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「創造する」大人の学びモデル

 これは、リクルートワークス研究所が2018年9月に発行したレポートのタイトルです。このレポートのあとも、同研究所からは学びに関して興味深い調査研究レポートが続いていますが、約5年前に発行されたこちらのレポートを改めて読んでみて、果たして企業のラーニングシステム、いや学習と成長の支援の施策は、このレポートが2018年に示唆したポイントをどれだけ実現しているでしょうか。
https://www.works-i.com/research/works-report/item/learningmodel2030.pdf

以下、このレポートから引用しながら、書きます。個人的にこれは必見だ!と思ったのは、11ページ目に記載されている「変容する|Technology for learning」です。2018年当時、このレポートは『コンピュータネットワーク上の台帳が学習履歴を保証し流通を促す』として、デジタルバッジとブロックチェーン技術がそれを支えるであろうことを示しているのです。

出典:「創造する」大人の学びモデル(リクルートワークス研究所、2018/9/25)

 そして、「スキルや学習履歴の証明をもとに講師や仕事の実績を鑑み、それに対する評価が認知度を高め信用を創造する」ということ、そしてさらに、「オンライン上に流通することで、気づかなかった価値が創造される。このように学んだことが反響を得ながら形を変えて個人の学びの流通を牽引する可能性も見えてきている」とまで述べています。

 さて、コロナ禍で企業内の学びの場は、それまでのリアルに物理的に集合して実施する形から、かなりの部分がオンライン、e-ラーニング化はされたのではないかと思います。
 しかしながら、このレポート5年前に示唆レベルまでは到達していないのではないでしょうか。人的資本経営が注目を集め、人材版伊藤レポート2.0 でも知・経験のダイバーシティ&インクルージョンのための取組、リスキル・学び直しのための取組が項目を設けて取り上げられています。
 キャリアの自律、主体的な学びが欠かせないという課題意識を持っているならば、このレポートを改めて読んで、現在地点を確認し未来の学びの支援の方向性について議論を深めてみるのも有効ではないか、と思いました。
 
 正直、私がこの1~2年の間に感じて考えてきたことはすでに2018年時点で示唆されていたものであったことに驚きを隠せないと同時に、Web3.0の時代になった今、このレポートに書かれている世界はいよいよ実現可能になってきたと考えた方がいい。
 学びの履歴が新たな学びの機会を引き寄せ、その新しい学びがデジタルバッジによって証明され、流通するバッジが学びが新たなチャレンジの機会すらももたらすことさえもできるようになると考えると、自分自身で意図を持って学びを重ねていくことと、自分自身の履歴情報の公開についてもスタンスを決める必要があるなと感じる次第です。

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