見出し画像

東南アジアの最高層ビル「ランドマーク81」を建てたベトナム大富豪の話

日本とベトナムをつなぐビジネスをお手伝いしています。毎年、話題になるフォーブス誌の「世界長者番付」ですが、2021年、日本からは49名が入り、ベトナムからは、昨年を上回り、6名が入る結果となりました。

世界とベトナムの長者番付

まず、世界全体でみると、10億米ドル(約1,097億円)をこえる億万長者リストにはいった人は、2755名です。1位はAmazonのジェフ・ベゾス氏、2位はテスラ社のイーロン・マスク氏など、想定通りの結果でした。
上位10名のほとんどアメリカ人ですから、文句なしに、世界でいちばん財力のある国です。

さて、ベトナムの6名はというと、

1位:最大手民間企業ビン・グループ会長(344位)
2位:LLC航空会社ベトジェットエア社長(1111位)
3位:最大手鋼鉄メーカー ホアファットグループ会長(1444位)
4位:最大手民間資本銀行テッコムバンク会長(1931位)
5位:大手商業自動車メーカー チュオンハイ自動車会長(1931位)
6位:TOP3の民間資本企業マサングループ会長(2378位)

2019年には、1位のビン・グループ会長ブオン氏が初めてベトナム人として選出され、2年後には6名にまで増えました。ベトナム経済の成長スピードが加速していることがわかります。

ビン・グループとブオン氏

2019年から、ベトナムトップの大富豪として君臨しているビン・グループとその会長がどんな人か、調べてみました。

ビングループは、「ベトナム最大の財閥」と言われていますが、会長であるファム・ニャット・ブオン氏が一大で築き上げた会社です。最大手コングロマリットで、不動産、ホテル・リゾート開発、遊園地事業、小売業、病院事業、教育事業など、様々な分野で活躍している企業です。

関係企業にはビンマート、ビンホームズ、ビンプロ、ビンスクールなど、「ビン」の名が入っているのが特徴です。

ブオン氏はハノイ生まれ、現在53歳の若い企業家です。決して裕福な家庭で育ったわけではないですが、熱い志をもって、ロシアへ留学したそうです。
その後、ウクライナで起業し、インスタント麺を販売、同国トップの企業となりました。

その後は、同企業をネスレに売却して、ベトナムに帰国。2001年にビングループの祖となる会社を作り、現在にいたります。

トップ写真と下記の写真に見える高層ビルは、ホーチミンに位置する「ランドマーク81」、ビンホームズが建設したものです。

画像1

ブオン氏の目指すところ

ブオン氏は、「ベトナムをもっとよくしたい」と考えている愛国心の強い方と言われています。その証として、不動産、小売業だけでなく、医療や教育といった各分野の発展に力をいれており、現在、注目されているのが製造業です。

「ビンファスト」というブランドでガソリン自動車やEV自動車を開発していますが、2年前に、ベトナム人の重要な移動手段であるバイク、つまり、電動スクーターを売り出しました。

その価格は6万円以下。

全人口9600万人の国民が購入できる価格帯であること、そして電動であることから環境問題に取り組んでいること、この2点をカバーしていることが「ベトナムをもっとよくしたい」という愛国心の表れだと理解できます。

現在、電気自動車のさらなる開発も進んでいるとのこと、今後の活躍がとても気になるところです。

ベトナムの経済と食品ビジネスに興味がある方は、「GOVERSEE:ベトナムと食品ビジネスの情報サイト」もお立ち寄りください。

https://kenndo.co.jp/news/



いいなと思ったら応援しよう!