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素人がメンタル系には手を出すな!
メンタリストDAIGOやらマコナリ社長やらビジネス系YouTuberが炎上があいついだ。
彼らの上から目線の言葉が下級国民の怒りに触れたのだが、無理もない。
彼らは人が凡人の何倍も稼いでいるのだから。
BS2のドキュメンタリーで見たヒトラーを操った魔術師と言われたハヌッセンを取り上げていた。ハヌッセンとビジネス系YouTuberが重なった。
最初は奇術師として世間に現れたハヌッセンだったが、次第にオカルト的な方面にシフトして霊視や予言的なことを行うようになった。
もちろん、その能力にはからくりがあるワケだけど、今以上にとんでも科学に免疫が無かった当時の人はあっさりと信じ込む。
だんだん信者が増えて行き、最後には自ら新聞社を持ち情報発信を行うようになった。
そこでヒトラー率いるナチスを後押ししたのが独裁政権を作るきっかけになったという。
ハヌッセンは巨万の富にものを言わせてナチスの幹部の借金を肩代わりし、
情報を入手してナチスもコントロールするようになった。
ここまではいいんだけど、権力を手に入れた人間は段々歯止めが効かなくなるのだろうか?
ハヌッセンはナチスの幹部に金を貸してることをうっかり口走ってしまった。
それを言ったら自分が命取りになることを誰より知っていたはずなのに……
「それを言っちゃあおしまいよ」
文字通りハヌッセンは数日後にナチスによって銃殺されている。
メンタリストも社長も若くしてビジネスを成功させた、自他共に富も名声もスキルも最高の人間であると認めている。
でも彼らの富は彼らが下に見ている下級国民の財布から出ていることを忘れていた。
人の心を操れる予言者ハヌッセンも自分の運命までは見通すことができなかった。
メンタルを操れるという人はやがて、自らメンタルの罠の中に陥ってしまうのか?
小池龍之介という元僧侶がいる。
マインドフルネスをいち早く日本に紹介したのが小池さんだろう。
今そのマインドフルネスの第一人者がメンタリストだろうか?
小池さんの著書はユニークな表現で人間の陥りそうな心の罠を読み解いていて痛快だった。
小池さんは著書で心を常に観察してけして歪んだ考えを求めてはならないと再三警告していたにもかかわらず、自らその罠にはまってしまう。
ただ、「自分は特別な人間」と思い込んでしまうのはメンタリストや社長と同じだが、小池さんのアプローチは全く真逆のベクトルに進んだ。
自分はもうすぐ解脱すると信じこみ、それまでの地位や肩書、住まいまで捨てて、野に出て修行することにした。
文字通りホームレスに……
ところが、解脱できると思ったのは思い込みに過ぎなかった。
野宿生活がたたって瞑想もろくにできない状態になった。
瞑想ができないと、心の安定もくそもない。
瞑想修行をはじめる前の不安定な心に戻ってしまった。
つまり、限りなく悟りに近いと思われた自分の落ち着いた精神状態は、瞑想に適した環境にいたからこそ実現できた。
ホームレスになったらみんな瞑想や悟りどころじゃないよということだった。
小池さんは「自分が悟れる」と思ったのは禅用語における魔境のようなものだったと述懐している。
つまり勘違いや驕りだったと……
それを機に小池さんは僧侶をやめて、本を書くのもやめてしまったのだそうだ。
しかし小池さんのようにこのような状態に陥ったことを正直に告白した人を私は他に知らない。
もしかしたら、世の教祖と呼ばれる人はみんな小池さんのような魔境のような妄想状態に入って戻ってこれなくなった人かも知れないとも思う。
小池さんほどのストイックな人でさえも勘違い、驕りの世界に入ってしまうのに、自分の価値を収益や登録者数で図る上級国民さんが魔境に陥ってしまうのは当然だ。
カリスマの言葉に惑わされてしまうのは、一重に少しでも人に抜きん出たい、楽して成果を出したいというスケベ根性から起こる。
何をするにしても夢みたいなことは起こらない。
そう見定めて地に足をつけて生きたい。