折り紙作品 メガネモチノウオ
Amebaブログに投稿した記事のコピーとして書きました。多少の改変もありますが、ご了承ください。
自分の中でも3本指に入るほどお気に入りの作品の一つです。では、解説していきます。
創作の動機
事の始まりは2022年、僕の入っていたLINEオープンチャット内でメガネモチノウオの競作?が起きまして、便乗してやろうというのがきっかけ。
そんなわけで最初にできたのがこれ
酷いですね。ヒレの数や位置が違うし、まずメガネモチノウオとわからないです。
元々リカルド·オジェダ·サトー氏のリュウキンの頭部の構造を利用すればできると考えていたんですが、当時の即興力ではこの程度だったようです
これは一旦なかったことにして再スタートをきります。
過去作の振り返り
僕は基本的に部分試作はするタイプではなく、いきなり全体像から掴みにいくタイプなので、無難に魚の基本形から始めます。
良さそうなのができたと思い、衝動的に本折りまで持っていったのがこちら。
一見良さそうに見えますが、手元の資料はほぼなしで進めたのもあってあって
·コブの主張が激しい
·口辺りに立派な無駄領域
·尾びれのぐらい要素が強い
·和名由来の眼鏡のつる模様がない
など出るわ出るわ…
ただバランスとしては悪くないと思ったので、基本構造を利用して一年寝かした後に再度改良に取り掛かりました。(この寝かせるというのも大事な作業の一つと思っている)
まず基本構造というのは、魚の基本形でいうヒレの角を頭側にずらすように折り、できた余裕を使って下半身を作るというものです。しかし、左右対称のまま進めようとすると、ヒレを対角線上と縁に配置するしかなくなり、効率的な問題が発生しやすくなります。こういった場合の解決策の一つとして非対称構造を採用しましたが、それでも納得いかなかった点として、独自性がないというものがありました。作風やスタイルが確立されておらず、迷走することが多かったですが、これも視野に入れて考えてみます。
なぜここで止めてしまったのか…
構造的にはよくまとめられたと思うのにデザインがものすごく残念。
創作しているとき、奇跡の連続かなにかでアイデアがぽんぽんうかぶことがあるんですが、最悪のタイミングで止めてしまったようです。ただ、一年も寝かせたものですから、自分らしさに対する理解は深まったように思います。
新たに改良点をブラッシュアップしていきます。
·目がでかい
·顔の表情が残念
·背びれの鋭さがない
こんな感じに上がりました。
目と背びれは多少の変更でどうにかなりましたが
顔が難所ですね。ぐらい折りが嫌いという頑固な性格をしており、ぐらい折り(ほぼ)無し縛り的なことを数ヶ月やっていた時期でもあったのでどうしてもぐらい折りを入れるのに抵抗がありましたが、唇の形成の流れでぐらい折りによる立体化が可能であることに気づき、そのまま作品化に進むことになりました。
完成
お気に入りポイントとして
·非対称だが、左右で縁の数に大差がないこと
·背割れ作品ならではの背中の汚さを隠せていること
·ヒレに独立感があること
今回の作品により、ぐらい折りを入れるのに心を許すことができ、作風の一つの分岐点になったように思います。