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人生を変える出会いを届けてくれた魔法の橋

橋って日本中、いや世界中にたくさんありますよね!

川にかかる橋、歩道橋、線路を跨ぐ跨線橋、色んな橋が世の中に溢れています。橋は数え切れないほどありますが、その中にはいくつか思い入れのあるあなたにとって特別な橋があるのではないでしょうか?

他の人にとってみればただの道路にある歩道橋であっても、例えば失恋した後にボーッとたそがれていたあの歩道橋、友人と下校している時に毎日通ったあの鉄橋はあなたにとっては特別な橋。あの時のあの感情が事細かに再生される魔法の橋。橋は向こう岸に私たちを渡してくれる間様々な感情を与えてくれる、そんなものだと思います。

私にとっての魔法の橋

私にとってのそんな魔法の橋は山口県にあります。橋の名前は角島大橋。日本海にぽっつりと浮かぶ角島に向かう全長1780mの橋です。

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写真引用元:https://jp.zekkeijapan.com/spot/index/239/

初めて角島大橋に訪れたのが、高校2年の修学旅行の時。その日の天気は快晴で、海はエメラルドグリーンに輝いていました。私を乗せたバスが対岸に進めば進む高まる胸の鼓動。高校生の時は今ほど旅に出たことがなかったので、角島大橋が人生初めての「絶景」と感じた場所になりました。この時に橋が魅せてくれた美しすぎる景色が私の記憶に強く刻まれていき、そして絶景をめぐるのが好きになっていきました。

再び角島大橋へ

大学に入ってサイクリング部に入り、長期休暇に自転車旅をするようになって、「人生初めての絶景」を再び見に行きたいと思うようになりました。その衝動が抑えきれなくなり、昨年の2月仙台から角島大橋まで自転車で本州を縦断することを決意しました。1500kmを超える長旅で、自分にとって人生最大の冒険であったと思います。2月の体が凍りつくような寒さ、日本海の暴風、毎日毎日降り続く冷たい冷たい雨のなか、12回テント泊を繰り返し、西へ西へひたすら突き進ました。

1つ目の運命的な出会い

角島大橋まで残り10kmのところまで差し掛かった時、僕の人生で忘れられない出会いがありました。後ろからバイクがやってきて、私を抜かしたと思ったら近くにあった待避所に止まって「ちょっと、ちょっと」と手招きしてきたのです。その時の私は赤の他人に対しての警戒心が非常に強かったので、素通りしようかと思いました。でも、そのおっちゃんの優しそうな雰囲気を感じて不思議と止まりました。そのおっちゃんは「カワサキさん」という人で自転車で旅をするチャリダーを見つけては、声をかけて応援してくれる優しい方でした。僕の部活の先輩のことも知っていて、話が弾んでいると、バイクの後ろにくくりつけたクーラーボックスから補給食やスポーツドリンクなどが入った袋を出して、「あとちょっとだ、頑張れ」と渡してくれたのです。見知らぬ人からここまで優しくされるのは初めてだったので、本当に本当に感動しました。

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そしてカワサキさんと別れ角島大橋につくと、角島大橋は高校時代の時とは違う顔を見せてくれます。海が青々と輝いているのではなく、夕日に照らされて神々しく金色に輝いていて、また角島大橋に魅せられてしまいました。まるでこの旅のゴールを祝福してくれているかのように感じました。

2つ目の運命的な出会い

角島大橋の展望台に登ると、むっちゃヤンチャそうな4人ぐらいの集団にいました。僕はその時ヤンチャっぽそうな人を見ると無条件に避けて来たので、「うわぁ〜」と思ってしまいました。「絡んでくるなよ」「いいか、絡んでくるなよ」と心の中で唱えていると、「君自転車で来たの??」って言われ、オワッタ〜と思いました。そのヤンチャ軍団はムッチャ馴れ馴れしくて、最初正直無理だわ〜と感じましたが、僕の旅についてほんとうに興味を持ってくれて、旅の話を笑顔で聞いてくれたし、そしてこの先の旅を優しく応援してくれました。それが見た目で人を判断するのは違うのかなと考えるきっかけになったと思います。

私は自転車で、彼らは車に乗って一緒に、高校時代からの思い出の地「角島大橋」を渡っていった、あの瞬間は忘れられません。

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3つ目の出会い、そして再会

角島大橋をさり、その日の寝床にしようと考えた道の駅まで行くと、なんとカワサキさんともう1人見知らぬ金髪の大学生っぽい人がいました。カワサキさんが言うにはこの金髪の大学生は大阪からママチャリで山口県まで来たとのこと。山陰路は起伏が激しいのでそれをママチャリで走破した彼はなかなかの化け物だと今でも思います。しばらく二人で語っていると、カワサキさんは「二人で分けて食べてね」とクーラーボックスからビニール袋を再び取り出して私たちに渡して、その場をバイクで去って行きました。カワサキさんはなんでこここまでよくしてくれるのだろうかと二人で感動しながら話してながら、ビニール袋に入ったパンやおにぎりを食べていると、今度はさっきのヤンチャ軍団の車がやってきて、「ジュースおごるよ」と自販機でコカコーラを買ってくれました。ここまで複数人の人に何度も優しくされたことがなかったので、感動が止まりませんでした。その後、二人で同じテントに入って、カワサキさんやヤンチャ軍団の出会いや旅の過酷さや今度の旅の計画に会話を弾ませながら夜通し喋りました。

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この時の私は頭のいい大学に行っているのが偉いという偏った考え方をしていました。しかし、角島大橋が繋いでくれた不思議な出会いや優しさで、今までの間違った考え方を壊してくれたと思います。この奇跡があったからこそ、今の自分があるのは間違いありません。きっとこの橋は私を角島に渡してくれたのではなく、新たな自分へと連れて行ったのだと思います。

あなたにとって特別な場所はどこですか??
そこに行ってみてください。ひょっとしたら、何かが変わるかもしれません。


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