2981 ランディックス 取材記事
2023年8月10日(木)にランディックスの 24/3期-1Q決算が発表されました。
前年同期比で増収減益という決算で、やや厳しいスタートという印象を受けました。
取締役 松村 隆平さんに今回の決算についてお伺いしました。
(お忙しいところありがとうございました!)
こちらのランディックスのnoteと併せてごらんください。
今回の決算の全体感について
全体感は間違ってないです。一つ、補足すると当社の場合、収益用不動産というのは、平たくいうと、良いものがあれば(収益用不動産としてこれいけるなというものがあれば)収益用不動産の方として仕入れるっていう形なんですよ。メインは住宅用でやってるという形なので、収益用不動産がものすごく住宅用不動産以上に利益率がガタつくって今のところそこまでないんですよね。住宅用がメインのところで、売り上げと利益は住宅用で作ってるので、きつい仕入れが起こったりとかで、頑張らなきゃいけない時にテンションがかからないといった、住宅用の方にはそういう側面はあります。
住宅用不動産の仕入れ状況について
まず内部要因として、1つは若手が十分に収益を上げるようになるまで立ち上がりきっていないという部分、もう1つはエリアを拡大したところについて従来の城南エリアと同じような稼働効率でいけなかったのがマイナスを食った要因なんですよね。
次に外部要因として、不動産全体的に、仕入れの価格が上がってコストアップが起こっています。これは当社だけの状況じゃなくて不動産の市況全体として物価上昇があり、あと建築資材がコストアップして、お客さんの予算感について行き切れず、売れ行きが圧迫されているという部分があります。あとはさっきおっしゃった値引きもやっぱりしてるんですよね。その影響で総利益が下がっているっていう部分。これが外部要因ですね。
もうちょっと具体的に言うと、例えばですねお客さんの予算が1億円だとするじゃないですか。で、土地7000万、建物3000万、ざっくりそういう予算を持っているとするじゃないですか。うちは土地しか売らないんですけども、やっぱ建築コストが上がっている影響で土地にかけられる予算というのは下がるんですよね。そうするとお客さんの財布の紐が締まると。で、それが全体的にそれだけだったらイコールじゃあ安く仕入れればいいわけなんで、要はその相場として売り値が下がるんだったら、仕入れも当然下がるはずでしょう。だったら別に利益率変わんないじゃんっていう話ではなくて、実際ですね、今のインフレよりも予算が上がるスピードって同じように上がってくれないというように、私としては考えています。給料ってそんなに、例えば物価が5%上がったからって給料とか予算が5%上がるわけじゃないのでその部分がやっぱりお客様の購入意思価格に響いてくるっていうところがありますね。
マッチングフィーの低下について
2つありまして、うちの販売手数料って、当社で持ってる物件を売った時にお客様から仲介する部分で稼ぐ部分があるんですよね。なのでうちが売る物件が減るってことは、そのまま仲介手数料も減ることになるのでその部分の減りがまず一つ。要は今回売り上げが38億円で止まってしまったので、その分15%ぐらいか4Qと比べると売上が少ない分、回転する見合いの収入がなかった。これが一つです。
教育に今パワーがかかってベテラン社員がそこの販売数を取るっていう部分に注力しきれなくて、ちょっと営業効率が落ちてるっていうのもあります。当社とては結構気にしてて、この部分の仲介手数料をちゃんと稼いでいく部分っていうのをやらなきゃいけない。これから人材育成をちゃんと軌道に乗せて稼いでいかないと、やっぱり利益の部分は伸びていかないんですよね。
そうですね件数自体も若干少なくなってしまいました。仲介手数料でいえば、物件価格の3%、請負手数料(マッチング)であれば建物価格の3%程度を売上(収入)として頂けるので、やっぱそのまま件数が減っていると見てもらってあんまりブレはないかと思います。
今回は特にいい方ですね。
今期の業績の達成確度について
はい、まさにその2つですね。まずマッチングの方で、やっぱり今なかなか売り上げを上げ切れない、育ち切ってないメンバーの育成をしなきゃいけないっていうところがあって、そこを2Q3Qに向けて立ち上げていって、そのマッチング部分の手数料の部分で稼いでいくっていうのがやっぱり一番改善幅があるところです。
2つ目がやっぱり収益不動産として販売していける不動産っていうのを、今現時点で仕込んでいる部分をしっかり売っていく。あとまだ今期の物件が出揃ってないので、大体10月の真ん中ぐらいまで仕入れた物件が今期ヒットさせる物件になるんですね。なので残りあと8、9、10、3ヶ月ですね。残り3ヶ月でそういった物件を仕入れていく。今までの水準よりもいいものを仕入れていくっていうことは、(外部環境的には)厳しい状況ではありますけど、その部分がやっぱり一番の打ち手となりますね。
エリア拡大戦略について
おっしゃった通りですね。城内エリアよりも相場感としてちょっとあやふやの部分があったので想定通りの利益が取れなかった物件を仕入れてしまったって側面は大きいですね。
もう少しそこを詳しく社内の温度感、失敗の温度感が伝わるように言うと、例えば城南だとこの物件1億で売れるよねって見込みをつけた時に9500万だよね、良ければ1億1000万だよねってそんな感じの幅感で考えたりしますね。ただエリア外に出た場合これ1億円で多分売れるんだけど最悪どうなんだろうねっていう時に要は正確に読めるレンジが広くなっちゃうだけに、例えば1億で売れるんだけども8000万で買ってもいいんじゃないか、8200万円でもいけるんじゃないかっていう風に、甘い仕入れをしてしまったんですよね。
城南エリアであれば絶対にこれ1億円以上では売れないから8000万超えてるんだったら買っちゃダメっていう選択ができるんですけども、そこのボラティティが大きいだけに希望的観測っていうのが強くなってしまって。結果論で見れば8000万でしか買っちゃいけなかったのに8500万で買っちゃったよねっていうそういう物件が出たというのがあります。
あと、これから新しい支店を出そうと思ってます。まだ場所は確定してなくて実際に物件の買入もしてないのですが、ただ具体的に検討はしていて多分今期から来期の頭には新しい支店を出します。城南よりちょっと出たエリア、文京とか豊島の方に行きやすいエリアに1個出します。
特に販売に関しては結構違って、例えば販売看板作りに行ったりとかお客様を案内するっていう時に、やっぱり往復3時間かかることがあるんですよ。それでやっぱり営業がかなり非効率になっているのでそこに支店をだして営業もそこに配置して、往復30分~1時間で済ませるっていうのはだいぶ営業効率上がるだろうということは見ています。
居抜きとか、なるべくすぐサッ入れるところで比較的小ぶりな支店作ってガリガリ進めていくっていう形が良いと思っています。来年300億に向けた打ち手としてエリア拡大っていう方針は続けていくので、今回じゃあ利益率が棄損したからといっていってエリア拡大っていう方針を変えるかっていうと、変えないと思うんですよね。
採用と教育体制について
そうですね新卒採用は大体毎年12人ペースで取ってるんですね。なので全体の割合に対して採用がこれ以上膨らむことはないと思うんですけどペース的にはこのペースで増やしていきますね。元々いたメンバーに教育の負担がかかって新しく入ったメンバーとしてもなかなか売れないと仕事進まなくなっちゃうので、そこはやっぱり良いバランスを取らなきゃいけないというところではあるんですけど。比較的気を使ってやってますね、人材の教育と定着に関しては。
総括
新入社員の戦力化によって営業効率の改善が進むかどうか。
足元の不動産仕入れ環境は厳しい状況にあるが、
ノウハウを蓄積し土地販売とマッチングの両輪で利益率を上げていけるか。
収益用不動産は引き続き好調。下期にかけてしっかり販売できるか。
この辺りが今後の注目点になるかと思います。
(今回株式分割があると良かったな・・・)