standing on the edge
こんなはずじゃなかったを繰り返しているうちに取り返しがつかないくらい歳を重ねていることがとても恐ろしい。記憶力を頼りにあの頃のアンセムを爆音で聴いても、時間は戻らない。少なくとも子供の頃思い描いた35歳はもっとまともで、もっと大人だった。
そういえば身近な「まとも」の権化こと兄一家は仕事の都合でもうすぐ日本を離れてしまう。兄の子たちは将来何らかのプロフィールを綴るときに「幼少期は親の仕事の都合で海外で過ごす」と書くのだろうか。受験英語以降が一切更新されないどころかポロポロと抜け落ちるだけの自分は先日海外に行った時も「英語でのコミュニケーションはしんどいし…旅行にしてもまぁ沖縄くらいがいいな」とドメスティック極まりない思考を巡らせていた。
「納税管理人ね…出来ることは少ないけどやれることはやるよ」と兄に告げる。宅建、FP、住宅ローンアドバイザー、そしてホスピタリティ2級…。特に役に立たない資格が牙を剥く。
大学を卒業してから13年程バンドと仕事のバランスを取りながらなんとかやってきたが、それがここのところ著しく崩れてしまった。毎日、軟弱な酒をだらだら飲みながら現実に蓋をしている。そのまま薬を飲んで寝落ちする。
そしてこんなことを書き散らしても何にもならないことくらいわかっている。何かを書きたいのではなく、何かを書かないと正気を保てないのかもしれない。
取るに足らない男の、聞くに堪えないブルースだ。
「あがけよ」
どんでんが昨年のオープン戦で「俺が監督の頃と別のチームやんか、知らんよ」などとそっけなくコメントしながらも、挨拶に来たかつての愛弟子T-岡田にかけた上記の言葉がどんでんらしくてたまに思い出す。そしてそれに対する最適解はタナソーの「わかったよ、トム。俺達もこのタイトロープからおっこちないようにする。誓うよ」なのではないだろうか。などと思ったりする。
わかったよ、トム。あがくよ。5/25(土)昼、空けておいてくれ。レコ発をする。三十路男の悲哀とか、理念とか、メッセージとか何も関係ない曲をリリースする。物語はあるけどメッセージはない。ずっとそうやってきた。
以前フランスかどこかのバンドと対バンしたときに自身のバンドの“Build the school EP”と記されたDLコード付うちわを見て「これは何かチャリティーとか…メッセージがあるのか」と訊かれたので“Our songs have a story, but no message.”と答えたんだった。ずっとそうやってきたんだ。
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