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2つのAwareness
以前にも投稿したように、組織において変革を進めるとき、それが成功裏に進む鍵はチェンジマネジメントにあると認識しています。中でも、初期フェーズでの適切なAwarenessの醸成と、それに続くDesireを持つ集団(チーム)の形成がとても重要で、ここでしくじると大抵のプロジェクトは苦労していくことになります。
プロジェクトが遅延し、課題解決に苦労を重ねるうちに、いつしかとにかく実装することがゴールになってしまう。それはゴールに到達すればプロジェクトから解放されるから。
しかし、このような形でDesireを忘れてしまったプロジェクトの成果は果たして組織に定着、組織に貢献する(役に立つ)でしょうか?
そうならないために、十分なアイドリングをかけるべきがAwarenessのフェーズです。Awarenessを合わせていくプロセス、コミュニケーションの中でDesireも共有されていくと自分は考えています。
このAwarenessを合わせていくプロセスでは、2つのAwarenessについて言及しておきたいと思います。一つは、過去から現在へ至るAwareness。もう一つは現在から未来へのAwarenessです。
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前者は現在の課題が何か、そしてそれはどのような経緯や理由で生じてきたものなのか?を探求し整理するプロセスです。ここがないのにゴールを設定することは本来は不可能でしょう。
そして後者のAwarenessですが、これはどこで効いてくるAwarenessなのか? 私はこれこそが変革プロジェクトが達成した状況やゴールを組織に定着させる正体ではないかと考えています。DXを考えるときにもSF映画からバックキャストして考えてみるといいというようなことが言われます。それと同じように、変革のプロジェクトがもたらす未来を想像してみる。これはプロジェクトのゴールが実装された状況や状態の話ではなく、そのプロジェクトがもたらす未来、未来における意味や価値を考えるプロセスです。このプロジェクトが私たちにもたらすものは何なのか?その認識を合わせるのは簡単ではないですし、やってみなければ(進んでみなければ)見えてこない世界というもあります。なので、後者のAwarenessプロセスは、プロジェクトが終わるまでの間、何度となく繰り返される必要もあるでしょう。そのタイミングを仕掛け、そしてそれを言語化(可視化)しておくことはチェンジマネジメント・プラクティショナー、チェンジエージェントの重要なミッションであると考えています。
私が学んだProsci Change ManagementではADKARモデルとして変革のプロジェクトの基本的な進め方のフレームが示されています。変革のプロセス、変革のプロジェクトの期間が短いときはA→D→K→A→Rで進みますが、長期間にわたるプロジェクトのような場合、迷走に陥らないためにも「現在から未来へのAwareness」の対話を節目節目で取り入れることが大事ではないか、と考えています。