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In Flames "The Jester Race"

音楽を聴くと、それを聞いていた時の風景や感情が突然湧き起こることがある。自分にとって、In Flamesの ”The Jester Race” はそんなアルバムの一つだ。

このアルバムを初めて聴いたのは、浪人生だった時だ。この頃は行き場のない不安や焦燥感が強く、常に感情が不安定だった気がする。そんな気持ちを紛らわすために激しい音楽を聴くことが当時は多かった。そんな時に出会ったアルバムの一つがこれだ。

In Flamesはメロディックデスメタルというジャンルの先駆けとなったバンドの一つ。いくつか代表とされるバンドがあり、好きなジャンルで一時期はよく聴いていたが、その中でやはり一番思い入れが強いのがこのバンドだ。

The Jester Raceは2ndアルバムであり初期の作品となる。徐々に時代が進むにつれてバンドはデスメタル路線から離れていくのだが、それでもどのアルバムにもIn Flames節は残っており、それが好きな自分にとっては最近のアルバムも結構愛聴している。

ただ、やはり初期の作品はデスメタル由来の激しさ、荒々しさがあり、それに物悲しいメロディが絶妙に混じり合っているのが堪らなく(慟哭のメロディとよく表現される)、In Flamesといったら自分はこのアルバムが一番好きだ。

このアルバム、海外版と日本版の曲順が異なっているのだが、個人的には日本版の曲順の方が圧倒的に良い。
オープニングは、まさに慟哭といった言葉がピッタリのイントロで始まるDead Eternityだと思うし、アコギを絡めた哀愁のワルツ Moonshield → 叙情的なインスト The Jester's Danceの流れは中盤こそ映える。
その後、立て続けに名曲December Flower、そしてArtifacts of the Black Rainと畳みかけて終盤に向かうといった流れが最高。
現在は日本版も海外と同様に統一されたようだが、初めてこのアルバムを聴く方は、できれば日本版の曲順で聴いてもらいたいものだ。
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Jester_Race
↑ 曲順はこちらを参照

今でもこのアルバムを聞いていると、あの当時の感情、そして窓から見えていた夜の風景が目に浮かんでくる事がある。
10代から20代前半までの多感な時期に聴いた曲でしか、このような事は起こらない。


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