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直ちに社会を守る行動を

「直ちに命を守る行動を取って下さい」- 大雨や津波、数十年に一度の規模で天災が襲ってきたときにメディアで聞かれる言葉である。その時に必要なことはまず自分の命を守ること-家族であっても助けに行っている間に自分が逃げ遅れて一緒に命を失う可能性があるのだ。

では、コロナ危機が我々に襲い掛かっているいま必要な行動は何か?

それは社会を守る行動である。共同体を守ると言い換えてもいいかも知れない。人間は共同体を作って生きる生き物だ。それは大昔から変わらない。共同体の維持は我々の生活の生命線なのだ。

では何をすれば良いのであろうか。答えは簡単だ。普段の生活を続けることだ。勤め人は仕事をする、もちろんテレワークでも構わない。子どもたちは学校や習い事に行く。休日には街に出てショッピングをしたり外食を楽しむ。休みが取れれば国内の旅行に出かけても構わない。もちろんコロナ危機の間は注意深くという但し書きが付くのだが。

何を言いたいかというと、経済は共同体の重要な基盤なのでそれを回し続けることが社会を守り共同体を守り、ひいては私たち自身を守ることにつながるということだ。共同体の経済的基盤を壊してはならない。共同体を無視して自分だけを守ることはできないのだ。

こんなことを言うと疑問に思う人がいるかも知れない。外出なんかして大丈夫なんでしょうか?感染したらどうするの?絶対の安全を保障できないのに無責任なことを言うな!

言いたいことはわかる。家の中に閉じこもっているよりも外出した方が感染のリスクは当然高い。それでも我々はできる範囲で普段の生活を続けなければならない。もし運悪く感染したら、それはコロナ戦役における犠牲者ということになる。そう、砲弾こそ飛んでこないが我々は有事の真っただ中にいる。

実際の戦争でもそうだろう。空襲の恐れがあるからといってひたすら防空壕に閉じこもっていることはできない。子どもは学校へ行き、大人は仕事に行く。食料品の買い出しにも行くしスポーツだって楽しむ。空襲が始まれば防空壕の中で過ごすがそれでも100%安全というわけではない。運悪く防空壕の入り口に爆弾が命中すれば助からない。

コロナ戦役の最前線は医療現場だ。その次の前線は自治体や保健所、入国管理局や厚生労働省ということになるだろう。我々はその前線を支えるための後方支援を積極的にする必要があるし、ほんの少しだが自己犠牲も求められているのである。

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