OODAループの本質を探る
OODAループとは、不透明な事象に対して最大限の効果を発揮する即応性と柔軟性を兼ね備えた一般理論だ。ここ数年日本での認知度も高くなってきた。うちでも研修やコンサルティングで3年ほど前から導入し、ご好評を頂いている・・・のだが、一方でBigな疑問も抱えることになった。
提唱者はアメリカ空軍のパイロット、ジョン・ボイド氏。彼自身、朝鮮戦争に実戦参加している。世界で初めて空中戦を理論化した人物でもあり、様々な伝説の持ち主である。
ボイド氏はエドワード・ルトワックの「The Pentagon」と言う米国防総省の暴露本(?)に書かれているとおり、戦闘機マフィアの中心的人物で生粋の軍人魂の持ち主であり・・・と、語りだすとマニアックな話になるので省略。個人的には現代空軍戦の父といえる人で、最新鋭のF22やF35にも彼の戦術思想は引き継がれ活かされていると思っている。
さて、OODAループだが一橋大学の野中郁次郎教授が久しぶりに海兵隊の本「知的機動力の本質(中央公論社)」を出すと言うので微力ながらお手伝いをさせていただいた時、海兵隊が活用していると言うことで詳しくを知ることになった。野中教授の取材に同行し現役の米海兵隊大佐から直接話を聞くこともできた。(ホントこれ夢のようなラッキー!)
一般な的には下記のような略図で紹介されていることが多いが、本当はページの↑トップ↑に載せたものが正式なものである。
①Observe・・・俯瞰(ふかん)する、情報を収集する。
②Orient・・・もっとも重要なステップ。経験知識を総動員して何が起きているか状況を仮構築する。ボイドは「Big O」と呼んだ。
③Decide・・・起こすべき行動を選択する。
④Action・・・選択した意思決定に基づいて行動する。
・・・とまあこんな風に単純に解説されていることが多い。
でも、本当はOODAにはフィードバックがあり、単にOODAがぐるぐる回っているわけではない。さらに調べてみると、陸上自衛隊ではOODAをIDAとして活用しているという。I=Informationらしい。あれ?一番大事な「Big O」がどこかに行ってしまった。なぜ?
さらに「Big O」について米国防総省で公開されているボイド氏のプレゼンテーション資料を調べたがよくわからない。内外の解説本を読んでも肝心なことが書いてなかったり独自解釈が多く、しっくりこなかった。もっとも重要で大事だとされているこの「Big O」の中で、さらに大事な何かがぐるぐる回っている気がするのだが・・・。
おかげで頭の中では20数年前に放映されていた某ロボットアニメのオープニングテーマがぐるぐる回ることに。「Big O! Big O Big O Big O!」(笑 : 分からない人、ごめんなさ~い!)
さて、果たして自分は「Big O」の謎を解くことができるのだろうか?
OODAループの本質を見極めることはできるのだろうか?
たいていのRPGやアニメではこういう場合「賢者」に出会い、道が開けたりするのが常道なのだが、現実世界では果てしてどうであろうか?
次回に期待せよ!!
(トップの解説図は私の著作物ではありません。詳細は次回に・・・。)
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