2024年Q3テスラ決算発表 ここ数年で最もポジティブな内容
今朝、テスラの2024年Q3の決算発表が行われましたが、ここ数年で一番ポジティブな発表だったのではないでしょうか。決算発表後、利益の上振れと強い粗利益率により、テスラ株は最大12%の上昇を見せています。
イーロンもとても落ち着いた感じで話しをしていましたね。特に注目はQ&Aで話された今後のテクノロジーや生産の見込みです。決算とQ&Aのコメントハイライトをまとめましたので参考にしてみて下さい。
決算内容と今後のマイルストーン
今回の決算発表ではテスラが非常に強力な財務状況を維持していることがわかりましたね。売上高が前年同期比8%増の251億8000万ドル、粗利益率19.8%、営業利益率11%と大幅な改善しています。フリーキャッシュフローも27億4000万ドルと前年同期比で223%増加し、Non-GAAP EPSも予想を上回る0.72ドルを記録。
事業の将来見通しも非常にポジティブ。10月10日にロボタクシーの発表が行われましたが、2026年にはロボタクシー「サイバーキャブ」の量産を開始し、年間200万台以上の生産を見込み、4680バッテリーセルも北米で最もコスト競争力のある製品になる予定です。
手頃な価格のモデル(モデル2もしくはRedwood)は順調に進んでおり、2025年上半期に発売を開始予定、これは引き続き嬉しいアップデートです。
さらに、完全自動運転(FSD)は2025年までに人間よりも安全になる見込みで、同年にはテキサスとカリフォルニアで一般向けのライドヘイリングサービスを開始予定とのこと。エネルギー部門でも、定置型ストレージシステムの出荷が始まり、最終的には年間数テラワット時に成長することを予測しています。また、テスラ・セミに対する需要も非常に高いようです。
決算ハイライトは以下のようになっています。
売上高:総売上高は251億8000万ドルで、予想の254億3000万ドルをわずかに下回る
営業利益:27億2000万ドルで、予想の19億6000万ドルを上回る
フリーキャッシュフロー:27億4000万ドルに、予想の16億1000万ドルを大きく上回る
粗利益率:粗利益率は19.8%で、予想の16.8%を超えた
1株当たり利益(EPS):調整後EPSは0.72ドルで、予想の0.60ドルを上回る(0.12ドルの予想上振れ)
設備投資:前年同期比+43%で35億ドル
車両デリバリー台数:マクロ経済状況にもかかわらず、車両納車台数の成長を見込
自動車生産コスト:1台あたりのコストは約3万5100ドルに低減!これまでで最も低いレベルを達成
EconomyAppのチャートを見ると全体の流れが分かります。もし興味がある方はご参考にしてみて下さい。
イーロンとチームのQ&A
イーロンやラーズが回答をしたQ&Aのハイライトですが、とてもインサイトに溢れています。テスラの今後を予測するためにも重要なコメントです。
2025年の車両成長目標:テスラは2025年に20~30%の車両生産量の成長を達成できる見込み
サイバーキャブ生産:サイバーキャブは2026年に量産に達すると予測。年間200万台以上の生産能力を目指す
4680セル:北米で最もコスト競争力のあるバッテリーセルとして、テスラが目指す4680セルの生産が進行中
FSD V13:完全自動運転(FSD)のバージョン13では、V12.5と比較して5倍から6倍の介入間隔(インターバル)の改善を期待
FSDの安全性予測:2025年第2四半期から第3四半期には、FSDが人間よりも安全になるとの予測。
ライドシェアアプリ:サンフランシスコのテスラ社員向けに、開発中のライドシェア機能を提供中(現時点では安全ドライバー付き)。2025年にはテキサスとカリフォルニアで一般公開予定
人型ロボットーオプティマス:テスラは最も進化した人型ロボットを開発中で、唯一スケールアップできる能力を持つ企業
エネルギーストレージ:テスラは100GWhの定置型貯蔵システムを出荷予定で、最終的には年間数テラワット時の規模に成長。
サイバーキャブの製造革命:革命的なデザインだけでなく、製造プロセス自体が飛躍的に進化し、通常の車両ラインの生産速度を大幅に超える。
テスラ・セミ:電動トラック「テスラ・セミ」の需要が非常に高く、電動セミを導入しない企業は運用コストで競争に負けると予測。ネバダでパイロット生産中。
テスラのポジティブな発表、そして最近のイーロンの政治活動も含めて、またアメリカの大手メディアでも盛り上がりそうですね!引き続きウォッチしていきましょう。
テスラのグローバル生産拠点においてその中核となっているテスラ上海ギガファクトリーを日本では始めて公式に訪問しました。その模様を以下の記事でまとめています。テスラの昨今の躍進がわかる潜入レポートです。テスラを深く知るためにぜひ参考にしてみて下さい。