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3人の女性との出逢い その3  運命共同体


運命共同体


大手のエステサロンに勤めて
7年がたとうとしていた。

女版ヒトラーもいなくなり
平穏が戻った日々。

私は「独立」を考えていた。

23歳で結婚をし、
結婚を機に働き方を変えたいと
思っていた。

ただ、良い物件に巡りあえず
覚悟もつかないまま、
片道40分の距離を毎日通勤していた。

そんなある日、
元上司だった方が独立し、
私に、「店長として働いてくれないか」
と話があった。

結婚し、同居をしていた私は
毎日帰宅が遅く、家のことを
ほぼ、お任せしていたので
肩身が狭かった。

そして、

独立したいとはいえ、
経営のことが全くわからないまま
独立をすることは正直怖かった。

なので、働きながら経営のことを学べる
ことも、チャンスだと思った。
なにより、上司は、私に「運命共同体」だと
言ってくれた。

こうして私は、
8年勤めたエステ店を退職し、
新たな環境に身をおく事になった。

希望

大手エステを退職し、

元上司の開業したエステ店に
店長として勤めはじめた私は、

「自由」を感じていた。

大手では、通らなかった意見も、
ここならば反映される。

毎日の報告電話も、売上のファックスも
しなくて良い。

毎月の店長会議もない。

社長や部長に媚をうる必要もない。

月末のピリピリ感もない。

オーナーと一緒に、
エステティックの展示会にも
出席した。

そして、展示会で良さそうな商品を
見つけては、このお客様に伝えたい、
あのお客様にご紹介したいとワクワクしながら
話していた。

ポスティングやとびこみ営業など
慣れないことも多々あったが、

私は「希望」に満ち溢れていた。



MLM


平穏な日々が続いていた。

オーナーは
何かをお店に取り入れる際、
必ず私に一言話をしてくれた。

中には、MLMの商品もあった。

下着、健康食品等々、
オーナーは、徐々に
様々なセミナーや勉強会にも
出席するようになった。

この頃から、徐々に

「お金」の方にオーナーの
意識が向いていった様に感じる。

MLM自体を否定するつもりはないが、

「商品を必要な方に届けたい」気持ちよりも

「代理店に必要な目標達成」のほうに
意識がいっているのが感じられた。

当初の純粋な気持ちでやる経営ではない。

オーナーは、「MLM」によって、
経営本来の目的意識を奪われていた。

私は純粋なエネルギーで仕事がしたかった。

育休からあけて戻ろうと思っていた私に、

「10か月から保育園に預けてフルタイムで
働いてほしい」と言ってきたオーナー。

そこに、昔のオーナーの
キラキラした眼差しはなく、
私は「独立」することを覚悟した。

ありがとう


オーナーには、感謝しかない。
私を大手エステサロンから
引き抜いて店長として働かせてくれた。

経営のことも、側で沢山勉強ができた。

営業、金額設定、キャンペーン、
業者さんとの関わり、コミュニケーション
様々なことを学べた。

大手エステサロンからそのまま独立した仲間は
早々に、撤退した方も多かった。

当初は、自分が遠回りしているように感じられたが、結婚し、出産し、
個人エステに勤めたからこそ
様々な経験がつめた。

そして、
私は今年開業10周年を迎える。

当時は「苦しい」「辛い」「大変」な
経験も、すべて今の私をつくっている。

20代の頃は「苦しい」「辛い」「大変」な
経験が多く、泣くことも沢山あったが、

その頃のすべての出逢いと経験に感謝をしたい。

出産をし、開業したのが息子が10か月の頃。

育児とエステ業を楽しみながら
できたのもすべて出逢いと経験のおかげ。

ありがとう。

私は更に進化する。

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