業務設計とコミュニケーションの関係
こんにちは。業務設計士の佐近朱美です。
医師や管理栄養士などさまざまな職種の人がそれぞれの視点から「健康経営」について情報発信をしています。
健康経営とは・・・?
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。 ー経済産業省HPより
なぜ健康経営と業務設計が?なぜ業務設計とコミュニケーションが関係するのかについてお話させてくださいね。
新型コロナの影響で、リモートワークが増えました。GWに入る前に、こんな記事を、メンバーの一人である國定若菜さんからシェアされました。緊急事態宣言も解除されていっていますが、これらの問題を解決していくことは継続して大事なので、取り上げてみました。
コミュニケーションに限らず、いろんな意見も具体的に出されていましたが、今回は業務設計の観点で取り上げてみたのが下記の意見です。
●明確な指示とフォローアップが必要だと感じた。その点にメンバー全員が気をつけていればその問題も解決できると思うが。(製造業・東北・30代)
●コミュニケーションがなくてもある程度一人で業務を進められるように個人の業務分担を明確に定めてほしい(官公庁・地方自治体・関東・20代)
●時間管理ではなく成果管理にして欲しい。時間でしか部下を管理できないのは時代遅れであると感じる。(運輸業・関東・20代)
この意見について、一つ一つ解説をしていきますね。
明確な指示
考えるものなのか、作業なのか。納期はいつか。そもそも目的と狙いたいゴールは何か?ここの説明があいまいだと次のアクションに移れない、違う確率が高くなるのです。いつも一緒なら、「あの件だけど・・」と気軽に聞けますが、リモートだとなかなか難しい。5W1H(時には7W2H)をちゃんと伝える、受ける側も確認することの意識を高めてみましょう。
studiographicさんによる写真ACからの写真
フォローアップ
・・・フォローアップと一言でいうものの、ある程度コミュニケーションルールなるものを決めておかないと、めちゃくちゃ個人の考え方、感性に左右されます。任せてほしい人と管理してほしい人では、当然アプローチ違いますし、キャリアやスキル、仕事の内容によっても違ってきます。良い機会なので、それぞれが思うフォローアップとは何かの解釈をシェアしてみてはいかがでしょうか?意外な意見にお互いびっくりするかもしれません。全然違うところでの考え方の相違が軋轢を生む原因になっているかもしれません。
業務分担を明確に定めてほしい
誰が何をやるのか、何ができたらOKなのか、明確にしていますか?それをメンバー全員で理解できるようにしていますか?チームで協力し合って仕事をすることはとても大事ですが、責任の所在をあいまいにしていたり、流れや役割をあいまいにしていると、重複やモレ、待ちにつながります。これがひどくなると、チャレンジしにくい、やるだけ損またはやったもの勝ちにもなるため、チームの風土が悪くなりかねません。分担が明確であれば、自分の裁量が増える分、やりがいや成長にもつながりますし、次のチャレンジする点も明確になってきます。良い機会なので、仕事の棚卸をしてみましょう。逆に決めないなら、任せきる。決めるにしても決めないにしても、自律を促すなら、ベースは信頼しきるということは言うまでもありません。
時間管理ではなく成果管理
日本は製造業で成長してきた国です。そのため、時間管理や目に見えるもの、わかりやすいものでの判断がまだまだ多いのではないでしょうか?実際にものづくりをする場合、一時間あたり何個できたのかという点では、時間管理は重要ですが、創造性を成果とするものに対して同じ管理というのはおかしいと思いませんか?今をいい意味で疑うことは大事です。
問題と課題の区別はついているか、本質の問いは何なのか?創造性をどう評価するのか?ずっとあいまいにしてきたけれど、変革を迫られている今、しっかり考えていきたいものですね。このモヤモヤや課題をそのままにしていると、仕事も楽しくないし、やりがいにもつながりません。それだと、いくら健康に気を付けていても、真の健康とはいえないのではないでしょうか。
業務設計がなぜ健康経営に組み込まれているのか、理解してもらえるきっかけになったらうれしいです。