするか」って少しテンション上がるじゃないですか。それがまさに、ゲームを真摯に楽しむ心の本質です。

そして、みんなに楽しんでもらうために運営やゲームデザイナーがどんなに頭をひねろうと、そういう心自体は他ならぬプレイヤー自身が持っているものであることに変わりはありません。

全ての対戦ゲームは、そんなお互いのプレイヤーの善性・倫理観、そしてゲームを楽しむ気持ちを大前提として初めて存在が許される、とても儚く、そして美しい空間なんです。


STOP 自爆デッキ!

そんな素晴らしい空間のひとつであった「エクシーズフェスティバル」は、開始初日にその脆さゆえにあっけなく崩れ去りました。

でも、仕方なかったんです。みんな遊戯王で遊びたかったんです。もっとデッキが組みたい→ジェムが欲しい→でも勝てない、時間もない……。そこに颯爽と現れた自爆デッキはまるで救世主でした。

何より自爆デッキは、遊戯王に比べて快適でした。制圧・ソリティア……正直な話、「ゲームに真摯に向き合う」という面において、マスターデュエルおよび遊戯王OCGはあまりにタフです。時間だけやたらかかって、勝負になってないことだってしばしば。なんやこのクソゲー。それに比べて、対戦相手と向き合い勝ちを目指すことから解放された爽快感たるや!

自由解放

っていうか、ぶっちゃけ僕だって自爆デッキとドライトロン、どっちに当たるのが嫌かっていったらドライトロンだよ!あまりに長いし何もさせてくれないもん!でもそれは、僕の好き嫌いの話。ドライトロンは何にも悪いことしていない!!


自爆デッキは「麻薬」です。あまりに快適、でもその快適さはゲームがゲームであるために一番大切なことを捨て去ったがために手に入る身軽さです。

「自分だけなら」「報酬集めるまでのちょっとの間なら」そういう人間の心の少しだけ弱い部分が、対戦相手がいるゲームという場でゲームを捨てる選択をさせ、そしてそういう方向に多くの人間が流れた時、気が付けばゲームというかけがえのない空間は崩壊を迎えます。それこそがデュエルリンクスのフリー対戦、そしてエクシーズフェスティバルの初日で起こったことでした。

今回の自爆デッキの流行を、少なくともマスターデュエル運営は深刻な問題だと認識してくれています。それは異例のスピード対応を見ても明らかです。通常の業務を差し置いて、その日のうちにミーティングを開き、方策を決定してシステム対応をする。一社会人として本当に頭の下がる思いです。

しかし繰り返しますが、運営がどんなに頑張っても、ユーザーがきちんとゲーム遊んでくれるかはユーザー自身にかかっています。人々が便利さと快適さを追求し、欲望のままにゲームを捨て去った時、モーメントは崩壊しゲームには破滅の未来が訪れるのです。

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これを防ぐためには、プレイヤー達がゲームを楽しみ、対戦相手の存在を思いやり、ゲームに真摯に向き合い続けるしかありません

にもかかわらず、マスターデュエルの攻略サイトを自称するページたちが「イベントでおすすめの自爆デッキ!レシピと回し方のコツ!」などと銘打って、プレイヤー達にゲームを放棄させようと唆しています。周回の参考にしてください、じゃねえよ!お前らは止める側だろうがよ!!

まとめwiki

やべーだろ

もしここまでの話を聞いて、自爆デッキに対して「どっちでもいいか」という印象から「どっちかといえばよくない、のかなぁ?」くらいの印象を持っていただけた方が一人でもいたのなら、幸いです。

そしてもし行動に移していただけるのであれば、自爆デッキのようなゲームの本質を逸脱した手段を(1)使わない、(2)広めない、(3)広める行為を快く思わない、こういったことをしていけばいいのかなあと思います。

っていうか別に引き続き「自爆、どっちでもいいよ」でも、「いや〇〇より自爆のが100倍マシやろ」でも全然構いません。あなたがこの記事をここまで読んで、過去の事を知っていただけただけでも、十分にありがたいです。

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それから、twitterで怒り散らして本当に悪かった。ごめんよ。でも君達がデュエルを楽しもうとしてくれないと、僕もデュエルを楽しむことが出来ないんだ。僕はデュエルがしたい。

途中若干ネガキャンみたいなの入っちゃったけど、僕は遊戯王大好きです。このゲームはプレイヤーの想像力にどこまでも応えてくれます。それこそ自爆デッキという戦術が可能なほどに。そしてなにより対戦相手と一進一退の攻防になって、あれだけ時間をかけて必死に考えたデッキが、さらにその想像を超えてデュエルを展開していく瞬間が一番好きです。

次のイベント

あ、そういえば今回のイベント「エクシーズフェスティバル」のアンケートが来てましたね。どうやらマスターデュエルでは、これからも様々なイベント・レギュレーション戦を企画中のようです。楽しみですね。願わくば今回のイベントを楽しめた人も不満があった人も、もっと楽しめるようなイベントに進化していることを期待したいです。

これからも「遊戯王 マスターデュエル」が益々発展し、ひとりでも多くの人がデュエルで笑顔になれることを、ひとりのデュエリストとして祈っております。


ルールとマナーを守って楽しくデュエル!!

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