見出し画像

初代5008でひとり車中泊② 立山・黒部

今回の車中泊の旅の最終目的地は①に書いたように日本自動車博物館でしたが、道中どこにどう立ち寄るかもまた大事。
今回は立山黒部アルペンルートを組み入れ、強風がおさまった5月17日金曜の朝、道の駅・信州蔦木宿を出発し、TKルートの出発点である大町市の扇沢を目指しました。
のんびり下道を行くのも一興ですが、この先国道は茅野、諏訪、岡谷、塩尻、松本と市街地を抜けるルート、平日なので通勤の渋滞に巻き込まれるのを危惧し、そそくさと中央道へ。長野道の安曇野インターから扇沢までは一般道、高瀬川沿いを上流に向かい、朝8時半頃に扇沢に到着し、車とは半日お別れです。

扇沢からは電気バスで黒部ダムへ、そこからトンネル内のケーブルカーで高度を上げ、さらにロープウェイで立山の山体に取りつき、そこからトロリーバスで標高2,450mの室堂に至るオール電化ルートです。GW後の平日なのでガラガラかと思いきや、乗り場は9時発の電気バスを待つ人で溢れ、聞こえてくる会話の8割方は中国語。いやはやインバウンド。
関西電力ご自慢の電気バスは、超急速充電技術で1往復分の電力を10分でチャージできるため、トンネル内の架線を不要にした優れもの。

関電の電気バス

黒部ダムのまわりは雪もすっかりとけていましたが、室堂は見渡すかぎりの銀世界。この時期は「雪の大谷」という、観光道路の部分だけ除雪してできた高さ十数mの雪の壁を見て回れるのですが、残念なことに天候不良で中止。代わりに室堂ターミナルの周りの散策路を掘り下げたミニチュア版の「雪の回廊」(それでも高さ5〜6mあり)を、中国語が飛び交う中散策しました。

雪の回廊@室堂

アルペンルートはこの先、高原バスで弥陀ヶ原を経て富山地方鉄道の立山駅へ抜けるのが王道ですが、今回は車がある扇沢へ戻り、国道147号を日本海に向けて北上します。
真冬の室堂から春の盛りの信州に戻り、車は白馬山麓へ。地元の方にはありふれた景色かも知れないけど、旅人には心現れる、こんな情景に出会いました。

白馬村にて

このルートで個人的に意外だったのが分水嶺で、国道に並行するJR大糸線は松本から南小谷までがJR東日本、南小谷から糸魚川までがJR西日本と分かれているので、境界の南小谷あたりが標高が最も高く山深いのかと思っていました。しかし一番高いのは白馬の手前の青木湖あたりで(840mほど)、南小谷はだいぶ下がった500m程度で、並行する川も日本海に直接注ぐ姫川になっていました。
ではなぜ南小谷が境界なのか、これは国道を走って嫌が応にもわかりました。この先、糸魚川市街に近づき、姫川の扇状地に到達するまでの数十分、北アルプスと頸城山塊に挟まれた人家も無い深い深い谷間を、国道は姫川と大糸線と共にひたすら下り続けるのです。

いいなと思ったら応援しよう!