atelier
「お、久しぶり。元気?」
もう滅多に係わることもなくなった同期と、たまたま研修時に本部で鉢合わせた。
「あんまり…」
エレベーターが私たちがいるフロアに着き、扉が開く。
「あのさ、1分だけ…」
彼は去就を早口で私に告げた。
何が正解かわからない。適切な言葉を考えあぐねた挙句
「過去も、未来も、肯定できるようになるといいな」
と誰に向けたのかわからない、ペラッペラな戯言を発していた。
かくいう自分はどうなんだ?彼は、通勤時や休みの日に真面目に勉強して国家資格をいくつかとって、前向きな転職をするんだろう?怠惰にそれらしい言い訳をしながら十数年を空転して過ごしたお前は何なんだ?何者なんだ?
帰り道でその1分を反芻した。逡巡した彼の表情を。
空転した何者でもない私は、職場の誰に知られるでもなくカッコいいバンドをやっていて、素晴らしいアナログレコードを作った。そのレコ発をやる。
8/27(日)下北沢THREE
schedars 1st LP release party
OPEN/START 18:30/19:00
ADV/DOOR ¥2,500/¥2,800(+1d)
【ACT】
SPOILMAN
computer fight
schedars
【DJ】
daizo
ueda
chun chun
アルバム名は喧々諤々の議論の末セルフタイトルになったけど、私は当初atelierというタイトルを推していた。湖畔のアトリエで人知れず(誰にフックアップされるでもなく)描き続ける酔狂で無名の画家の作品、のようなアルバムだと思ったから。でも結局セルフタイトルでよかったと思う。
とても好きなメンバーととてもいいアルバムを作れたからこの時点で満足ではあるのだけど、プレス代を立て替えているので売れて欲しい。しレコ発是非来てください。
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