【一級建築士】構造力学講座第2回「ねぇねぇ、支点って何だかわかる?(2)」
こんにちは!けんけん(@kenken_blog)です。
前回の講座では、支点って何?ってことを解説しました。
今回の講座では身近にあるものから、支点や支点に生じる反力のイメージを掴んで頂ければと思います。
◆支点がないと応力が生じないって本当??(実験その1)
と記しましたが、これは一体どういうことでしょうか?
身近なもので実験してみましょう!
まずは定規を用意し、テーブルの上に乗せます。
つぎに、テーブルに乗せた状態のまま、定規中央部分を人差し指で押してみましょう。
するとどうでしょうか?
定規は、テーブルの上をするすると移動してしまいますよね?
これは前回の講座で解説した、単純梁の支点をなくした状態と全く同じ状態が起こっています。
人差し指で押したこの定規。
この定規の内部に応力って生じていると思いますか??
人差し指で押したことにより、定規は弓の字になって変形していますか?
そうなんです。
この定規には応力も変形も生じていないのです。
なぜなら、応力や変形を生じさせる要因である、支点と支点からの反力が存在しないからです。
それでは次に、定規の両脇に分厚い辞書を置いてみましょう。
この辞書は、強力接着剤でテーブルに貼り付けているため、よっぽどの力でない限り、辞書は動きません。
この状態で先ほどと同様に定規の中央部分を、人差し指で押してみます。
するとどうでしょうか?
定規が突っ張っているのがわかりますよね?
辞書を置かない場合と比較すると、あなたの人差し指には定規からの「抵抗」を感じるはずです。
そう、この抵抗感は強力接着剤で固定した辞書からの「反力」によるものなのです。
この辞書からの反発する力(=反力)が定規内部を伝って、あなたの指に伝わっているのです。
この力を伝える力がいわゆる「応力」と言われるもので、目には見えないですが、辞書(=反力)がなかった時と比べると、定規の内部には何かしらの力が生じているのがわかるはずです。
◆反力は構造物にどのような影響を与えるのか?(実験その2)
以下のような足つぼマッサージを使ったことがある方は少なくないと思います。
実験その1では、定規と辞書が登場しましたが、実験その2では定規と辞書に変わって、あなたの足と足つぼマッサージが主役となります。
実験その1では、定規が感じる「痛み」をあなたは体験できていないため、次はあなたの足が「痛み」を感じる番です。
まずは、足つぼマッサージ機に足を乗せてみましょう。
どうですか?足の裏、痛いですよね?
なぜ、あなたの足の裏が痛くなるかというと、自分の体重(=P)を足裏マッサージ機のぼつぼつが押し返しているからなんです。
このぼつぼつ(=支点)の数が多ければ多いほど、一つの支点からの反力も小さくなり、力も分散されるため、足の痛みは小さくなります。
一方で、このぼつぼつの数(=n)が少なくなればなるほど、分母は小さくなるので反力は大きくなるということがわかります。
R=P/n
ここに、R:反力(=Reaction)
P:あなたの体重
n:ぼつぼつの数
では先ほどの図から、真ん中のぼつぼつを取ってみましょう。
あなたの足には何か変化が起こりましたか?
あなたは足の人差し指と”かかと”のみで、体重を支えようと試みたはずです。
この時、足の裏を硬直させて、上からのP荷重に対して、人差し指と”かかと”に力を伝えようとしているのです。
そして、力が向かった先の支点(ここでは足裏マッサージ機のぼつぼつ)はあなたの体重を支えるべく、足の裏を押し返しているのです。
この押し返す力(=反力)が痛みの元であり、応力を発生させる元なんですね。
あなたの体重や、支点からの反力のやり取りが、足の内部で起こっているのですが、この足の内部でやりとりされる力が「応力」、すなわち曲げモーメントやせん断力となっているのです。
いかがでしょうか?支点のことや支点から生じる反力がイメージできましたか?
今回の講座ではイメージを掴んでもらうだけでOKです。
これから実践的な解説に入っていきますが、つまずいたら一旦反力の講座に戻って復習しましょう。
この繰り返しにより、力学に対する苦手意識はなくなります。
◆まとめ
今回の講座では、支点や支点から生じる反力についてイメージを掴んでもらいました。
部材内部には、荷重の作用と支点間で力のやり取りが行われ、その力のやり取りが「応力」となる。
このイメージを持ちつつ次回以降の講座に臨んで頂くと理解がスムーズになるかと思います。
次回講座は、受験生の多くが悩むトラスの問題について、何よりもわかりやすく図解付きで解説しています。
是非、こちらもご覧になってみてください!
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