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Jacob Misiorowskiの今後

ブルワーズのポストシーズンが早々に幕を閉じ、「何回負ければ気が済むのか」と気が滅入る日々が続いていました。内容は昨季より全然マシでしたが、WC敗退という事実は変わりませんし、今季はかなり期待していた分、ショックが大きかったです。さて、「いざ来季へ」ということで翌年(2025)デビュー予定のJacobジェイコブ Misiorowskiミジオロウスキーに関する話題です。文章下手ですが最後までご覧いただけましたら幸いです。




§選手紹介

早速選手紹介と言いたいところですがa.na.n.さんがすでに紹介されていましたのでぜひご覧いただけたらと思います。

追記:リリーフ転向によるものだと考えられますがプロスペクトランキングはチーム3位/全体80位に落ちてしまいました。そして早くも現地8月3日にAAAに正式に昇格されました。


§現状

Misiorowskiはプロデビューから先発で投げていて、今季のスタッツは

2024年 AA+AAA(先発)
[GS]21(19+2) [IP]82.2 [K]108 [ERA]3.59 [FIP]4.13 [K/9]11.76 [BB/9]5.77 [WHIP]1.28

FanGraphsより

と卓越した奪三振能力を誇る一方、1先発当たり約4イニングしか投げておらず、それに課題の制球面もなかなか改善されず……。制球が悪い原因ですが、手足が長い彼にとってその体を完全に使いこなせることができずリリースの一貫性が低いからだと個人的に考えています(データが欲しい)。三振を奪えることに良いに越したことはありませんが、WHIPがご覧の通りやや高く、先発でキャリアを積んでいくのであれば将来的にメジャーレベルで長いイニングを投げれるのかは懸念するところ。まずは1~2イニングに集中して投げてほしいという試みだと自分は考えていますが、現地8月11日からリリーフでの登板が始まりました。リリーフ転向後のスタッツは

2024年 リリーフ転向後
[G]12 [IP]14.2 [K]19 [ERA]1.84 [FIP]3.71 [K%]33.9% [BB%]12.5% [WHIP]0.75

FanGraphsより

と良好な成績を残しています。また許した四球は12登板中3登板のみとサンプルは少ないですが制球改善の兆しを見せて欲しいところです。


§速球

[リリースポイント(縦方向)]:5.3フィート
[VAA]:-4.1
[縦変化]:15.9インチ
[横変化]:-9.7インチ
[スピンレート]:2576.0mph

TJ Statsより

長身ながらもメジャー平均(5.8フィート)を上回るリリースポイントの低さでVAAやスピンレートの数値から見てもホップするようなノビのある速球を投げています。

縦変化は平均的ですが、横変化が大きく意図して投げてるのか、それとも結果的にシュート回転しているのかは興味深いところ。ただ、ある程度の縦変化があり、これだけ横変化が大きいと右打者相手にアウトローをめがければ真ん中付近に行ってしまうので心配です。
また、球持ちが良いピッチャーでもありエクステンションは7.4フィート(AAA)と現ブルワーズのクローザーDevin Williamsに匹敵します。



§Misiorowskiが投げる変化球

MLB公式のスカウティングレポートではカーブ・スライダー・チェンジアップと記載しています。代表的な2球種(カーブ・スライダー)の変化量をまとめてみました。

TJ Statsより

実はプロデビュー以降、スライダーが高速化し横変化を減らしたことでスライダーという名のカッターに、カーブもさらに横変化がついてスラーブ気味に軌道を変えています。カーブは大きな変化がある一方で、Chase%は23.8%(TJ Statsより)とはっきりボール球であることが多いのです。また、全ての球種から平均してみても24.4%と低い数値です。ただ、被打率は.088(AAA)と非常に優秀ですし、制球が良くない分打者側からすれば的を絞り込むことが難しいのでしょう。


§展望

ブルワーズは、粗くて使い物にならないと言われるであろう球種をゲームで使える/支配的レベルにまで改造できる球団でもあります。今季でいえばAaronアシュビー Ashbyアシュビーが代表例です。再昇格後は打者の内角をえぐるシンカーのコマンドがかなり改善され、今までそれで苦しんでいたとは思えない安定感がありました。

Savantより

また、Corbin Burnesもカッターを取り入れる前までは変化球のばらつきが顕著で、それからカッターを取得しそれを武器にして彼のキャリアが大きく有利に。2選手を例にとりましたが、ブルワーズはこれまでにも(特に近年)数多の投手を改造or再生させてきた球団ですし、彼の制球力が改善する可能性にも自信を持っていると思います。
話は変わりますが、Misiorowskiはルール5ドラフト(2026オフ)が迫っていまして、おそらく来季デビューはほぼ確かと。そこから、ローテーションの一員として確立されていない、所謂スウィングマンの段階でAshbyやPeraltaみたいな囲い込みをしてみてもいいのかなと個人的には思います。ここでブルワーズの監督Pat Murphy氏はこのように発言しています。

“I’m just saying we’re certainly not going to bring a kid up here if we’re questioning if he’s ready. ”
Misiorowskiが準備できていないとは言わないが、我々フロントが疑問を抱いているままで昇格させることは厳しい

Septemberコールアップやポストシーズンのロースター入りの候補ではありました(噂)。
それを受けての発言です。

このように今は彼のポテンシャルよりも1~2イニングに集中して抑えるなどといった確実性の方を重視しているといった見方ができます。ポテンシャルが高い投手ですし、今後もブルワーズが慎重に育成しさえすればメジャーの舞台で活躍、そして順調にいけば契約後半は非常にコスパが良いのではないかと思ったわけです。
さいごに昨季のフューチャーズゲームで18球中11球が100mph越えを記録した動画です。Lawrence Butler,Colt Keith,ソダストと打力が持ち味の選手を圧倒するような投球を披露してくれました。

ブルワーズファンとして成長し続けるのを見るのが本当に楽しみです!
ご覧いただきありがとうございました!


参考文献


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