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健康経営の認定は取る必要はない

健康経営について説明する人によって、「何の為に健康経営をやるのか?」という目的が異なるようです。

ある人は
「健康経営は認定法人を取る為にやるもの」
というかもしれません。

確かに認定法人を取ることは、大規模事業者、特に上場企業だと

投資家の評価が高くなり、株価に影響することもあるため、スタンダードになってきています。

一方、中小規模の企業はどうでしょうか?

私個人は、必要がないなら、とらなくて良いと思います。

ただ、健康経営のやり方をツールにして、自社の健康への取り組みを考えるのは有効だとは思っています。

認定を取ることは対外的には

「うちの会社は従業員の健康にちゃんと気を使っている」

というアピールになります。

・優秀な人材の採用につなげたい
・とにかく人を募集している

その為に取りたい、ということはありますし、よく聞きます。

その為には役立つでしょう。

ブラック企業で働きたい人はこの時代あまりいないでしょうから、

社員の健康を考えている会社なんだと知ってもらえるのはメリットはあります。

この場合は認定をもらった方が良いでしょう。

また、中小企業の経営者さんたちの本音に耳を傾けると

・社員の離職率を改善したい
・社員が高齢化してきたので、健康に気をつけて長く働いてほしい
・不健康だと労働災害に繋がりやすく、リスクが大きいので改善したい

といった悩みを解決したい、という話は聞きますので、健康経営に取り組む意義はあると思います。

しかし、健康経営に取り組むには、労力もかかるし、時間もかかるのが正直なところです。

アドバイスを専門家に求めれば経費もかかります。

健康経営ために人員や時間、経費を削って、その分のリターンがあるのか?

と考えてしまうのは経営者としては当然です。

私も自分の店を切り盛りする経営者なので、費用対効果を考えるのは当たり前だと分かります。

この経費を

会社や社員に向けた未来への投資

と捉えられれば良いのですが、社員数が少なかったり、経営者自身があまり健康に興味がないと投資とは捉えにくいかもしれません。

そもそもどういう立場であれ、個人として普段から健康に投資している人は、どのくらいいるでしょうか?

健康よりも目の前の売上が大事になり、その為にお酒や食事の席を優先する事もあるでしょう。

健康に投資するより、お酒や食べ物にお金を費やして、ストレスを解消することの方が優先順位が高い人はいますよね?

それが良いとは思いませんが、健康でいる欲求が高くない人に

「健康作りをしなさい」

と言っても聞く耳を持たないでしょう。

それゆえもし、健康経営が認定を取る為のものだけだとしたら

「その為にやるの?!」
「認定取らなきゃ行けないの?」

となるのは当然ですよね。

ただ、同時に私自身が医療業界とフィットネス業界に長年携わってきたから思うのですが

果たして会社や人が健康作りに投資し、取り組むメリットは本当にないのでしょうか?

例えば

子どもが小さくてこれから学費がかかるなら、成人するまで養う必要がある。

だから親としてまだまだ働かなければならない。

という現状もあるでしょう。

経営者なら、社員の家族のことまで思いを馳せることもあるでしょう。

さらに、会社や個人が納める税金は、子どもの教育費や医療費、街づくりに使われます。

税金を納めるのも間接的に家族の役に立ちます。

その為にはやはり、健康に生きる、健康に働く、ということは大切になるのではないでしょうか?

ただ、企業として健康経営で認定を取ることが大事なのではないと私は思います。

むしろ、必要ないなら認定を取らなくてもいいと思っています。

でも、健康作りは大事です。

自分1人だとダイエットや健康作りに取り組まない、という日本人は多いですね。

ダイエット指導をしていると特に思うのですが

1人でダイエットするより、ダイエット講座などで何人かでまとまってやる方が、実は成果が上がりやすい傾向にあります。

「あの人も頑張ってる、私も頑張ろう」

と励みになったり

くじけそうな時にもみんなで声を掛け合って、楽しみながら進むことができたりするようです。

だから成果も上がりやすいのです。

同じように、会社でみんなで取り組むことで、楽しみながら実践できるなら、認定を取らなくとも

「健康経営の考え方をツールにして、社内の健康作りの基盤を作る」という考えでも良いのではないか

と思うのです。

会社の社員の健康作りを推進する際には、どんな風に進めたらいいか?という参考になります。

例えば、

運動不足を解消するための歩数の取り組み
体調を管理する為の体温や血圧の計測

など、些細なことでも、疾病予防につながり、体調を良くする為に役立ちます。

「今日何歩歩いた?」
「血圧どう?」

健康作りをきっかけに、コミュニケーションも広がります。

そんなコミュニケーションも意外と楽しいものです。

必要なければ健康経営の認定は取らなくても良い

でも、

自分や家族
社員や会社
そして社会や未来を担う子どもたち

様々な視点や立場でみた時に、一人ひとりが健康づくりに積極的に取り組むのは悪いことではないと思います。

そして、私たち健康経営を伝える立場にある健康経営アドバイザーや健康経営エキスパートアドバイザーは

広い視野、長期的な視点、で人や会社、社会を見て様々な角度からアドバイスする必要があるでしょう。

本質的に大切なことは、認定を取ることではなく

人々が健康をベースに働いたり、家庭生活を営んだりすることだと私は考えます。

「健康経営は一つのツール」

それでも良いのではないでしょうか?

その上で認定をとった方が会社にメリットがあるなら取りましょう!

でもすぐ取る必要もないですよね?

企業にも都合があります。

時間をかけて社内の健康作りの仕組みを作り、余裕が出たら認定の申請をすれば良いのです。

そう、私は思っています。

健康経営エキスパートアドバイザー
五十嵐めぐみ

健康経営についてはこちらから


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