見出し画像

卒業研究「エビ中とは?」⑤




100%ebism











メジャーデビュー10周年記念イヤーとなった2022年。「ライブを多くやっていく」と宣言した校長の言葉通りに春ツアー、対バンライブシリーズ『放課後ロッケンロール』とエビ中は多忙だった。

同時にファミリーは嬉しい悲鳴を上げていたことだろう。3月には『playlist』以来となる久しぶりのアルバム『私立恵比寿中学』がリリースされ、各種イベントに前述のライブづくしだ。


そんな中1番の関心事は5月5日の春ツアー大阪公演で発表された新メンバーオーディション開催だろう。
柏木ひなた卒業に伴う新メンバーの加入。ココユノノカ加入からまだ1年が経ったばかり。当然賛否両論となった。

ココユノノカが存在感を増してゆくツアーの最中、エビ中に関わるすべての人々は来たる“新メンバー”というものをどこかで意識しながら過ごしていたことだろう。



「さすがに早い」
「ひなたが抜けるからこそ入れるべき」
「受け入れられない」
「どんな子が入るんだろう」



そんなザワザワした気持ちもある意味で『私立恵比寿中学』というもののイベントの一つなのだろうか。ライブが続く中、エビ中自体はただひたすらに進むし、ファミリーも共に歩みを止めない。


春ツアー初日にはまたも新型コロナによる予定変更を余儀なくされたが、ツアーを完走した頃にはファミえんにも明るい見通しが立つようになっていた。

ココユノノカにとっては待ちに待った1年越しのリベンジ。だが1年を私立恵比寿中学のメンバーとして過ごした彼女たちにはもうそれは困難や壁といったものではなく純粋な楽しみになっていたのではないだろうか。
そして早くも先輩となることが決まっており、彼女たちもまた新たなフェーズに入るということでザワザワした気持ちになっていたかもしれない。

残念だったのは小林歌穂が欠席となったことだったが、小林のメンバーカラーの黄色のグッズを身につけたメンバーやファミリーにより3年ぶりのファミえんは大成功。
対バンライブでは様々なアーティストとのがっぷり四つの組み合いでまた新たな色を見せ、秋のちゅうおんではココユノノカだけでなくメンバー全員がさらに個性を磨いていた。



そして迎えた新メンバーの発表。



「即戦力をとる」というようなニュアンスもあったオーディションで新たに私立恵比寿中学への転入が決まったのは2人。



桜井えま
仲村悠菜




2人の初パフォーマンスは年末の大学芸会に決まった。

その大学芸会は柏木ひなた卒業ライブの翌日に同じ幕張メッセで行われることに。

それに向け新メンバー“エマユナ”の2人はレッスンに励み、早くもエマユナに心を打たれつつあったファミリー達はそれを楽しみに待った。

シチュエーションとしては2018年の廣田あいかの転校ライブ翌日の6人でのスタートとなった大学芸会『ebich pride』に似ている。この時も「エビ中の入口」転校翌日に同じ日本武道館でのライブだった。

柏木ひなた卒業翌日に同じ会場でデビュー戦というのは荷が重いようにも思えたが、桜井えまと仲村悠菜は立派だった。
心を打たれつつあったファミリー達は完全に虜にされ、加入自体に懐疑的だったファミリーも少しずつ受け入れるきっかけになったはずだ。

ココユノノカが初のちゅうおんや大学芸会でファミリー達を認めさせたように早くもエマユナは私立恵比寿中学に欠かせないメンバーとなった。

こう言うとココユノノカがエマユナに劣るかのように聞こえるかもしれないがそれは違う。
2021年のココユノノカ加入により私立恵比寿中学には新たな風が吹いた。それはココユノノカや既存のメンバーだけでなく関係者やファミリーにも言えることだった。

2014年のかほりこ以来7年ぶりの新メンバーだったココユノノカが入った時には新メンバーを受け入れる土壌ができてなかった。いや、正確にはあったが久しぶりにその土壌を使うため少し耕す必要があったのだろう。

ココユノノカ加入によって再び受け入れ態勢が整ったというべきか。そういう意味でココユノノカが切り拓いた道を行ったエマユナの功績もまたココユノノカの存在が大きいということだ。


エビ中というのはそれを繰り返してきたのかもしれない。



2023年。
ココユノノカにエマユナを加えた低学年メンバー達は武者修行と題したフリーライブを全国各地で敢行した。

フリーライブというものが久々であり、低学年メンバーのフレッシュさもあいまってどこかノスタルジックな気分になったファミリーも多かったのではないだろうか。

このフリーライブを大成功させた低学年メンバー達はまた新たなファン層を開拓し、そのまま春ツアー『100%ebism』へ道連れした。
春ツアーも各地でソールドアウトし大成功。

ツアーファイナルでは全国各地でファミリーがメッセージを書いた横断幕を新たなエビ中の目標である「さいたまスーパーアリーナ」へ連れていき、そこでゴールテープを切ることを約束。

年明けのぴあアリーナ横浜での大学芸会開催も発表され、1万キャパを越える大会場でのそれはさいたまスーパーアリーナへの試金石となる。

ココユノノカにエマユナを加えた10人のエビ中。
秋にはちゅうおんに代わる新たなイベント『オケラディスコ』を開催し、勢いはさらに加速していく。



かつてさいたまスーパーアリーナに日本人アーティスト最速で辿り着いたグループは、再びその地を目指して走っている。

エビ中には昔エビ中を応援していた元ファミリーが戻ってきているようで。それはきっとココユノノカやエマユナにかつてのエビ中を投影している部分もあるのだろう。





「最新のエビ中が最高のエビ中」








メンバーやファミリーがよく口にするこの言葉。
再びさいたまスーパーアリーナに立つことで名実ともにそれを証明しようとしている。

その時に切るゴールテープは100%で駆け抜けたebismの先にある。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?